【奈良】毎年5月のみ拝観できる、珍しい白色阿弥陀像。ほっこり癒しのお寺、璉珹寺(奈良市・御朱印)
ならまちさんぽ👣ならまちの南の端の方に位置する、璉珹寺(れんじょうじ)を参拝しました。崇道天皇社のすぐそばです。
私はこのお寺のことを全然知らなくて💦インスタグラムでフォロワーさんが投稿されていたのを見て知りました。
それも、お寺を拝観できるのは毎年5月だけとのこと!なんとも珍しい仏像に出会えるのだとか…これは行ってみたい!
と、5月最後の週末、ギリギリで伺うことができました。
これが、本当に行って良かった!と思える、とても素敵なお寺さんでした。
↑崇道天皇社のすぐ近くに、ひっそりとあるお寺です。知らなければ通り過ぎてしまうような、一見民家のような門構え。1年で5月だけ拝観できるとあって、お寺に着く前からいくつか案内板を見かけました。
↑綺麗に整備された境内。ワクワクします。
入ってすぐに庫裡があって、番犬のブルドックさんが玄関でお昼寝していました🐶可愛い(笑)。
璉珹寺は、奈良時代の天平年間に、聖武天皇の勅願で行基が開いたとされるお寺です。紀有常(きのありつね)が改めて伽藍を建立し、中興したと伝わります。紀寺(きのてら)の跡とも呼ばれ、これは、紀貫之などの紀氏のお寺というつながりが。紀寺の前身は飛鳥にあったそうです。
宗派は、当初は法相宗、その後浄土宗や天台宗となり、現在は浄土真宗遣迎院派となっています。遣迎院派とは初めて聞きました。
と、前知識はこのくらいにして、本堂へ向かいます。受付で拝観料500円を納めました。
受付から、お寺の方々がとっても感じが良くフレンドリーな人ばかりで、ウェルカムな雰囲気がすごく嬉しかったです。
中に入るとそこには、見たこともない珍しい阿弥陀如来さまが。
もちろん撮影禁止なので、画像はありませんが…。
璉珹寺の御本尊である阿弥陀如来立像に、お目にかかれました。この阿弥陀如来さまは、鎌倉時代の作で、木造白色の裸形の像です。下半身には法衣を身に着けています。
「はだか阿弥陀像」とも呼ばれるこちらの阿弥陀如来像は、なんと女性だというのです。光明皇后をモデルとして作られたのだとか。
昔は50年に一度の御開帳だったのが、今は毎年5月の御開帳となっています。至近距離で見せていただけたのですが、とても綺麗な仏さまでした。白色で、女性がモデルの、裸の阿弥陀如来さま。その美しい姿は、一見の価値ありでした。
身に纏われている法衣は、50年に一度替えられています。この法衣を替える役目は、未婚女性が担うものだそう。
一代前の法衣は、寺宝展示スペースで見ることができ、とても良い状態で残されています。
阿弥陀如来像の両先には、観世音菩薩立像と勢至菩薩立像がそびえ、重要文化財に指定されています。どちらも、どこか異国的なお顔立ちの仏像でした。
さらに、お堂内に飾られていた屏風にもびっくり。遠くから見ると普通の水墨画のようですが、「南無阿弥陀佛」の文字でぎっしり描かれているものでした。地味にこれが一番気になったかも…(笑)。
私が訪れた時は他の参拝客は少なく、じっくりと好きなだけ拝観させていただけました。そして、仏像拝観後にも素敵なひと時が待っていたのです🎶
庫裡の一部をお茶室のように開放され、まるで古民家カフェみたいにくつろげる場所になっていました。
迷わずこちらでひと休みさせていただくことに。
↑畳に素朴なテーブル。この、田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たような、懐かしい感じがとても落ち着きます。
↑本堂前のお庭を見ながら、ほっこりお茶タイム。
↑お茶セットは、お茶と茶菓子で300円。お茶菓子が、蓮の形の紙皿に入っているのも素敵。お茶は、琵琶茶・甘木茶・銀杏茶・ミント茶の4種類から選べます。ミント好きな私はミント茶をいただきました。すっきりした味わいがとてもおいしい。
お茶をいただきながら、初夏の風を感じ、何も考えずにまったりと過ごす時間。小さな幸せを感じるひと時でした(笑)。
↑境内にあった小さな石。知らないと100%素通りしてしまいそうな場所にありますが、こちらはなんと、あの紀貫之の墓石だそうです(゜o゜)説明書きも何もないけれど、お寺の方が教えて下さいました。
ネットでもあまり情報が見つからないし、紀貫之の墓を検索すると滋賀県と出てくるし、本当のところはよく分かりませんが、気になります。
↑何やらとっても古そうな石仏。
↑カエルちゃんに小さなお地蔵さまなど、可愛い置物も。
御朱印もいただけました。
↑書置きの2種類を拝受しました。右が見開きです。どちらも白色阿弥陀如来さまが描かれていて、素敵な御朱印です。
5月末ギリギリで伺いましたが、お寺の方が、「GW明けた頃が花がたくさん咲いていて綺麗ですよ」と教えてくれました。
全然知らないお寺でしたが、伺ってよかったです!また次の5月も行けたらいいな。
璉珹寺