ミュージカル仕立てのヘンテコ?映画『香港、華麗なるオフィス・ライフ』
私は香港映画が大好きです。
カンフー映画が好きというわけではありません。
昔『インファナル・アフェア』を見た時からその衝撃が忘れられなくて。
ハリウッドとも中国大陸の映画とも違う、香港映画がまとう独特の世界観が好き。
2016年の映画『香港、華麗なるオフィス・ライフ』を動画アプリで鑑賞しました。
広東語が分かればいいのだけれど、中国語(普通語)版で。
『香港、華麗なるオフィス・ライフ』(2016年香港・中国)
原題『華麗上班族』
監督:杜琪峰(ジョニー・トー)
出演:周潤發(チョウ・ユンファ)、張艾嘉(シルビア・チャン)、陳奕迅(イーソン・チャン)、湯唯(タン・ウェイ)ほか
『単身男女』のようなラブコメも撮っています。
舞台は超高層の自社ビルを誇る一流企業。
新人の李想と琪琪が入社するところから始まる。
会社は上場を目指し、社員は皆社畜のように働いている。
社長(シルビア・チャン)と会長(チョウ・ユンファ)は長年の愛人関係にあり、琪琪は実は会長の娘なのだが、身分を隠して入社していた。
できるビジネスパーソンばかりのように見えて、裏では愛憎や権力への欲望が渦巻く人間関係のドラマが進行していく。
新入社員の2人が主役かと思っていたら、
いやいや、やっぱり先輩4人(ユンファ、シルビア、イーソン、タン・ウェイ)の方がずっと存在感も大きかったです。新入社員2人は後半影が薄い(笑)。
そしてこの映画、まさかのミュージカル仕立てでした。
いきなり歌ったり踊ったりするわけですが、ガチガチのミュージカル映画ではなく、テンポよく観られた感じです。
人間関係はドロドロなものの、軽いノリで陽気で愉快な演出。深く考えずに観ることができます。
皆歌うのに、チョウ・ユンファとシルビア・チャンは歌わないという。大御所の特権かなぁ(笑)。
有名歌手のイーソン・チャンが演じるのは、お金に目がくらんだ副社長。
経理担当のソフィにはタン・ウェイ。地味な女性の役柄のようでしっかり華を添えており、印象に残る演技を見せてくれました。
なんだか、変な映画でした。変だけれど、なかなか楽しかったかも。
舞台となるオフィスは、超近未来的。地下鉄のホームに直結していて、壁のないスケルトンな造りです。SF映画みたいなセットに圧倒され、現実と非現実が入り混じったような錯覚を与えてくれます。
香港の街並みなんかはほとんど出てこず、それもまたファンタジーちっく。
こういう映画、大陸ではなかなか生まれないだろうなぁ。
大陸の映画も香港映画も、それぞれの良さがあって、いろいろと見比べるのも面白いですね。
ジョニー・トー監督は面白そうな作品を続々世に出してくれるので、これからもチェックです。
それにしても、観終わってもしばらく、
歌の一部「没有时间!」(時間がない!)と繰り返すフレーズが頭から離れません!!(笑)
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