ITに詳しくなくてもハマる。ドラマ『シリコンバレー』が最高!(現在シーズン5まで)
Amazonプライムで、HBO制作のドラマ『シリコンバレー』を観ました。日本では現在シーズン5まで観ることができます。
タイトル通り、アメリカのシリコンバレーが舞台。スタートアップ企業が奮闘するテックコメディです。これがめちゃくちゃ面白い!最高です。
次のシーズン6で終了が決定しています。日本での配信が待ちきれないと同時にちょっと寂しいな。
『シリコンバレー』シーズン1~5(2014~2019年米)
出演:トーマス・ミドルディッチ、T・J・ミラー、マーティン・スター、クメイル・ナンジアニ、ザック・ウッズほか
↑画像をクリックするとAmazonページに飛びます。Amazonプライムではシーズン1から5まで見放題配信中!DVDは、日本語版は未発売のようです。
革命的なデータ圧縮アルゴリズムを開発したエンジニアのリチャード・ヘンドリクス(トーマス・ミドルディッチ)。大手IT企業のフーリーで働いていたが、自分の技術を武器に起業することを決意し、仲間と「パイド・パイパー」社を立ち上げる。
しかし、経営経験のないリチャードのパイド・パイパーはビジネスの厳しさにさらされ、苦戦を強いられる。シリコンバレーの荒波にもまれながら、パイド・パイパー社とリチャード達の行く末をユーモアたっぷり、時にはシリアスに描くドラマ。
ITは少し以前の仕事でかじったことはあるけれど専門分野ではないし、起業もしたことない私。しかし、難解さはほとんど感じず、すごく楽しめました。というか、めっちゃくちゃ面白かった!1話30分でテンポもよく、サクサクと観られます。
実際どれだけシリコンバレーの現実に即しているかは分かりませんが、いろいろな評価記事を読むと、結構リアルに描写されているようです。
登場人物のキャラクター設定も、皆個性が際立っていて面白すぎます。主要5人メンバーを見ても、ひと癖ある人揃い。
リチャード(トーマス・ミドルディッチ)
パイド・パイパー社のCEO。音楽配信ツールの開発を行っていた時に、革新的なデータ圧縮アルゴリズムを開発。そこからパイド・パイパー社を起業する。気弱で上がり症、大事な場面でヘマをしたり何かやらかしてしまうこともしばしば。ストレスを感じるとよく吐く。しかし自分の意志は強く、頑固で言いたいことははっきりと主張する。
アーリック(T・J・ミラー)
起業家を支援するインキュベーター。リチャード達に家を提供している。傲慢で自信家、いつも態度が大きく、煙たがられることもしばしば。しかし時にはその大胆な行動力がプラスに働くこともあり。どういうわけか日本文化好きでもあり、餞別には着物をプレゼントするが相手には全く理解されない。シーズン4で降板し、シーズン5に登場しなかったのが残念でした。
ジャレッド(ザック・ウッズ)
元フーリー社の幹部。経営のド素人のリチャードを助ける、パイド・パイパーの事業運営担当。経理や財務、総務、人事などの面でリチャード達を支える。温厚で常に笑顔。一見、一番まともな人物に見えるが、実は相当な変わり者。壮絶な過去をときどきサラっと口にする。
見たことある俳優さんだなぁと思ったら、『グッド・ワイフ』でNSAで働きアリシアたちを盗聴していたあの彼だ!
ディネシュ(クメイル・ナンジアニ)
パキスタン移民、Javaのスペシャリスト。ギルフォイルを常にライバル視し、優位に立とうと必死。女性経験が少なく、彼女を作りたいがなかなかうまくいかない。優越感に浸りたいために見栄を張り結局損をする、自業自得なことをやらかしがち。
ギルフォイル(マーティン・スター)
カナダからの不法移民。抜群の腕を持つエンジニア。常に表情が変わらず、笑わない男。自らをサタニスト(悪魔崇拝者)と称する。いつもディネシュをからかっている。
脇を固める準レギュラー陣も曲者ばかりです。
フーリー社のCEOでリチャードを潰しにかかるギャビン・ベルソン。Amazonのジェフ・ベゾスをやたらと敵視しています(笑)。フーリー社は架空の会社ですが、グーグルがモデルという説がありますね。
リチャードの親友のビッグヘッド。小柄なのにビッグヘッドという愛称がなんだか(笑)。パイド・パイパー起業の際に、実力がないためメンバーに加われなかったが本人はそれを受け入れ、リチャードとは友情を続けます。しかし、実力がないのにひょんなところからフーリーで重宝されたり、なんと大学教授にまでなったり。実力がないので毎回上手く行かなくなるが、本人は気にしていない様子でもはや大物(笑)。いつもLサイズのコーラ(たぶん)を手にしているのがこれまた可愛い。
パイド・パイパーに投資をするラビーガ社のCEO、ピーター・グレゴリー。シーズン1収録後、ピーターを演じる俳優クリストファー・エヴァン・ヴェルチが死去してしまい、シーズン2ではピーターも突然亡くなったことになっています。
アーリックの家に居候する中国人ジアン・ヤン。彼の描写はアジア人蔑視だという声もありますが、ジアン・ヤンはかなりの傲岸不遜なクセモノキャラ。アーリックが嫌いで、しぶとくアーリックにたてつくシーンは笑えます。
などなど、個性豊かなキャラクターがドラマを何倍も面白くしてくれます。
シーズンごとに、タイムリーなテック系の話題を脚本に盛り込んでいることも注目です。ジャレッドが無人の自動運転車に乗るシーンは面白かったなぁ。シーズン5ではテスラの自動車が話題になったり、ビットコインやAIロボットが注目されたり。実在の企業やサービス名もセリフにふんだんに盛り込まれていて、思わず笑ってしまう場面がたくさんあります。IT関連の仕事をしている人にはより「わかるわかる」と頷いてしまうシーンも多いのではないでしょうか。
また、スタートアップもフーリーのような大企業も、どんなオフィスでどんな働き方をしているかや、どんな人種の社員が働いているかなど、現地で働くという点についても垣間見ることができて興味深いです。個人的には、中国系やインド系の社員がたくさん出てくるのに、日本人はほぼ出てこないことが、そのまま国別の勢いを表しているなと思いました。
シーズン5では、ヤオという中国企業の工場との契約がカギを握ったり、ジアン・ヤンがちょっとしたキーパーソンになったり。描写がアジア人差別的という声もあるようですが、どちらにしろシリコンバレーにおいても、中国の勢いが認められていることはひしひしと感じました。同時に、日本の存在感が全くと言っていいほどないのだな、ということも。
「日本スゴイ」とばかり思っている昭和な人達、このドラマを通して現実を知ってほしいくらいですよ(笑)。
さらに、このドラマの、忘れてはいけないお気に入りポイント。それは、オープニングCGです。この映像大好き。
約10秒の中に、世界の名だたるIT企業やサービスのロゴがたくさん出てきます。それも、シーズンごとに変わるので、いかにこの業界の移り変わりが早いのかを感じることもできます。
グーグルやアップル、アマゾン、インテル、ツイッター、YouTube、ヤフー、フェイスブック、ウーバー、Pinterest、Airbnb、HP、オラクル、リンクトイン、サムスンなどなど。シーズン2からはアリババも出てきたり、滴滴(Didi)など中国企業もちらほら。さらに、シーズン5ではテスラのトラックが何台も走り出したり、いつの間にか消えている企業もあったり。タイムリーな業界の勢力をうまいこと表現しているなぁ、しかもカッコいいし。と思って毎回観ていました。そして、ここに日本企業のロゴが一つも出てこない(少なくとも、私には見つけられませんでした)、それほど日本企業の存在感が薄いこともよく分かります。
YouTubeにシーズン5のオープニング映像がありました。
↑フェイスブックのロゴに注目です。一瞬、ロシア語に変わるんですよ。芸が細かい!
さらに、YouTubeには、キャスト5人がグーグルでトークイベントを行った時の様子がアップされていました。喋りたい放題で和気あいあい。
↑左から、ギルフォイル役のマーティン・スター、ジャレッド役のザック・ウッズ、モニカ役のアマンダ・クルー、ディネシュ役のクメイル・ナンジアニ、リチャード役のトーマス・ミドルディッチ。個人的には、“笑わない男”ギルフォイルの笑顔が見られて嬉しいですね(笑)。
このドラマは数年後に観ても楽しめるとは思いますが、できるだけタイムリーに、今観た方がずっと楽しめるのではないかと思っています。
シーズン6ではどんな終わり方をするのか。日本での配信が待ち遠しいです。
Amazon.co.jp: シリコンバレー:シーズン1 (字幕版)を観る | Prime Video