元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

無敵の女将軍と軟弱な美男子が結婚!?宋の時代が舞台のドラマ『花と将軍~Oh My General~』

中国ドラマ『花と将軍~Oh My General~』を観終えました。宋、皇帝は第4代の仁宗の時代を舞台にした歴史ドラマです。

いつも中国ドラマは現代モノばかり観ている私なので、歴史ドラマを観るのは珍しいです( ´艸`)たまたまAmazonプライムで見つけて、好きな女優さんの一人馬思純(マー・スーチュン)が主役、レビューもわりと評価が高いので、とりあえず観てみたのでした。

そうしたら、序盤こそ演出に慣れず、また途中で観るのを辞めようかとも思ったものの、観続けていたらどんどん面白くなってきてすっかり夢中になってしまいましたよ(笑)。楽しかったです。全60話。

 

花と将軍~Oh My General~』(2017年中国)

原題《将军在上》(『将軍在上』)

出演:馬思純(マー・スーチュン)、盛一倫(ション・イールン)、丁川(ディン・チュアン)、王楚然(ワン・チューラン)ほか

baike.baidu.com

Amazonプライムの視聴ページはこちら↓ 

Amazon.co.jp: 花と将軍 -Oh My General-(字幕版)を観る | Prime Video

 

邦題が原題と全然違って嫌ですが、まあ、花(=美男子の夫)と将軍(=大将軍を努める妻)というのは分かりやすいかな。 

衣装のワダエミさんなど、日本人スタッフも数人関わっています。

 

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宋、皇帝仁宗の時代。遼との8年にも及ぶ戦いに勝利し凱旋した将軍・葉昭(イェ・ジャオ、馬思純)は、「生き閻魔」と噂され恐れられる存在だった。しかし葉昭は、実は男装した女性!女性であることをそれまでずっと隠していた葉昭は罪に問われそうになるが、劉皇太后の案により、皇帝の甥である趙玉瑾(ヂャオ・ユージン、盛一倫)と葉昭を結婚させる命が下される。

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予告編動画↓

www.youtube.com

 

一応はラブコメ時代劇、となっているみたいで、特に前半はラブコメ要素が強かったのですが、後半、そして全体を通して、私はラブコメとは違った印象を受けました。主人公夫婦の関係を中心に描きながらも、宋の皇帝の周りにうずまく陰謀や、隣国西夏との攻防など、大きなスケールで物語が進んでいきます。戦闘シーンも多いです。特に後半は歴史ドラマ、人間ドラマとしても引き込まれました。

正直言って、前半はそれこそ少女マンガかっ!と思うほどツッコミどころ満載のお花畑ちっくなCGのシーンや、不自然に人が飛ぶワイヤーアクションなどがどうしてもわざとらしくて気になって、好きになれませんでした😅演技も、特に脇役の女性たちが大げさでわざとらしく見えたし。歴史ドラマを観慣れていないので、最初は「何コレ」とシラケましたよ…(笑)。

さらに言えば、声が吹替なのも嫌でした。中国ドラマで俳優の声を吹き替えるのは珍しくないけれど、特に馬思純や祁王妃を演じた劉孜(リウ・ズー)など、これまで本人の声で出演作を観たことがある俳優さん達の声が吹き替えられているのが、どうもしっくりこなくて嫌でした。

しかし、それでもなんとなく観続けていたら、どんどん面白くなって来るではありませんか(笑)。前半私がシラケていた、わざとらしい少女マンガちっくなシーンやコメディ要素が、後半はありません。どんどん深堀され、見ごたえのあるシリアスなシーンが増えたように思いました。

ドラマのオープニングでもクレジットされていましたが、前半と後半で監督さんが違うので、テイストも変わったのかなぁ、なんて思います。

最後まで観終えて、とっても楽しかったし、満足です。

 

「生き閻魔」と恐れられ、幼い頃から軍人の父や兄と同じように育ってきた葉昭。戦では無敗で凛とたくましく、同時に女性としての教養は何一つ持ち合わせない、男よりも男らしい女性です。

一方、勅命による政略結婚で夫となった趙玉瑾は、皇帝の甥。皇族に生まれ、母親の趙太妃から溺愛され甘やかされて育ちました。軟弱で、毎日悪友とつるんで遊びに呆けてばかり。その容貌は、男からも言い寄られるほどの美男子です。

この”でこぼこ”カップルの政略結婚、葉昭は「見た目が良い男を授けてくださっただけでありがたい」と喜びますが、「生き閻魔」と結婚させられた趙玉瑾は嫌でたまりません。そんな2人がいろいろな出来事を乗り越え、心を通わせていく様子が微笑ましかったです。特に、遊び人のおぼっちゃまだった趙玉瑾が、責任感を持ち成長していくのは見ていて嬉しくなります。

 

馬思純は、男装の大将軍役を立派にこなしていましたね。私は過去に彼女の作品をいくつか観たことがあるので、その時から変わらずナチュラルな可愛さと透明感を持ち合わせた女性という印象ですが、こんな役もいいですね~。

盛一倫って、『上海女子図鑑』で主人公の相手の一人を演じていた人だ!こんなコミカルな役もできるんですね、びっくり。

 

脇役も個性的な人たちばかりで楽しかったです。西夏の王子で、葉昭をライバル視する伊諾(イーヌオ)役の張峻鳴(ヂャン・ジュンミン)、先日観終えたばかりの『燃焼』で、腹黒いヒロインを一途に思い続けたあげく利用され捨てられる、不憫な男を演じていた人ではありませんか!『燃焼』では気の毒で頼りない印象だったのに、この伊諾は180度違って、殺気みなぎる戦好きの豪傑な王子。ファッションも髪形もメイクもワイルドで、とても似合ってカッコ良かったです。彼は化けますね~、驚きでした。

さらに、脇役の女性たちが揃いも揃って美女で、非常に目の保養になりました~。特に柳惜音は別格ですね。そして張貴妃、趙王妃、祁王妃。西夏の没藏黒雲、野利皇后、銀川。趙玉瑾の側室と側女たち。葉昭の護衛である秋水と秋華も、ほぼずっと軍服だけど凛としてカッコよく綺麗でした。

 

歴史ドラマってこれまで避けてきたのですが、『花と将軍~Oh My General~』を観終えて、面白い作品は時代設定がいつだろうが面白いモノだなぁ、と思っている次第です。

これを通して改めて、宋ってどんな時代だったのだろう、とか、西夏ってどんな国だったのだろう、とか、歴史をもっと知りたくなり、興味が湧きました。

西夏のファッションや髪形が独特すぎて(コーンローとかドレッド風とか)、本当にこんなだったの?と思って調べてみたり。

もちろん、ドラマなので想像で創作している部分は多いし、視聴者を楽しませるためにあえて大げさな演出や大胆な解釈・脚色がほとんどでしょうけれど、それを前提としても歴史に興味が持てるし、勉強にもなります。

国語学習という観点で観るとちょっとハードルは高いです。とはいえ、本当は中国語字幕で観たいけれど、日本語字幕で観ると、「この中国語はこう訳すのか~」なんて発見があったり、字幕翻訳者のセンスを感じられたり、逆に「この日本語字幕は中国語のニュアンスとちょっと違うなぁ」と自分で考えるきっかけになったりして、それも勉強になりますね。

歴史ドラマも、自分にとって興味のありそうなものを選んでちょこちょこ観ていこうかな。