元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

秦の始皇帝の高祖母の人生を描く、壮大な歴史ドラマ『ミーユエ 王朝を照らす月』

中国ドラマ『ミーユエ 王朝を照らす月』を観終えました。中国で大ヒット、日本でも華流好きには知られたドラマですよね。

私はこれまで中国ドラマは現代ドラマばかりを観てきており、歴史モノはあまり観る気がしなかったのですが、『月に咲く花の如く』『花と将軍~Oh My General』のおかげで抵抗感も薄れ、面白さが分かるようになってきました(笑)。

秦の始皇帝の高祖母(祖父母の祖母)にあたり、中国史上初の女性政治家である宣太后の人生を描いた一代記です。スケールが大きくドラマティックで、フィクションと史実をうまく組み合わせた巧みな脚本が秀逸な、見ごたえのあるドラマでした。面白かったです。

しかし全81話はさすがに長かった…^^;

 

『ミーユエ 王朝を照らす月』(2015年中国)

原題《芈月传》(『羋月伝』)

出演:孫儷(スン・リー)、劉涛(リウ・タオ)、方中信(ファン・ヂョンシン)、黄軒(ホアン・シュアン)ほか

baike.baidu.com

 

『月に咲く花の如く』『花と将軍~Oh My General』はどちらもAmazonプライムの無料対象になっていたので、日本語字幕で観ました。

しかし、『ミーユエ 王朝を照らす月』は現時点でAmazonプライム対象ではないです。有料ならば観られますが↓。

Amazon.co.jp: ミーユエ~王朝を照らす月~ (字幕版)を観る | Prime Video

そんな中、YouTubeに中国語で全話アップされているのを見つけて、頑張って中国語字幕で観てみたら、意外に大丈夫じゃーん!話が分かるぞ!となって、そのまま中国語字幕で完走しました。もちろん、知らない単語や成語がいつも以上にたくさん出てくるので、ひっきりなしに辞書を引きながら観ていましたが(笑)。 昔の言葉なので中国語難易度も上がりますもんね。おかげで、成語をてんこもり覚えました~!

同時に、上のAmazonページで、毎話日本語のあらすじを確認しながら観進めていました。

YouTubeはこちら↓。LeTV(楽視)の公式チャンネルです。日本語字幕はありません。

www.youtube.com

 

主人公は秦の始皇帝の高祖母。この頃、日本は弥生時代です。そんな古い時代に、お隣の中国ではこれだけ文化が進んでいたことに驚きました。もちろんドラマなので創作や架空の部分も多いでしょうが、日本でいうと平安時代のような華やかさ。

58億円もの製作費が投じられただけあって、セットも衣装も惜しみなく作りこまれています。

 

孫儷が演じる芈月(ミーユエ、宣太后)は、実在の人物です。史実として分かっていない点も多く、ドラマでは楚の王と侍妾・向氏の間に生まれたとなっていますが、実際はその出自は不明なのだとか。また、ドラマでは秦王との間に生まれたのは稷(後の昭襄王)しか出てきませんでしたが、史実ではもう二人生んでいるそうです。義渠王との間にも二人子どもが生まれたそう。Wikipediaと見比べながら、ドラマのどの部分が史実でどの部分が創作で、誰が実在の人物で誰が架空の人物なのかというのを調べていくのも面白く、歴史の勉強にもなりました。

ただ、芈月と黄歇(ホアン・シエ、後の春申君)が幼なじみという設定は創作のようですね。黄歇は芈月よりも後の世代の人です。

宣太后 - Wikipedia

恵文王 (秦) - Wikipedia

昭襄王 - Wikipedia

春申君 - Wikipedia

お気に入りキャラクターは張儀(ヂャン・イー、趙立新)と庸芮(ヨン・ルイ、鞏崢)です( ´艸`)二人とも実在の人物。

張儀 - Wikipedia

庸芮 - 维基百科,自由的百科全书

最後、兵馬俑につながるエピソード(真偽は不明)もあり、芈月の後の世代に思いを馳せてしまいました。

 

孫儷の演技は素晴らしかったです。『月に咲く花の如く』よりも凄まじかった気がします。

そして、芈月の異母姉で楚の王女、羋姝(ミー・シュー)を演じた劉涛の演技もすごかった。私今まで、『歓楽頌』などの出演作を観て劉涛さんがあまり好きではなかったのですが、今回は圧倒されました。ちょっと印象が良い意味で変わりましたね。

他にも、これまで他の作品で観たことのある俳優さんがちらほら出ていたり、初めて見かける素敵な俳優さんに出会えたり。

馬蘇(マー・スー、魏夫人(魏琰)役)、馬思純(マー・スーチュン、魏頤役)、蒋欣(ジァン・シン、莒姫役)など、主役で見慣れた女優さんたちが「こんなチョイ役でいいの!?」っていうくらい、贅沢な配役でした~。

 

しかし、私がやっぱり残念に感じてしまうのは、孫儷も劉涛も素晴らしい演技なのに、声が吹き替えられているということです。こんなに迫真の演技をされているのだから、本人の声のまま聞きたかった。ちなみに、孫儷は『月に咲く花の如く』では本人の声でした。

まあそれも、最初は嫌だけどどんどん聞き慣れて自然になってくるから、吹替の声優さんもよほどいいお仕事をされていることは間違いないですよね^^;

馬蘇も馬思純も吹替だったなぁ。黄軒、蒋欣は本人の声でした。

 

長いけれど見ごたえがあり、面白いと思えたドラマでした。おすすめ中国ドラマの一つと言えると思います。

 

kandera.jp