世界は広い。日本に留まっているのはあまりにももったいない。『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』を再読
中国に行く前に買った本が日本の家に山積みになっていて、帰国してからちょこちょこ読み返しています。
そして、中国に行く前後で、受け取り方や感じ方が変わった本もあります。
『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』ちきりん著 大和書房
ちきりんさんの本は、これまでもよく読んでいました。
この本でも、海外旅行を単に一過性の“旅行”で終わらせない、さまざまな視野や気づきをわかりやすい言葉で鋭く示してくれます。
海外で遭遇する、日本とは異なる文化や行動、考え方。日本人からすると一見腑に落ちない事柄であっても、「どうしてこうなっているんだろう」とちょっと頭を巡らせて考えてみることで、見方が変わってきます。
以前、中国に行く前にこの本を読んだ時はとても面白く読めたのですが、
中国生活を経験した後でこれを読むと、「全然特別なことは言っていないじゃん」と、多少つまらなく感じました(笑)。
中国で日々感じていたこととかぶる点が多くて、共感すると同時に、当たり前だな、と思って。
海外に行くと、日本ではありえないことにたくさんぶつかります。
そして、日本という小さな島国で生きてきた自分は、いかに視野が狭すぎたかをまざまざと思い知ります。日本の常識は、世界の非常識。
日本は豊かで生活水準も高く治安も良い、マナーやサービスが良く民度が高い(と一般的には言われている。私は結構疑問を持っていますが)、恵まれた素晴らしい国です。外に出ることで、日本の良さに気付けるし、客観的に日本を見ることができます。
同時に、そんな日本での当たり前なことに疑問を持たずに海外へ行くと、さまざまなギャップが生まれるわけで。
中国生活中、日本から来た出張者や旅行者をアテンドする機会が何度もありましたが、
必ず一定数いるんですよね、「日本が何でも勝っている」という、現地を見下した態度で来る人が。
そういう人たちは、目の前のできごとが「なぜそうなっているのか」という視点を持ち合わせていません。表面ばかりを見て「やっぱり日本が優れている」と現地で文句を垂れる一方で「アメリカに行った時は…」「ヨーロッパでは…」と、欧米賞賛話を始める。
現地の人や現地で根を張って頑張っている私たちにも失礼だし、悲しいな、と思いました。
私は、日本の常識が通じない海外が大好きです。予想外のことが起きると、「ではどうすればいいのか?」を自分で試行錯誤するクセが付きます。
(何でも現地の秘書や部下に任せている駐在員の方などは、そんな必要はないでしょうけれど…)
ちきりんさんのように、目の前のものやことが「なぜそうなっているのか」とちょっと踏み込んで考えてみることで、納得できる場合も多いですし、背景を踏まえた上で「それならもっとこうしてみても良いんじゃないか」とアイディアを出すことだってできます。そのようなアイディアは、時にビジネスにもつながります。
世界は広い。時には日本であれこれ考えていることが、本当にちっぽけなことだったんだな、と思えます。
そして、日本で何不自由なく過ごしている人だって、日本の外に一歩出ると、できないことの多さに愕然とします。日本という島国に居続ければ一生安泰かもしれないですが、ボーダレス化が進む世界で、先進国の国民としてそれはどうなの?と思うことが、日本を見ていて多いんですよね…。
個人の感想にすぎませんが、海外に出ると自分の力(自分ができることできないこと)を認識できるし、 小さくてもできることが増えてくると、自信につながります。
中国から日本に帰ってきてまだ数日なのに、日本語が通じない、日本の常識が常識でない海外暮らしがすでに恋しくなっています(笑)。
なんだか偉そうなことを書いてしまいましたが、私自身いろいろ言える立場ではないし、まだまだ知らないことが多すぎて。
もっと世界を見たい、知りたい。見たことのないものをたくさん見たい。その好奇心は、いくら海外に行っても、むしろ大きくなるばかりです。
行ったことのない場所がたくさんあるので、本を読み返して、ますます海外に行きたくなりました。
恵まれた素晴らしい環境の日本にいるからこそ、身につけたい視点や気づきをくれる内容だと思います。
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