大きく変わりゆく中国の運送業界を描いた、中国の現代ドラマ『在遠方』
中国ドラマ『在遠方』をYouTubeで観終えました。2019年放送の現代ドラマです。
私の好きな中国女優さんの一人、馬伊琍(マー・イーリー)主演のドラマ最新作ということで楽しみに観てみました。
運送業に生きる男の紆余曲折を、長い時間の流れで描いたストーリーです。全54話、長かった…。削れるだろう、と思ってしまうシーンもたくさんあって、冗長に感じたことは事実。それでも、中国の急速な経済発展と密接に関係しながら、山あり谷ありで成長していくさまは、なかなか面白かったかも。
『在遠方』(2018年中国)
出演:劉燁(リウ・イエ)、馬伊琍(マー・イーリー)、梅婷(メイ・ティン)、保剣鋒(バオ・ジエンフォン)ほか
絶対日本には来ないドラマだよなぁ、と思っていたら、なんとスカパーで放送ですって。
鳳凰劇場(ドラマ) Phoenix Drama 在遠方 | プレミアムサービス | 番組を探す | 衛星放送のスカパー!
孤児院で育った姚遠(ヤオ・ユエン、劉燁)は、養父や仲間らと配達員の仕事をしていた。彼は郵政の調査責任者である路中祥の一人娘で、心理学を専攻する路暁欧(ルー・シャオオウ、馬伊琍)と知り合う。二人は惹かれ合い付き合うようになるが、姚遠は突然、何も言わずに暁欧のもとを去ってしまう。
その後、再会と別れを繰り返す二人。2003年のSARS、2008年の四川大地震と北京五輪など、中国が大きく揺れ動く時代背景の中、姚遠たちの運送業も二人の関係も、形を変えながら大きく変わっていく。
姚遠が運送業に携わる仕事人として、配達員、起業、大企業へと成長していく話。そして姚遠と暁欧の恋愛関係、この二つが主にドラマの軸となっています。
しかし、姚遠と暁欧の恋愛はねぇ…。見ていてイライラしてくる時も多々ありました(笑)。二人の付き合いは何年にも渡って続くのですが、なかなかはっきりしないし、なんだか腐れ縁の旧友みたいに思えてきたりも。
それよりも、現代中国経済の発展を、運送業そしてECを中心にしながら大きな時間の流れで追えたのは、観て良かったと思った点です。
特に、新型コロナウイルス感染症で世界中が影響を受けている今、SARSの時の描写は興味深く観ました。感染し入院した人を見舞うこともできない。生きて退院できるかも分からない切迫した状況が、まさに今同じように起こっているのですから。
姚遠は賢くはないが実直で、思ったとおりにとことん突き進むタイプ。不器用だが皆を引っ張るリーダーシップに長けています。同時に周りが見えなくなってつまずいたり、失敗したりすることもあって、必ずしも”敏腕経営者”としては描かれていないのもポイントかな。
姚遠を演じる劉燁、名前は知っていましたが出演作を初めて観ました。男気溢れるタイプで、特に声がカッコいいと思います。
ただ、ドラマの中ではどうも、衣装や髪形がひたすらダサい(笑)。まあ、わざとな演出かもしれませんが。ドラマではカッコよさが発揮されていないので、YouTubeで彼の出演したトークショーなどを見てみたら、普通にカッコいいじゃないですか(笑)。ちなみに奥様はフランス人。
馬伊琍はさすがの安定感。しかし、序盤のシーン、さすがに学生を演じるのは厳しかったですね^^; ポニーテールも似合っていなかったし。後半の方が良かったです。
私はわりと、暁欧の親友かつライバルの霍梅(フオ・メイ)が好きでした。演じるのは曾黎という女優さん。アジアンビューティーだなぁ。綺麗な人です。
男性キャラでは、姚遠と同じ孤児院で育った姚遠の弟分、高暢(ガオ・チャン)がお気に入りでした。年上の霍梅に一途に思いを寄せていて、霍梅も高暢の気持ちに気付いているのに相手にはされなくて。私は主演二人の恋愛よりこっちの成り行きの方が気になっていましたよ。演じるのは鄭奇(ジェン・チー)という俳優さん。なかなかカッコいいです。
冗長な部分もあるし、個人的には「面白いよ、おすすめ!」というところまでは行きませんでしたが、現代中国の発展をおさらいしているような流れも垣間見えて興味深かったです。
何より、このドラマでもたっぷりと中国語の勉強ができたことが嬉しいです♪
あの悲劇に至るまでの裏側に迫る ドラマ『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』
Amazonプライムでドラマ『倒壊する巨塔ーアルカイダと「9.11」への道』を観ました。
2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件を題材に、アメリカ政府の裏側に切り込んだ社会派ドラマです。フィクションではありますが事実を基にした内容で、非常にリアリティをもって描かれており、見応えがありました。9.11の裏側についてはいろいろと文献を参照したこともあり目新しい話ではなかったものの、やはり何度見ても、やるせなさとショックを感じざるを得ません。
『倒壊する巨塔ーアルカイダと「9.11」への道』(2018年米)
原題:The Looming Tower
出演:ジェフ・ダニエルズ、タハール・ラヒム、ピーター・サースガードほか
現在、Amazonプライムで全話見放題配信中。全10話、シーズン続編はありません。
↓画像をクリックするとAmazonページに飛びます。
↑ジョン・オニール(ジェフ・ダニエルズ)。
物語の始まりは1998年。ケニアとタンザニアのアメリカ大使館で、アルカイダによる爆撃事件が発生した。
FBIに新人の若い捜査官アリ・スーファン(タハール・ラヒム)が、対テロ部門I-49に赴任してくる。スーファンはレバノン出身のアメリカ人で、アラビア語に精通し、部門長のジョン・オニール(ジェフ・ダニエルズ)の信頼を勝ち取って捜査にあたった。オニールやスーファンらはアメリカがテロの危険にさらされていることを察知していたが、CIAアレック支局長のシュミット(ピーター・サースガード)らは、FBIとの連携を拒み、共有すべき情報を隠し続ける。
無情にも時は刻一刻と経ち、ついに2001年9月11日、悲劇が…。
ピュリッツァー賞を受賞した同名小説が原作。こちらはまだ読んでいませんが、ぜひとも読んでみたいです。
このドラマで触れられている主な事件は、
・1998年 アメリカ大使館爆破事件
アメリカ大使館爆破事件 (1998年) - Wikipedia
・ 2000年 米艦コール襲撃事件
・2001年 アメリカ同時多発テロ事件
このドラマはあくまでも、事実を基に描かれた”フィクション”。しかし、フィクションとは言えど、かなりリアリティをもって描かれていると思います。とはいえ、どこまで真実なのかは分かりませんが。
しかし、当時の映像がたびたび使われていて、非常に現実味を持たせていました。2004年に行われた公聴会でライス国務長官やCIAテネット局長の証言、当時のブッシュ大統領の会見、テロリスト(実行犯)が映った空港の映像、そしてあのあまりにも衝撃的で痛ましすぎる、事件発生の映像…。
FBIもCIAも、アメリカを守るためという愛国心は変わらない。しかし、その手段や方針が違っていたために連携が取れず、相互不信に陥り、互いを不要なライバル心というフィルターにかけて見てしまっていた。その、連携が取れていなかったという極めてアメリカの内輪的(に見える)な要因が、皮肉にも9.11の悲劇につながってしまった。このドラマは、主にFBIとCIAの確執を浮き彫りにしながら話を進めています。
当時のFBIとCIAの確執については、『ニューヨーカー誌の世界』エピソード1でも取り上げられていたのを思い出します。
現在このドラマを観ている私たちは、既に9.11に起こったことを知っています。だから、この事態がどんな悲劇を招いてしまうかが分かっている状態でドラマを観るので、ものすごくやりきれないし、特にCIAに対して、腹立たしさがこみ上げます。
特に、シュミットを慕うCIA局員ダイアンに対してものすっごく腹立ちますね。そして当時の政権の重要人物だった、ライスとラムズフェルドもひどいです。怒りを覚える。
FBIのジョン・オニールは、実在の人物です。オニールの人物像が実際どうだったのかはわかりませんが、ドラマでは、ベテランで有能な熱血漢の仕事男。しかしその性格ゆえに敵を作りやすく、また私生活でも複数の女性と不倫をし金銭面でもルーズな人でした。部下にはとても慕われていました。
オニールの部下であったFBI捜査官のスーファンが、結局は一番の良心だったのかな、と思います。
レバノン出身でイスラム教徒であり、アラビア語が堪能。自らがイスラム教徒であるからこそ、コーランさえも読んでいない、イスラム教の教えを勝手に解釈し多くの無実の人々を犠牲にしたテロリストが余計許せなかったのだろう、と。エピソード10の取り調べのシーンでは泣きそうになりました。
このようなジャンルの、”アメリカが敵に立ち向かう”類の作品って、どうしてもアメリカすごい!的な描かれで強調されがちで、シラケてしまう時も少なくないです。
しかし、このドラマは、アメリカの黒い闇、知られたくない部分にも切り込み、かつムスリムやテロリストの描写も、ドラマという限られた枠の中でできるだけ客観的に描かれているという印象を受けました。
Amazonさん、このような作品を配信してくれてありがとう!関連記事や本をもっと読んでみたいです。
Amazon.co.jp: 倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道 シーズン1を観る | Prime Video
笑いが止まらない!大ヒットロングランコメディドラマ『ビッグバン★セオリー』(シーズン10までの感想)
アメリカの大人気ロングランコメディドラマ、『ビッグバン★セオリー』をシーズン10まで観ました。いやぁ、たくさん笑わせてもらいました!面白くて大好き!
2019年にシーズン12をもって終了してしまいました。Amazonプライムで現在シーズン9まで全話見放題。Huluではシーズン10まで配信中なので、Huluのお試し期間でシーズン10を観終えました。現在日本で、主要ビデオオンデマンドで観られるのはここまでかな。早く残りの11、12が観たいです♡
※2020/5/2追記 Amazonプライムにもシーズン10が追加されました!!画像をクリックすると視聴ページへ飛びます↓
アメリカのコメディドラマって、これまで『フレンズ』が一番好きだったのですが、私の中でこの『ビッグバン★セオリー』はそれ以上かもしれません。
このご時世、コメディを観て英語の勉強をしながらケラケラ笑って憂鬱を吹き飛ばしちゃえ!とりあえずは、私が観たシーズン10までの感想を書きます。
『ビッグバン★セオリー』全12シーズン(2007~2019年米)
原題:The Big Bang Theory
出演:ジョニー・ガレッキ、ジム・パーソンズ、ケイリー・クオコ、サイモン・ヘルバーグ、クナル・ネイヤーほか
邦題が『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』となっている場合もあります。
IQが高く頭脳明晰だが、オタクで風変わりな男性4人と、彼らを取り巻く女性たちが繰り広げるコメディ。観客の笑い声が入るシットコムで、1話20分程度なのでサクサク観られます。
本当に、毎話と言っていいほど笑いながら観ていました。下ネタも少なくはないですが、こういうコメディだし、ケラケラ笑い飛ばせるレベルです(笑)。
ロサンゼルス、パサデナ。カリフォルニア工科大学に勤める優秀な物理学者のレナード(ジョニー・ガレッキ)とシェルドン(ジム・パーソンズ)は、マンションの一室でルームシェアをして暮らしている。オタクで女性付き合いが苦手な彼らだったが、ある日向かいの部屋にキュートな女の子ペニー(ケイリー・クオコ)が引っ越してきた。レナードはペニーに一目惚れしてしまい…。
↓以下、画像をクリックするとAmazonページに飛びます。
↑左からハワード、ラージ、シェルドン、レナード、ペニー。
登場人物やドラマの解説は、大人気ロングランドラマなだけあってたくさん記事がありますので、検索してみてください(笑)。
私は、このウィキペディア↓を読むだけでも思い出し笑いしてきちゃいます。すごく詳しく書かれており、もちろんネタバレ含みます。
このウィキペディアを読んでいて初めて、そういえばペニーの名字がずっと不明なことに気付きました。確かに、他のレギュラー陣は皆フルネームが分かっているのに、ペニーだけなんでなんで!?こんな謎があったなんて!
レナード、シェルドン、ハワード、ラージのオタク4人組は皆頭はとても良いのに個性的な変わり者。それぞれにイライラすることは多々ありましたが(笑)、憎めないんですよね。
中でも一番頭のいいシェルドンの個性は際立っています。極度の潔癖症で人との触れ合いを嫌い、何でもスケジュール通りにしないと気が済まない、気難しいシェルドン。しかし、レナードたち、ペニーやエイミーとの出会いによって少しずつ少しずつ、変わっていきます。他人の感情に鈍感なシェルドンが、人の気持ちを理解しようと努力(?)するシーズン10のエピソードは良かったな。
レナード&シェルドンの部屋の向かいに引っ越してきた、いわゆる“普通”の女の子、ペニー。ネブラスカ州出身で、女優を目指してLAに来たペニーは、あまり賢くはないが明るく優しく、おしゃれやショッピングが大好きなイマドキの子です。シーズン10まで観てシーズン1を振り返ると、ペニーがやたら若くピチピチしている(笑)。オタクなレナードやシェルドンたちとは感覚がずれまくって衝突もあったけれど、彼らと唯一無二の絆を築いていくのです。そんな距離感がなんだか良いんですよね。
↑シーズン3から登場する、ハワードの彼女バーナデット(メリッサ・ローチ/右から2人目)とシェルドンの彼女エイミー(メイム・ビアリク/右端)。
私の一番のお気に入りキャラはバーナデットです。小柄でとっても可愛らしいメガネっ子、しかし怒ると怖い( ´艸`)そして、あのチャラチャラした勘違い男(笑)ハワードを変えた、素敵な女性です。
ゲスト出演者もなにげに豪華で、あのスティーブン・ホーキング博士やスティーブ・ウォズニアック、イーロン・マスクら著名人が本人役で出てきたりもします。
また、レナードの母親役で、『グッド・ワイフ』『グッド・ファイト』のクリスティーン・バランスキーが出演。息子に冷たい母親役がハマってました。
レナードたち4人は皆、大のSF、アメコミ、ゲームオタク。『スター・トレック』や『スター・ウォーズ』、『バットマン』などが大好き。私はアメコミ映画はあまり観ないのですが、この辺りをもっとかじっておけば、小ネタが分かってより楽しめたかもしれないなぁ、とも思います。
それにしても、『フレンズ』もそうでしたが、同じドラマを10年以上にわたってレギュラー陣は変わらずに撮り続けるのって、本当にすごいことですよね。いつかは終わるものだけれど、シーズン12で終わってしまって寂しいです。
シーズン12の最終話の放送を終えてからアップされたショットが素敵。 まだ観ていないのに、ジーンと来てしまいます(笑)。
気軽に観られてたくさん笑えて、元気になれるドラマです。早くAmazonプライムで全シーズン観られるようになってほしい!
Amazon.co.jp: ビッグバン★セオリー<ファースト・シーズン>(字幕版)を観る | Prime Video
大胆かつ面白い!Amazonプライムのドキュメンタリー番組『ジャイアント・ビースト~グローバル経済の謎を解き明かせ~』
Amazonプライムオリジナルのドキュメンタリー番組、『ジャイアント・ビースト~グローバル経済の謎を解き明かせ~』を観ました。
今世界を動かしているお金の謎に迫る、経済ドキュメンタリー番組です。だからといって堅苦しく難しい内容では決してなくて、ユーモラスでキャッチ―に練られた作りの、よくできたエンタメ作品に仕上がっており、経済に詳しくない私も非常に楽しめました。
全8話。毎回テーマを設け、ホスト役のカル・ペンが世界のあちこちに赴いて関係者インタビューを敢行し、グローバル経済の闇に切り込んでいきます。皮肉や風刺を効かせたり、たまには演出過剰な部分も見受けられますが、それらも含めて許容範囲というか、面白く視聴しました。
↑画像をクリックするとAmazonページに飛びます。現在Amazonプライムで全話見放題!
『ジャイアント・ビースト~グローバル経済の謎を解き明かせ~』(2019年米)
出演:カル・ペンほか
各エピソードのタイトル(日本語):
1. マネーロンダリングの手引き
2. 金持ちはイヤな奴?イヤな奴だから金持ちになる?
3. ゴムのお話
4. 人口知能(AI)が作る未来。人類は生きてその恩恵を享受できるのか?
5. 偽物が経済を脅かす(そして発展もさせる)
6. 死のお話
7. お金って紙くず?
8. 世界の汚職ツアー
毎回、アメリカ国内や世界のいろいろな国に飛び取材をしているのも、海外大好きな私にとってはとても面白かったです。
例えばエピソード3では「ゴムのお話」でのタイのゴム産業に迫ったり、タンポポに活路を見出すドイツ企業を紹介したり。
ホスト役を務めるカル・ペンは、かなりクセのある人物です。俳優で、ホワイトハウス職員だった過去もある異色の経歴の持ち主。インドロケのシーンでは、インドで働いたことがあるとも言っていたなぁ。
↑彼がカル・ペン。
アクが強く、失礼ながら好感度はあまり高くなさそう(笑)な人ですが、ユーモアを織り交ぜながらぐいぐい相手に突っ込んでいくインタビューは観ていて面白かったです。
各エピソードどれも勉強になります。知っているようで知らなかった経済トピックを、とっつきやすく掘り下げてくれます。AIやビットコインなどわりとタイムリーな話題もしっかりピックアップしていて、まさに今観た方が、何年も後になって観るより楽しめそう。
特にエピソード1のマネーロンダリングの話は面白かったなぁ。キプロスがロケ地の一つになっているのですが、このエピソードを観た後に視聴したドラマ『MR.ROBOT / ミスター・ロボット』 でもキプロス銀行の話題が出てきて、「おっ!ジャイアント・ビーストでもやってたキプロス銀行だ!」と一人で勝手に盛り上がっていました。
また、エピソード5の、偽物の話も興味深かったです。特に、香港ロケで出てきた、ブランドの偽物がテロリストに渡っていたという話は、目新しいものではないけれど改めて知っておかなければならないこと。
"テロリストが偽造物を資金源にしてるそうだ 2015年にパリでテロがあった 犯人は中国で買った偽物をパリの市場で売りさばき3~5ユーロを蓄えた それをアルカイダで訓練を受けるために使ったんだ"
“人々は偽物を買うことでテロ資金を与えてたと?”
"そうだ"
私が中国にいた時も、中国で偽物のブランド品を偽物と知った上で買い物をしている日本人観光客の話をよく聞きました。大半の日本人観光客が偽物ブランド品を買って直接テロリストと繋がることはないでしょう。しかし、買う人がいるから売る人がいなくならない。売買が成立することで、巡り巡ってそれが悲惨なテロに結びつくこともあるのです。単なる観光中のショッピングだったとしても、自分は無関係だから、で良いとは思えないですよね。(というかそもそも、海外で偽物ブランド品を買っても、日本への持ち込みは禁じられていますけれどね。)
エピソード8の汚職の話。ここで紹介されていた、マレーシアのナジブ元首相の汚職疑惑とそれに対する庶民感情の話はかなり印象的でした。汚職に憤るストリートアーティストの彼、応援したいです。
世界で儲けているのは誰?お金はどこからどう流れ、どこに集まる?そんな大きく難しそうな経済のお話を、ユーモアを交えてとっつきやすく番組化した、なかなか見ごたえのある作品だと思いました。
シーズン2の制作予定はないのでしょうか。続編希望です!
Amazon.co.jp: ジャイアント・ビースト ~グローバル経済の謎を解き明かせ~ シーズン1 (字幕版)を観る | Prime Video
保険金詐欺を暴くクライム・サスペンスにハラハラ。韓国ドラマ『マッド・ドッグ~失われた愛を求めて~』
韓国ドラマ『マッド・ドッグ~失われた愛を求めて~』をAmazonプライムで観ました。韓国ドラマは数えるほどしか観たことがなかったのですが、Amazonプライムで面白そうかもと思って観てみたところ、これがなかなか良かったです。途中から鑑賞スピードが止まらなくなっちゃいました。
韓国のドラマってやっぱり恋愛モノのイメージが強くて、私はいかにもなラブストーリーがあまり好きではないので進んでは観ません。
なので、私好みのサスペンス系ドラマを見つけるととっても嬉しい。韓国語のリスニングを鍛える学習ツールとしても大いに活用しています。
『マッド・ドッグ~失われた愛を求めて~』(2017年韓国)
出演:ユ・ジテ、ウ・ドファン、リュ・ファヨンほか
↑こちらは画像をクリックするとAmazonページに飛びます。現在、Amazonプライムで全話見放題。
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大手保険会社テヤン生命の保険調査チーム長を務めていたチェ・ガンウ(ユ・ジテ)は、飛行機墜落事故で妻と幼い息子を亡くしてしまう。テヤン生命を退職したガンウは、私設保険調査チーム「マッド・ドッグ」を設立し、3人の仲間と共に悪質な保険金詐欺を摘発することに勤しんでいた。
飛行機墜落事故は、副操縦士が保険金のために故意に起こした“自殺飛行”だとされていた。しかしある日、ガンウの前に副操縦士の弟だという男キム・ミンジュン(ウ・ドファン)が現れる。ミンジュンの狙いとは、そして飛行機墜落事故には重大な秘密が隠蔽されていた…。
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妻子を失った男=被害者遺族と、兄を失った男=加害者遺族。対立しあっていた者同士が、その向こうにある巨大な敵に立ち向かい、お互いの痛みを理解していく過程が良かったです。
第1話を観終えて「面白いんだかよく分からないけど、とりあえず続けて観てみるか」と思っていたのですが、第2話で泣いちゃいましたよ(笑)。そこからはどんどん面白くなりました。スピード感あるクライムサスペンスで、一気に完走。
元保険調査員で頼れるリーダーのガンウが率いるマッド・ドッグのメンバーは、それぞれ訳アリな過去を持つ曲者ぞろい。元体操選手で身体能力抜群の美女チャン・ハリ(リュ・ファヨン)、元ヤクザで前科5犯だがお調子者で人が良いスンジョン、通称チータ(チョ・ジェユン)、童顔天才ハッカーのヌリ(キム・ヘソン)が、絶妙なチームワークで保険金詐欺を次々と摘発します。しかし証拠をつかむための手段は厭わず、違法なこともやってのけるので、かなり危なっかしさはあり。まあ、こんなにうまくいかないよなぁと時々冷静に観てしまうこともありましたが、ドラマなので(笑)。
そんなマッド・ドッグとキム・ミンジュンが手を組み、飛行機墜落事故を起こした航空会社JHと、JHと保険契約を結ぶテヤン生命という、利権渦巻く巨大な敵の正体を暴こうと奔走します。
マッド・ドッグは切れ者ぞろいですが、敵の巨大企業もかなり手ごわく、当然一筋縄ではいかない相手。先回りしたら裏をかかれ、またその裏をかく、といった見所が何度もあり、ハラハラして目が離せませんでした。
最終回もうまく収めたな、という感じです。
マッド・ドッグのやり方には多少無茶(に見える)設定もありリアリティはどうなんだろう?とも思いますが、エンターテインメントとしては楽しめるドラマでした。
現実における韓国の保険金詐欺事情は分かりませんが、保険会社や航空会社、さらには政府など、巨大な利権に対する辛辣なメッセージも秘めているのかな、と感じました。
俳優さんたちも皆個性が際立っていて、ハラハラしながらもどこか安心感がありました。悪役も分かりやすくて、変なまどろっこしさがないのも良かったです。
少ない女性陣、ハリ役のリュ・ファヨンとホンジュ役のホン・スヒョンが美人で目の保養になります( ´艸`)
韓国映画ほどハードボイルドではないにしろ、こういうサスペンスドラマは好きです。また面白いもの見つけて観ていこうっと。韓国語の勉強にもなるし、楽しいです。
Amazon.co.jp: マッドドッグを観る | Prime Video
中国語学習に役立つお気に入りYouTubeチャンネル~「青島日美外語専修学校」など
今更ですが、YouTubeってすごいですね👀あらゆる言語で知らない世界の動画がすぐに観られて、すんばらしい。大げさではなく、世界を変えたツールの一つではないでしょうか…。
私もいろいろなジャンルのコンテンツを観ていますが、中でも外国語学習に役立つものを観るのが好きです。日本語以外の動画を観ることが多いです。
中国語に関しては、日本に帰国してからも学習を続けていますが、 やっぱり毎日少しずつでも音声は聞き続けていないと、すぐに感覚が鈍って忘れてしまいそうなのが嫌で、何かしら聞くようにしています。YouTube中国語のコンテンツを探していて見つけたチャンネルの中で、非常に良い学習コンテンツを見つけました。
おそらく、すでにYouTubeで中国語学習している人には知られているかもしれませんが、それがこの「青島日美外語専修学校」のチャンネル。
中国の青島にある中国語学校が開設しているYouTubeチャンネルです。今年はまだ更新がなく止まっていますが、過去動画でもかなりの本数をアップしていますので、無料コンテンツとしては十分に学習できると思います。
↑一部の動画。主に初級、中級、上級があり、私は上級を全て観ました。中級もときどき。
一本の動画が5分未満のものがほとんどで、気軽に観られます。
上級の先生は全て中国語での解説。中級の先生も基本中国語で、たまに日本語をはさんでいます。初級は観ていません。
↑こんな感じでコンテンツがたくさんあります。初級は観ていないけれど、超入門のピンインからしっかり解説されているようです。
各動画一つのテーマを解説。上級は、 関連詞や成語、副詞、さらに中国文化などが学べます。
たとえばこういう感じ↓。
こちらの上級の先生も、そして中級の先生も、解説が非常に分かりやすいです。見続けていたらファンになってしまいます(笑)。
それもそのはず、実際に学校で教えているプロの中国語の先生ですもんね。
例文をたくさん紹介してくれるのも良いです。私はよく、一時停止してスクショをとり、それを中国語勉強用ノートに書き写していました。
中国の流行や文化、簡単な中国語などを紹介する中国系YouTuberも増えているようですが、中国を知るというコンテンツとしては面白いと思うけれど、彼ら彼女らは中国語の先生ではないので、中国語を教えるという点では限界があるしどうしても入門レベル止まりです。
それに対し、ここでは実際に授業を受けているような感覚で学べるので、とても有益でありがたいです。
もちろんこのチャンネルはYouTuberではなく、授業の合間にこうやって無料でコンテンツを提供しているので、多少画質が劣ったりなんてこともありますが、そこはほとんど気になりません。
無料でこれだけの学習コンテンツが観られるなんて、使わない手はありませんね👍おすすめです。
学校の公式サイト↓
これともう一つ、偶然見つけて最近よく観ているのが「アットチャイナ中国語教室 名古屋駅校」のチャンネル。
中上級者向けですが、CCTVの音声(数分間)を字幕付きで流してくれて、これがリスニングのトレーニングになります。こんな感じ↓。
話すスピードも速いし、中国で生活していた時の感覚を思い出せて懐かしくなっちゃいます(笑)。
中国ニュースを聞けるサイトやPodcastでももちろんいいけれど、これは字幕を出してくれるので、喋っている言葉を目でも確認できるのが良いです。
他にも中国語のコンテンツを見つけては、ちょこちょこと視聴しています。こんなに簡単に外国語に触れられるなんて、便利な世の中になったものですね~。
アメリカへ移民として渡ったスーダン難民を描いた映画『グッド・ライ~いちばん優しい噓~』
映画鑑賞記録。アメリカに渡ったスーダン難民をテーマにした『グッド・ライ~いちばん優しい噓~』をAmazonプライムで観ました。
1983年に始まったスーダン内戦により親を失った若者たちがアメリカへと移民し、全く違う世界に戸惑いながらもたくましく生きていく映画です。
観て良かったと思える、良い映画でした。
※画像をクリックするとAmazonページに飛びます
『グッド・ライ~いちばん優しい噓~』(2014年米)
監督:フィリップ・ファラルドー
出演:リース・ウィザースプーン、アーノルド・オーチェンほか
Amazon.co.jp: グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~ (字幕版)を観る | Prime Video
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1983年に始まったスーダン内戦で、幼くして親や兄弟を亡くしたマメール、ジェレマイア、ポール、アビタル。難民キャンプで育った彼らは、17年後にアメリカへ移住する機会に恵まれ、移民としてアメリカのカンザスシティーへと渡る。
空港に迎えに来たのは、職業紹介所で働くキャリー(リース・ウィザースプーン)だった。それまで淡々と仕事をこなしてきたキャリーは、マクドナルドもピザも食べたことのない、電話の使い方も知らない彼らに最初はいら立ちを覚える。しかし彼らの笑顔の奥にある苦しみを知り、彼らに惹かれ始め、キャリーの考え方も変わっていく。
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2000年、数千人のスーダン難民が渡米しましたが、2001年には9.11の影響でアメリカの支援がストップしてしまいます。
アフリカの難民というと、日本にいると遠い世界のことのように思えますが、実際にはこのような必死に生きてきた人たちが世界中にいるんですよね。難民を受け入れること、それは難民として移住する側も、受け入れる側もお互いを理解することが必要なことが丁寧に描かれていると思いました。
公式サイトにあるリース・ウィザースプーンの言葉には説得力を感じます。
文化的違いを乗り越えるのは誰にとっても難しいチャレンジよ。それは受け入れるアメリカ人にとっても同じことで、この物語は皆の間の垣根を取り払って、共通する孤独や忍耐、家族の大切さという人間性をお互い見出していく物語なの。
彼らの兄弟を大事にする絆、そして前向きな姿に心を打たれました。だからといってやたら感動させようとするのではなく、賛否両論を生みそうなラストを描くことにより、この物語はフィクションでもなく、ましてや過去の話でもないという問題提起をしっかりしているところが良かったと思います。
マメール、ジェレマイア、ポール、アビタルを演じるのは実際のスーダン難民です。
マメール役のアーノルド・オーチェンは、父親の死後2歳の時に母親と共に戦地から逃げてきた。ジェレマイア役のゲール・ドゥエイニー、ポール役のエマニュエル・ジャルは元スーダン難民で少年兵だった。アビタル役の女優さんも元スーダン難民。
実際に辛い経験をした彼らだからこそ、とてもリアリティがありました。
「グッド・ライ」の意味を最後に知った時は、思わず涙がこぼれそうでした。
スーダンの概要を知る↓
(以下ネタバレ感想メモ)
「グッド・ライ」の意味をラストで知って、感動し、涙がこぼれました。
でも、でも、これは彼らが本当に望んだことではなかったはずです。彼らはやっぱり、一緒に暮らしたかったと思うのです。
だから、ハッピーエンドだとは思いません。
この兄弟がまた笑顔で会える日を願って。