アメリカへ移民として渡ったスーダン難民を描いた映画『グッド・ライ~いちばん優しい噓~』
映画鑑賞記録。アメリカに渡ったスーダン難民をテーマにした『グッド・ライ~いちばん優しい噓~』をAmazonプライムで観ました。
1983年に始まったスーダン内戦により親を失った若者たちがアメリカへと移民し、全く違う世界に戸惑いながらもたくましく生きていく映画です。
観て良かったと思える、良い映画でした。
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『グッド・ライ~いちばん優しい噓~』(2014年米)
監督:フィリップ・ファラルドー
出演:リース・ウィザースプーン、アーノルド・オーチェンほか
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1983年に始まったスーダン内戦で、幼くして親や兄弟を亡くしたマメール、ジェレマイア、ポール、アビタル。難民キャンプで育った彼らは、17年後にアメリカへ移住する機会に恵まれ、移民としてアメリカのカンザスシティーへと渡る。
空港に迎えに来たのは、職業紹介所で働くキャリー(リース・ウィザースプーン)だった。それまで淡々と仕事をこなしてきたキャリーは、マクドナルドもピザも食べたことのない、電話の使い方も知らない彼らに最初はいら立ちを覚える。しかし彼らの笑顔の奥にある苦しみを知り、彼らに惹かれ始め、キャリーの考え方も変わっていく。
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2000年、数千人のスーダン難民が渡米しましたが、2001年には9.11の影響でアメリカの支援がストップしてしまいます。
アフリカの難民というと、日本にいると遠い世界のことのように思えますが、実際にはこのような必死に生きてきた人たちが世界中にいるんですよね。難民を受け入れること、それは難民として移住する側も、受け入れる側もお互いを理解することが必要なことが丁寧に描かれていると思いました。
公式サイトにあるリース・ウィザースプーンの言葉には説得力を感じます。
文化的違いを乗り越えるのは誰にとっても難しいチャレンジよ。それは受け入れるアメリカ人にとっても同じことで、この物語は皆の間の垣根を取り払って、共通する孤独や忍耐、家族の大切さという人間性をお互い見出していく物語なの。
彼らの兄弟を大事にする絆、そして前向きな姿に心を打たれました。だからといってやたら感動させようとするのではなく、賛否両論を生みそうなラストを描くことにより、この物語はフィクションでもなく、ましてや過去の話でもないという問題提起をしっかりしているところが良かったと思います。
マメール、ジェレマイア、ポール、アビタルを演じるのは実際のスーダン難民です。
マメール役のアーノルド・オーチェンは、父親の死後2歳の時に母親と共に戦地から逃げてきた。ジェレマイア役のゲール・ドゥエイニー、ポール役のエマニュエル・ジャルは元スーダン難民で少年兵だった。アビタル役の女優さんも元スーダン難民。
実際に辛い経験をした彼らだからこそ、とてもリアリティがありました。
「グッド・ライ」の意味を最後に知った時は、思わず涙がこぼれそうでした。
スーダンの概要を知る↓
(以下ネタバレ感想メモ)
「グッド・ライ」の意味をラストで知って、感動し、涙がこぼれました。
でも、でも、これは彼らが本当に望んだことではなかったはずです。彼らはやっぱり、一緒に暮らしたかったと思うのです。
だから、ハッピーエンドだとは思いません。
この兄弟がまた笑顔で会える日を願って。