『グッド・ワイフ』のスピンオフドラマ『グッド・ファイト』(現在シーズン3まで)
大ハマりしたドラマ『グッド・ワイフ』のスピンオフドラマ『グッド・ファイト』もAmazonプライムで配信されているので、『グッド・ワイフ』に続いて観ました。
『グッド・ワイフ』はこちら↓
『グッド・ファイト』は現在シーズン3までリリースされており、一気に観終わりました。シーズン4も続くそうで、4が観られるのは早くても来年でしょうか。
『グッド・ワイフ』の主要キャラだった弁護士、ダイアン・ロックハート(クリスティーン・バランスキー)が主役です。
スピンオフってどうしても本編に比べて見劣りしがちな印象がありますが、『グッド・ファイト』はすごく良かった。『グッド・ワイフ』よりも個人的には好きです。
ただ、シーズン3はちょっとコケ気味だったかな…。シーズン1、2は文句なしの面白さでした。
『グッド・ワイフ』を観ていなくても問題なく楽しめるとは思いますが、『グッド・ワイフ』の登場人物がちょこちょこ出てきたりするので、『グッド・ワイフ』を観てからだとより面白いとは思います。
↑Amazonプライムではシーズン1からシーズン3まで見放題です。この画像はシーズン2吹替版に飛びますが、字幕版ももちろん配信されています。私は絶対字幕派。
↑こちらはDVD版。
『グッド・ファイト』シーズン1~3(2017~2019年米)
出演:クリスティーン・バランスキー、クーシュ・ジャンボ、ローズ・レスリーほか
『グッド・ワイフ』の最終回から1年後。ベテラン弁護士ダイアン・ロックハートの事務所は、合併を重ねて超大手になっていた。
新米弁護士マイア・リンデル(ローズ・レスリー)は、名付け親で師でもあるダイアンの事務所にアソシエイトとして就職する。しかし、投資家の父親ヘンリーの巨額な詐欺事件によって、マイアも世間の敵となってしまう。さらに、 ヘンリーの会社の顧客だったダイアンはリタイアしてフランス移住を計画していたが、破産。弁護士を続けることにする。
事務所から追い出された二人は、黒人弁護士エイドリアン・ボーズマンの事務所に移ることになる。そこでは、かつてダイアンの事務所で働いていた女性弁護士ルッカ・クイン(クーシュ・ジャンボ)がいた。
『グッド・ワイフ』の主人公アリシアがいなくても、全く気にならない面白さ。特にシーズン1、2は夢中で観てしまいました。
『グッド・ワイフ』の恋愛色もなくなり、『グッド・ファイト』の方がよりスタイリッシュな印象です。個人的には、事務所オフィスの感じもファイトの方がカッコよくて好み。そして私は何より、ダイアンが大口開けて笑うシーンがよく出てくるのが好きです。
『グッド・ファイト』の特長としては、2つ挙げられると思います。
一つは、人種問題がより濃く押し出されていること。
物語の舞台である弁護士事務所は、黒人の代表パートナーが設立した事務所。エイドリアン・ボーズマンやバーバラ(シーズン1のみ)、リズ・レディック(シーズン2から)らをはじめ、弁護士もスタッフも黒人が多数を占めます。
そこで働くダイアンやマイアら白人の方が少数派。しかし、シーズン3では人種によって待遇が違うといった職場内でのもめごとが起こったり、何かと人種によるトピックが押し出されていて、観ているこちらも考えさせられます。
もう一つは、政治色が非常に強いこと。
制作側はものすごいアンチトランプなんだろうなということがビシバシ伝わってきます。トランプ大統領批判の演出がこれでもかというほどに出てきます。
そのほこ先は、トランプ大統領にとどまらず、側近や息子、メラニア夫人までディスってしまうやりたい放題ぶり。
それでもシーズン2までは楽しく観ていたのですが、シーズン3はさすがにやり過ぎ感が否めなくて、ややしらけてしまうのも事実。
しかし、ここまで現政権を批判するドラマを作れるその姿勢は、さすがアメリカというか。感心させられました。日本だとなんだかんだでTV局は忖度しちゃって、こんな作品は作れないでしょうね(笑)。「表現の自由」の問題についてもドラマ内で取り扱われていて、アメリカ社会の今を覗き見ると同時に、日本の現状についても考えさせられます。
MeToo問題やフェイクニュースなど、時事的な話題もいち早く取り入れられているのも見ごたえがあります。フェイクであふれた世の中にダイアンが戸惑う描写がよく出てきました。
私は今の日本をとてもとても憂いているのですが(笑)、アメリカもそうなのだな、と。
そして、中国共産党批判もされているので、このドラマは絶対中国では放送されないでしょうね~。天安門事件への言及があったし。
ある回では、検索エンジン大手のチャムハム社の裁判。チャムハム社が中国でサービス展開するにあたり、中国向けにシステムをカスタマイズしていることが法廷で追及されました。会社側は「中国の法に従っているだけ」と主張。当局による検閲もありますし、中国で問題にならない範囲でやっている、ということなのですが、それを「言論の自由を侵害している」「人権侵害のある国にサービスを提供している」などと追及されます。中国当局からの被害にあったと主張するウイグル人が証人として出てきたり。
私はネット検閲のある中国に住んでいたので、わかるわかる~と思いながら興味深く観ていました。
『グッド・ワイフ』から観ていた人にとって、『グッド・ワイフ』の登場人物が出てくるとやっぱり嬉しくなってしまいます。
ダイアン、ルッカの他に出てくる人たちは、
事務所メンバー:
マリッサ・ゴールド。ダイアンの助手として働き始め、調査員に興味を持って資格を取り、シーズン2からは調査員として活躍します。『グッド・ワイフ』からブレない、おしゃべりでサバサバしたキャラクター設定で好感度高し。父親のイーライも出てこないかなと期待したのですが、セリフに出てくるのみでした。
ジュリアス・ケイン。『グッド・ワイフ』ではダイアンの事務所で働いていましたが、いつの間にか移ってきたのですね。出演シーンもだいぶ増えています。
その他:
ダイアンの夫カートも健在。シーズン1始めで離婚を視野に入れた別居中になっていて驚きましたが…。
『グッド・ワイフ』で人気者だったエルズベス・タシオニさんも登場しているのが良いですね~。そして、タシオニさんが闘う相手は、マシュー・ペリー演じる、マイク・クレスティーバ。
クライアント陣も、チャムハム社、スウィーニー、ルモンド・ビショップなど。
判事も、アバナシーやダナウェイ、検事ではマタンなど、『グッド・ワイフ』でおなじみの方々がちょこちょこと登場します。
シーズン1の1話にはデビッド・リーやハワードも。ハワードはその後、意外な形でチラッと再登場して笑わせてくれました。
繰り返しになりますが、シーズン3は政治色が強いので好みが分かれると思います。ただ、シーズン1、2は文句なしに面白い。アメリカの今を覗き見ることができるという意味でも、おすすめです。
【シーズン3を観てのネタバレ感想】
シーズン3には正直、ちょっとがっかりでした。上でも述べましたが、アンチトランプがあまりにも強すぎて引いてしまう部分があって。
毎回出てくる「グッド・ファイト劇場」なる歌は、ちょっと鬱陶しい💧
ダイアンがトランプ失脚を狙う女性グループに参加するのも、やり過ぎ感。
また、脚本も迷走しているように思えました。
シーズン3から出てくる下品なおじさん弁護士ブラムは、要らなかったです。出てくると不快でしかない💧それに伴い、マイアがどんどん性格が悪くなっていくのも残念でした。マリッサを裏切るのも、彼女のキャラらしくないし。ダイアンの言う通り、ブラムと組んでも未来はない。そうでしょう。
マイアは解雇され、ダイアンたちと決別してしまいます。それは、マイアを演じるローズ・レスリーがシーズン4には出演しないから、ここでいなくなる脚本をどうにか作り上げた末の展開だったのかもしれないですね。
さらに、ルッカの子どもの父親であるコリン・モレロや、マイアの家族や恋人もシーズン3では出てこないし。
何より気になるのがシーズン3の最終話の終わり方。SWATが入ってきて…何なの!
…と、失速気味のシーズン3でしたが、それもやっぱりシーズン2までが文句なしに面白すぎたので。シーズン4では軌道修正されることを期待します!なんだかんだでやっぱり楽しみにしています。