好きだなぁ、このじわじわ来る感じ。中国のロードムービー『いつか、また』
私は同じ映画を繰り返し観る、ということはあまりしないのですが、
久しぶりに観たくなって、動画アプリでリピート鑑賞してしまったのがこちら。
2014年の中国映画『后会無期』です。
『いつか、また』(2014年中国)
原題『后会无期』
監督:韓寒(ハン・ハン)
出演:馮紹峰(ウィリアム・フォン)、陳栢霖(チェン・ボーリン)、鐘漢良(ウォレス・チョン)、王珞丹(ワン・ルオダン)、袁泉(ユエン・チュアン)、陳喬恩(ジョー・チェン)ほか
↑改めて見ると、めっちゃ豪華キャストですな。
Amazon.co.jp: いつか、またを観る | Prime Video
この映画、良いですよね~。共感してくださる方いますか??すごく私好み(笑)。
ただし、大衆受けはしないと思います。好きな人にはすごく受けるだろうな、っていう。日本の映画口コミサイトでも、だいたいあまり評価は高くないですし(汗)。
中国の東の果ての島で育った若者3人が、車で西へ西へと旅に出る話。
馬浩漢(馮紹峰)と、地理教師の江河(陳栢霖)が主人公。
殺風景な荒野を車がひたすら進むように、物語も淡々と進んでいくように見えるのに、
どこか不思議な空気をまとったロードムービーになっています。
物語は地味に進むけれど、「そこで来る!?」と言いたくなるような、思いがけない方向からシュールな笑いが突然飛んできて、一人でクスクス笑いたくなってしまう(笑)。
そもそも、3人で出発したのに、開始早々一人が置いてきぼりにされて脱落します(笑)。
登場する女性陣も印象的です。
旅の途中で、江河が一目惚れするコールガールを演じるのは王珞丹。登場シーンは長くないのに、強い印象を残す存在感があります。
そして、馬浩漢が出会うビリヤード場の女性は、袁泉。
彼女は自立した、芯のある役がすごく似合う。
ちょっと前にハマって観たドラマ、『我的前半生』でもそうでした。
ひたすら荒野を走る、馬と江が出会ったヒッチハイカー役には、鐘漢良。
以前観た主演ドラマ『何以笙簫默』では、クールでおいしい役でしたが、
この映画ではクールさのかけらもなくて、新鮮でした(笑)。
この映画、音楽にも注目です。
音楽プロデュースは、なんと小林武史さん。
中でも個人的には、エンディングテーマが印象的で。
朴樹さんという歌手が歌っている、「平凡之路」という歌がずっと耳に残ります。
↑YouTubeにMVがありました。(中国での視聴にはVPNが必要です)
しかし、単独で聴くより、映画のエンディングとして聴く方が何倍も良いです。余韻がしばらく醒めませんでした。
最後に、中国語タイトルの『后会无期』について。
どういう意味なんだろう?と思って、辞書で調べてみたら、
「后会无期」は出てこなくて、「后会有期」が出てきました。
「后会有期」とは、「また会いましょう」「機会があればまたお目にかかりましょう」という意味で使われる成語だそうです。
この「有」が、「无」(「無」の簡体字)に変えられたのが、映画のタイトル。
ということは、反対に、「もう会わない」という意味と捉えることができるのかな。
映画を観ると、タイトルの意味が余計意味深に感じられてしんみりしてしまいます(笑)。
私、中国に来る前は、動画サービスかレンタルDVDで、毎日1本観るほど洋画ばかり観ていました。
映画はわりと観ている方だと勝手に思っていたけれど、中国映画は全くと言っていいほど知らなかったんだなーと、反省です。
せっかく中国語も勉強しているんだし、良質な中国映画を求めてこれからもいろいろ観ていきたいです♪