空の上で起きた危機。実話を基にした映画『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』
※2020年10月日本公開に伴い、邦題部分を修正しました。(2020年10月28日追記)
映画鑑賞記録。昨年(2019年)中国で公開され話題になっていた『中国機長』(邦題『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』)をネットで観ました。
「2019東京・中国映画週間」でもお披露目されたようなので、それで邦題も付いているのですね。
2018年5月に中国で実際に起きた、飛行中に飛行機の操縦室のフロントガラスが破損し、通常運転ができなくなるという事故を基にした話です。ちょっと待って、2018年5月に起きた事故を題材にして2019年9月末に公開されたって、スピード感すごい…。
こういう作品はやはり大画面で観るべきだなぁ~と、小さなPCの画面を見つめながら思いました(笑)。スリルあり、映画らしい映画でした。
『フライト・キャプテン 高度1万メートル奇跡、奇跡の実話』(2019年中国)
原題『中国機長』(《中国机长》)
監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)
出演:張涵予(ヂャン・ハンユー)、欧豪(オウ・ハオ)、杜江(ドゥー・ジァン)、袁泉(ユエン・チュアン)、張天愛(ヂャン・ティエンアイ)、李沁(リー・チン)ほか
監督の劉偉強氏、私の大好きな香港映画『インファナル・アフェア』の監督さんでしたか!
予告編↓
↑この日本版予告編の作り方はちょっと煽りすぎな気がします。まあ、日本の映画プロモーションあるあるですが😅
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重慶発ラサ行きの四川航空3U8633便。点検を終え乗客を乗せ、いつものように離陸したその飛行機は、それぞれの乗客の思いを乗せて上空を飛行していた。
高度1万メートル弱の高空を飛行中、突然、操縦室のフロントガラスにひびが入る。みるみるうちにガラスは破損する。副操縦士の体は半分外に投げ出される。計器は破損し、地上とは連絡が取れない。気圧と温度はみるみるうちに低下し、機体は大きく揺れ、乗客はパニックに陥る。
119名の乗客と9名のクルーたち。果たして無事に生きて着陸できるのか。
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筋書きはだいたい予想は付くのだけれど、飛行機という特殊な狭い空間の中での危機は、映像で見るとやはり迫力とスリルがありました。これぞ映画だなあと思えるような、良い映画だったのではないかと思います。
機体が大きく揺れ、機内は混乱し、乗客たちはパニックに。大きなスクリーンで観ていれば、きっとかなり臨場感があったでしょうね。
搭乗前のクルーやそれぞれの乗客の様子。飛行機が一回飛ぶために、こんな準備があるんだというルーティンがなにげなく描かれていたり、これだけ多くの人が支えて初めて安全に離陸・着陸ができるのだということが分かったりして良かったな。飛行機や空港が好きな人はワクワクするはず。
そして、観ていて「中国っぽいわぁ~」となんだか微笑ましくなってしまうような人たちの描写に思わずクスリ(笑)。機内食の小袋を隠して、余計にもらったり。団体旅行客のあのダサい(笑)帽子や、離陸前に携帯電話の電源を切るようCAさんに注意されてごねる人など。あるあるです。
ガラスが破損し、上空で副操縦士の体が半分投げ出されるシーンは驚きでした。こんなことが本当にあったなんて、絶句です。文字通りの奇跡だったのだなぁとつくづく感じました。
機長をはじめ、クルーの皆さんは自分も怖くて仕方がなかったはず。それでも冷静さと正気を保ち、乗客の安全を第一に考え、行動し、混乱を抑えた彼らのプロ意識には敬服します。
参考;
劉機長役の張涵予は渋く、安心して見ていられる俳優さんですね。
CAチーフの畢男(ビー・ナン)を演じる袁泉が好きです。ドラマ『我的前半生』や映画『いつか、また』でも印象的な役どころでした。畢男が混乱する乗客たちに向かって言うセリフ「わたしたちは皆、誰かの娘、息子、父、母です。一緒に帰りましょう」は良かったなぁ。
張天愛、李沁など、CA役の女優さん達は皆美人揃いで、目の保養になります(笑)。
そして、中国の有名俳優がさらっと一瞬チョイ役で出てくる出てくる。陳数(チェン・シュー)、楊穎(アンジェラベイビー)、関暁彤(グアン・シャオトン)、朱亜文(ジュー・ヤーウェン)など。豪華ですな。
私は飛行機に乗ってどこかに行くのは大好きです。でも、こういう映画(しかも実話)を見ると、ちょっとだけ…怖くなったりもして?
まあ、どんな交通手段を使ってもいつどんな事故が起こるか分からない可能性はあるわけだから、あまり心配してもいられないんですけどね😅
※追記:2020年10月、日本公開されました。