元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

【奈良】かつては広大な伽藍だった西大寺。秘仏&聚宝館特別公開を拝観(奈良市・御朱印)

奈良の西大寺へ。秋の特別拝観が、11月15日までと知り行ってきました。(秘仏愛染明王坐像公開、聚宝館特別公開)

 

東大寺は言うまでもなく有名すぎるお寺ですが、その東大寺と対を成し、西側に建てられたのが西大寺東大寺聖武天皇、そしてこの西大寺は、聖武天皇の娘である孝謙天皇(後に称徳天皇)の発願で建てられたのですね。

東大寺に対してあまり全国的に有名ではない西大寺ですが(私も最近知りました😅)、東大寺とは違って地味ながらも落ち着きがあって、参拝客もちらほら、ゆっくり存分に参拝・散策することができました☺

 

近鉄奈良線大和西大寺駅から徒歩約3分と、アクセス便利。

 

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↑東門から入りました。南門から入れば、参道→東塔跡→本堂が一直線になっていたのに、と、後から知りました😅

 

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↑境内図。広々としています。しかし、これでも昔に比べればだいぶ規模が縮小してしまったということでしょうね。

西大寺の始まりは、

天平宝字8年(764)9月11日、藤原仲麻呂恵美押勝)の反乱の発覚に際して、孝謙上皇はその当日に反乱鎮圧を祈願して、『金光明経』などに鎮護国家の守護神として登場する四天王像を造立することを誓願されました。翌年の天平神護元年(765)に孝謙上皇重祚して称徳天皇となり、誓いを果たして金銅製の四天王像を鋳造されました。これが西大寺のそもそものおこりです。それを皮切りに、父君の聖武天皇平城京の東郊に東大寺を創建されたのに対し、その娘に当る称徳女帝の勅願によって宮西の地に本格的に当寺の伽藍が開創されたのです。

西大寺HP「歴史・奈良朝創建と鎌倉復興の法燈 - 真言律宗総本山 西大寺」より)

南都七大寺の一つであり、当時は約48ヘクタールもの広大な境内を有していたそうです。

しかし、平安時代に衰退し、災害により建物は失われてしまい、多くが後に再建されています。

鎌倉時代に、叡尊という高僧により復興しました。真言宗のお寺でしたが、明治になってから1895年に、独立して真言律宗総本山となりました。

 

東門から入って、まずお参りするのはこの四王堂です。

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あ、西大寺境内には、無料で入り散策ができます。しかし、四王堂・本堂・愛染堂・聚宝館それぞれを拝観するには拝観料が必要です。

どこのお堂から入っても、それぞれ拝観料を支払ってもいいし、共通拝観券を購入することもできます。私は、四王堂・本堂・愛染堂・聚宝館の4カ所共通拝観券(1,000円)を四王堂で購入しました。

聚宝館は開館日が限られているので、聚宝館の閉館日だと3カ所共通で800円とのこと。

 

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↑素敵なお堂。江戸時代1674年(延宝2年)の再建です。

中には、十一面観音立像と、四天王立像が祀られていました。どちらも重要文化財

十一面観音像は、約6mと圧巻!四天王像もそれぞれいきいきとした仏像で、見ていてワクワクします。じっくりと時間をかけて凝視してしまいました👀

四天王像は後世の再建ですが、足元の邪鬼は創建当初のものだそうです。

 

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↑なんだか素敵な、共通拝観券。

 

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↑四王堂を出て、本堂の方へ向かいます。

 

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↑本堂。大きいです!重要文化財。江戸時代の1808年(文化5年)の再建です。

 

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本堂の中に上がります。ここでは、御本尊の釈迦如来立像や、文殊菩薩騎獅像ならびに四侍者像、弥勒菩薩坐像などが祀られています。釈迦如来立像、文殊菩薩騎獅像ならびに四侍者像は重要文化財です。

御本尊の釈迦如来像は、鎌倉時代の1249年(建長元年)作。とても静かながら強いオーラを纏ったような、不思議な仏像でした。

同じく鎌倉時代、1302年(正安4年)作の文殊菩薩騎獅像ならびに四侍者像もすごく印象的です。四侍者像のうちの善財童子が特に可愛くて♡この善財童子は、灰谷健次郎著『兎の眼』にも出てくるのですね。

西大寺のオリジナル御朱印帳には、この善財童子が描かれています。それがとっても可愛くて、御朱印帳を購入すると決めていました★写真は下にて。

 

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↑愛染堂。お堂自体は大きくはないものの、こちらに祀られている仏像もすごいです。

毎年期間限定でのみ公開される、秘仏愛染明王坐像(重要文化財)。1247年(宝治2年)作の小さな仏像ですが、赤い彩色が綺麗に残り印象的でした。

そして、興正菩薩叡尊坐像は国宝です!叡尊の弟子たちが作らせたものだそうで、とてもリアルな肖像彫刻でした。

 

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↑愛染堂の隣にちょこんと位置する、大黒堂

 

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↑木の具合がなんとも渋くて素敵な鐘楼。

 

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↑本堂の前にあるのは、東塔跡です。大きかったんだろうなぁ。

 

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護摩堂。

 

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西大寺の寺宝を保存・展示する聚宝館。開館日は限られています。

中には重要文化財を含む仏像の数々、絵画などが展示されていました。ちょうど私が訪れた時は、僧侶の方による解説が行われていました。

 

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↑庭園。

 

さて、御朱印は本堂、四王堂、愛染堂でそれぞれいただきました。

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↑こちらが、善財童子がちょこんと描かれた御朱印帳です。シンプルだけれど可愛い♡この黄色と、薄紫色(藤色?)がありました。この御朱印帳を使うたびに、可愛らしい善財童子さんを思い出しますね( ´艸`)

 

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↑四王堂の御朱印。十一面観音。

 

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↑本堂の御朱印。御本尊の釈迦如来

 

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↑愛染堂の御朱印愛染明王です。

また、大黒堂御朱印もあり、愛染堂で拝受することができるようです。

 

年中行事として、毎年1・4・10月には「大茶盛式」が行われているそう。巨大な大茶碗でお茶を点て、参拝客に振舞われるのですって。展示されているお茶碗を見ましたが、確かに大きい👀🍵

さらに、蓮の季節には、蓮が有名な4ヶ寺(西大寺喜光寺唐招提寺薬師寺)を巡る「ロータスロード」というイベントが行われています。こちらもぜひ行ってみたい!

西大寺、またぜひ訪れたいお寺でした。

 

 

西大寺

住所:奈良県奈良市西大寺芝町1丁目1-5

saidaiji.or.jp