モーガン・フリーマンとダイアン・キートンが夫妻を演じる『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』で、犬のエピソードに感情移入
映画鑑賞記録。今回はモーガン・フリーマンとダイアン・キートンという名優コンビが熟年夫婦を演じた『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』。
ほっこりした気分になれる映画でした。そして、犬のエピソードが出てきて、私はそっちに気を取られてばかりでした…🐶
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『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(2014年米)
原題:『5 Flights Up』
監督:リチャード・ロンクレイン
出演:モーガン・フリーマン、ダイアン・キートンほか
舞台はニューヨーク、ブルックリン。画家の夫アレックス(モーガン・フリーマン)と妻ルース(ダイアン・キートン)は、アパートの5階の部屋に40年暮らしている。眺めの良い素敵な部屋だが、そのアパートにはエレベーターがなく、年老いた2人と飼い犬は、毎回階段を上り下りするのが厳しくなってきた。体のことを考えて、長年暮らしたこの部屋を売り引っ越すことに決めた夫妻。姪で不動産エージェントのリリー(シンシア・ニクソン)に、部屋の買い手探しを任せるが…。
部屋を買いたいという人が続々と内覧に訪れ、リリーを通じて「いくらで買う」という入札と交渉合戦が始まります。
画家のアレックスのアトリエ部屋には、画材や絵がたくさん置いてあるのですが、「ガラクタ」呼ばわりされたり、売りたい人は入札額が低かったり。
そして、自分たちも新しい家を買おうと内覧に行きます。
さまざまな人たちとの出会いを通して、夫妻が出した結論とは。
熟年夫妻のアレックスとルースが、なんというかとても可愛らしいんです。アレックスは黒人、ルースは白人。今よりももっと人種差別が激しくて、黒人と白人の結婚が多くの州で認められていなかった時代に、2人は恋に落ちて結婚しました。
2人が出会った頃やこの部屋に住み始めた頃の回想シーンが、現在の2人によく合っていて良かった。
モーガン・フリーマンは『ショーシャンクの空に』の頃から好きな俳優さん。ダイアン・キートンはとてもチャーミングなおばあちゃん(と呼ぶにはまだまだ若々しい!)。2人のカップルが、年齢関係なくとても微笑ましく映りました。こんな年の取り方をしたいな、と思えるような。
そして、登場した瞬間「ミランダ!」と心の中で叫んだ、リリー役のシンシア・ニクソン。そう、大人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』のミランダ役でおなじみの女優さんです。
さらに、もう一人の不動産エージェント役を見て私はさらにテンションアップ。だって、最近ずっとハマって観ていたドラマ『グッド・ワイフ』と、そのスピンオフ『グッド・ファイト』の人気脇役、エルズベス・タシオニを演じたキャリー・プレストンではないですか。 もう彼女、タシオニさんにしか見えないわ(笑)。
そんなわけで、親近感のある2人の登場で勝手に盛り上がりました( ´艸`)
実は私は、ストーリーそのものというよりも、飼い犬のエピソードにやたら感情移入してしまって。
夫妻はドロシーという10歳の犬を飼っていて、毎朝アレックスが散歩に連れて行きます。
帰りはまた5階まで階段を上るのですが、ある日、アレックス以上にドロシーの方が辛そうで。
病院に連れて行くと、ドロシーはヘルニアにかかっており、手術と入院が必要になります。
まず、ドロシーが痛そうにキューンキューンと鳴いたり、病院の検査で小さな身体を震わせながらCTスキャンに入れられたりするシーンでもう泣きそうになってしまいました。
そして、ドロシーが手術、入院が必要となった時、夫妻の意見が割れます。
手術、入院には高額の費用がかかります。家を買う予定の夫妻はできるだけ出費を抑えたい。アレックスは、もちろんドロシーのことは大切ですが、費用を気にして、「無理な延命治療はしなくていい。それも運命だ」というようなことを言います。
対して、ルースは「10歳はまだ早い。できるだけのことをしてあげたい」と、治療続行を希望します。
ドロシーは、アレックスがルースにプレゼントした犬でした。アレックスはそのことを思い出します。そして、獣医に「金はいくらでも払う。全力を尽くしてくれ」と言います。
うん、そうなんだよね。犬はかけがえのない家族。
犬を飼い始めてからというものの、犬や動物の話に本当に弱くなりました(^-^;
ドロシーのエピソードだけでもう、思い切り持っていかれた私でした(笑)。
ニューヨークって、大都会で高層ビルが立ち並んでエネルギッシュで、若い人たちを中心に回っているようなイメージを抱いていましたが、
この街に生きる熟年夫妻の笑顔とこの部屋からの眺めを観ていると、こんなニューヨークの顔もあるんだな、こんなのも良いなぁと、素敵に思いました。
ほんわかした気分になれる映画でした。