元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

韓国映画『女は冷たい噓をつく』~中国映画『找到你』との見比べは甲乙つけがたい

映画鑑賞記録。2016年の韓国映画『女は冷たい噓をつく』をAmazonプライムで観ました。

シングルマザーが子どもをベビーシッターに誘拐される話。って、Amazonのあらすじを読んで気付きました。あれ?この筋書き、聞いたことがある。…あ!中国映画『找到你』と同じでは??この韓国版がオリジナルで中国でリメイクされたのかな?なんて思いながらワクワク鑑賞。

 

※画像をクリックするとAmazonページに飛びます

『女は冷たい噓をつく』(2016年韓国)

原題:미씽:사라진 여자 / Missing

監督:イ・オニ

出演:オム・ジウォン、コン・ヒョジンほか

Amazon.co.jp: 女は冷たい嘘をつく(字幕版)を観る | Prime Video

 

邦題がズレすぎていて本当嫌(笑)。原題はMissing、ですよ。この映画に出てくる女は「冷たい」嘘をついたわけではないし。全く内容と違うような気がします。

 

***** 

朝から深夜まで仕事漬けのシングルマザー、ジソン(オム・ジウォン)は、医者である元夫と、1歳の娘ダウンの親権を争っている。仕事で娘の面倒が見られないジソンは、子守を中国人の若いベビーシッター、ハンメ(コン・ヒョジン)に任せていた。

ある日ジソンが帰宅すると、ハンメとダウンが跡形もなく消えているのに気づく。娘の無事を祈り必死で2人を探すジソン。ハンメの足取りを追ううちに、ハンメの驚愕の正体が次々と明らかになっていく。

***** 

 

ストーリーは分かっていましたが、こちらはこちらで面白かったです。目が離せない、よくできたサスペンスだと思いました。

『找到你』もそうだったけれど、この韓国版も2人の女優さんの演技が素晴らしいです。

『找到你』とストーリーの大筋は同じですが、違うところも結構ありました。

例えば、シングルマザーの職業が、『找到你』は弁護士、こちらはメディア系。

ベビーシッターが、『找到你』は中国の田舎出身、こちらは韓国人男性に嫁いで韓国に移住してきた中国人。

ラストも、ちょっと違います。

それぞれを見比べるのも面白いですね。

 

中国映画『找到你』についてはこちら↓。私は『找到你』の2人の女優さんが好きなので、どちらかというと『找到你』の方が好きかな。でも、『女は冷たい噓をつく』も良かった。甲乙つけがたいです。 

minghuabj.hatenablog.com

 

さて、『找到你』が後に制作されたようなので、リメイクしたのかな、と思って『找到你』の百度百科に改めて目を通してみたところ、韓国映画のリメイクという記述はどこにもないのです。なんだか不自然だな、なんでだろう。まさか勝手にパクったんじゃないよね…大女優揃えてるのにそれはヤダー!なんて思ってしまいました。

で、気になって調べてみたら、こんな記事を発見↓。

baijiahao.baidu.com

この記事から抜粋。

《找到你》改编编剧秦海燕表示,“两部电影属于一本两拍,并不是翻拍,更不是抄袭韩国的版本,《找到你》拥有剧本的版权。翻拍就是把别人拍过的作品拿过来,依葫芦画瓢,相同题材相同故事内容再次拍摄;而一本两拍指的是从剧本阶段开始进行改编,分别拍摄两个国家的不同版本。一本两拍属于电影产业全球化催生的产物,它最大的意义在于不同国家的版本服务各自国家的观众,不会出现水土不服的问题。”

私の適当な訳でかいつまんで解釈すると、

「『找到你』脚本家の秦海燕氏によると、「これらの2本の映画は「一本両拍」のものであり、リメイクではなく、ましてや韓国版のコピー(パクリ)では決してない。『找到你』は脚本の版権を持っている。」とのこと。

秦氏の言葉を借りると、翻拍(リメイク)は、誰かがすでに撮った作品を用いて、同じ題材で同じストーリーで撮り直すこと。

一方、「一本両拍」は、シナリオの段階から改編を行い、2つの国で異なる版本を撮る。この方法は映画産業のグローバル化が生み出した産物であり、その最大の意義は異なる国の版本を各国の観衆に提供し、その土地になじまないという問題は発生しないということだ(→各国に合った内容に作り上げることができる、と解釈しました)。

 

そうかそうか、パクリじゃなくて良かったです(笑)。

なるほど~。「一本両拍」という言葉を初めて知りました。日本語だと何と言うのでしょう?中国語の字面を見ると意味は感覚的に分かるのですが、適切な日本語が分からないです。

「一本両拍」は2カ国でのことを指しますが、記事を読んでいると「一本多拍」の例も挙げられています。複数の国でそれぞれの作品を作るということですね。

ということで、シナリオの段階から、韓国と中国それぞれに合った脚本を完成させ撮影した映画が『女は冷たい噓をつく』と『找到你』ということなのですね。自分の中ですっきりしました(笑)。

 

重厚感のある韓国映画は大好きです。最近あまり観ていなかったけれど、韓国語の勉強にもなるしまた観ていこう。