元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

家を買うために、犬を盗む!?ハートフルなコメディ映画『犬どろぼう完全計画』

韓国映画『犬どろぼう完全計画』をAmazonプライムで観ました。なんとなく観てみたけれど、観た後はタイトルからは想像できないくらいのハッピーな余韻が残る、良い映画でした。

小学生の女の子が主人公で、彼女の目線でストーリーが展開します。子どもならではの視点が時に鋭く長けているかと思えば、時に抜けていて、とても可愛らしいのです。かといってこれは決して子ども向けのキッズ映画や、犬をメインにした犬の映画というわけではなくて、一つのコメディタッチなヒューマンドラマの映画に仕上がっているところがとても新鮮でした。子どもよりも大人が観た方が、忘れていた気持ちに気付かされるような、心に響くものがあります。オススメ🎬🐶

 

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『犬どろぼう完全計画』(2014年韓)

原題:개를 훔치는 완벽한 방법

監督:キム・ソンホ

出演:イ・レ、キム・ヘジャ、カン・ヘジョンほか

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www.finefilms.co.jp

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小学生のジソ(イ・レ)は、母親のジョンヒョン(カン・ヘジョン)と弟と、車中生活をしている。父親が経営していたピザ屋が事業に失敗し、父は行方不明になってしまい、残されたジソたちは家を追い出されてしまったのだ。母のジョンヒョンがアルバイトで稼ぎなんとか食いつないでいるが、家がなく、ジソは自分の誕生日会も開くことができない。

素敵な家に住んで誕生日会を開くことを夢見るジソ。そんなある日、たまたま迷い犬探しのチラシを見かけ、そこには「謝礼金500万ウォン」と書いてあった。さらにジソの目に飛び込んできたのは、不動産屋の「坪当たり500万ウォン」の家の広告。500万ウォンが手に入れば夢の家が買えると思いこんだジソは、犬を探そうとするが、すでに犬は見つかっていた。それならば同じことをしようと、わざと犬を盗んで謝礼金をもらう計画を立てる。ターゲットに決めた犬は、母親のアルバイト先のレストランの会長(キム・ヘジャ)が溺愛するウォーリーだった。ジソの犬どろぼう計画は、果たしてうまくいくのだろうか…?

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とにかく子どもたちが可愛らしいんです。私は特に子ども好きなわけではないのですが、この子たちは可愛い。

主人公ジソと、まだ幼い弟、そしてジソの友達のチェランが、あの手この手を考えて計画を練り、犬を盗む計画を立てます。

いつもなら、犬を盗むなんてけしからーん!と、怒り心頭になりそうな私ですが、この映画は全然そんな怒りを感じる必要がありませんでした(笑)。この子どもたちがこの一連のできごとを通して、どれだけの心の成長をしたのかというところにジーンときたから。

ジソは小学生で、大きな誕生日会を自宅で開くのが夢。なのに家がないことがコンプレックスで誰にも言えずにいました。母親は子どもっぽい性格で、どこか頼りない。父親が出て行ったのも、母親のせいだと思っているジソは、母親にも八つ当たりをしてしまいます。(もちろん小学生には、親の働く苦労なんて分からないからね…私も子どもの頃はそうだったし😅)

そんなジソの頼りになる友達チェラン、そして全く頼りにならなさそうな幼い弟が、いろいろと良い働きをします(笑)。大人の私も、なんだか見ていてワクワクしたくらいです。そもそも、「坪当たり500万ウォン」の“坪当たり”の意味を勘違いして計画を始めるなんて、子ども目線がとてもいじらしくて可愛い。

 

ジソの父親は家族を置いて蒸発してしまって、いくら家族を心では思っていたとしてもその行動は許しがたい。そんな父親を、「パパに会いたい」とずっと待っているジソ。

しかしジソたちの周りの大人たちがまた、優しくて素敵でした。ホームレスで指が三本しかないおじさん(チェ・ミンス)の笑顔が最高です。そして、ウォーリーの飼い主である裕福なマダム(キム・ヘジャ)も。怪しい(?)ピザ屋のお兄さん役で、FTISLANDのボーカル イ・ホンギも出演しています。

 

もちろん、犬のウォーリーもとっても可愛くてニヤニヤしちゃいました。犬種はジャックラッセルテリア🐶

 

凝ったキュートな演出も見どころ。「500万ウォンの家」が頭から離れないジソの、頭が「500」という数字でいっぱいになってしまうシーンや、ジソとチェランが理科の授業中に周りに気付かれないよう計画を立てるシーンが、とても好きです。

 

これまでよく観ていた韓国映画の印象とは良い意味で全然違って、観て良かったなぁと思える映画でした。