こういうラブストーリーも悪くない。映画『北京ロマンinシアトル』
私は大学時代、アメリカのシアトルで語学研修&ホームステイをしたことがあります。
と言っても、夏休みの1カ月にも満たない短期間で、
そんなわずかな期間で英語がペラペラになるわけではもちろんなかったのですが。
それでも、海外で一定期間暮らすという初めての体験は、今でもしっかりと覚えています。
当時はマリナーズのイチロー選手とヤンキースの松井秀喜選手がバリバリ現地で活躍していて、私の滞在中にちょうど二人の対決試合があり、セーフコ・フィールドに応援に行ったりしました。懐かしい!
もう10年以上前の話なので、少なからず変わっているとは思いますが、ホームステイの経験から、シアトルはちょっと思い入れのある街。
そんなシアトルと、今住んでいる北京がタイトルになった映画を動画アプリで鑑賞しました。
『北京ロマンinシアトル』(2013年中国)
原題『北京遇上西雅图』
監督:薛暁路(シュエ・シャオルー)
出演:湯唯(タン・ウェイ)、呉秀波(ウー・シウポー)、海清(ハイ・チン)ほか
「西雅图」(Xīyǎtú)は中国語でシアトルのことです。
日本では未公開ですが、2013年の東京/沖縄・中国映画週間で上映されたらしく、なので邦題がついているのですね。
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/movie-2133.html
北京から一人シアトルにやって来た妊婦の文佳佳(湯唯)。その目的は、アメリカで子どもを産むことだった。
妻のいる男性との子どもを妊娠したのだが、北京では不倫相手との子どもは証明書も戸籍ももらえない。だから子どもにアメリカ国籍を取らせようと、アメリカでの出産を選んでやって来た。
英語は話せずシアトルに知人もいない佳佳。空港へ遅れて迎えにやってきた運転手のフランク(というのは英語名の中国人。呉秀波)に文句を言いまくり、台湾人女性が面倒を見る産院へ行き、出産までの時間を過ごすことに。
傲慢で自己中心的な性格の佳佳だったが、フランクや他の妊婦、フランクの娘との交流によって自分を変えていく。
お金持ちの愛人からカードを渡され、ブランド品で身を固めた佳佳は、お金で何でも解決できると思っている超自己中女。フランクにも、産院で一緒に過ごす他の妊婦にも、気に入らないことがあれば自分のわがままを通そうとします。
そんなわがまま放題の前半の佳佳にはイライラして、「この主人公には感情移入できないな…」と思っていたのですが、後半はなかなか素敵。途中で観るのを止めなくて良かったです(笑)。
クライマックスは結構ジーンと来ちゃいました。
フランクを演じる呉秀波、中国人でダンディといったらこの人!だと個人的に思っています(笑)。
離婚歴のある冴えない中年男性で、かつては北京の有名病院の医者だったのになぜか今はシアトルで運転手をしているという役どころ。性格も寡黙で頼りなさそうで、でもとっても優しくて懐の深いフランクを好演しています。タン・ウェイと年の差はあるものの、なかなかお似合い。
ちなみに私が初めて観た呉秀波出演作品は、2014年のドラマ『離婚律師』。スタイリッシュなラブコメでなかなか面白かったです。ここでもダンディっぷりを存分に発揮しており好印象でした。
タン・ウェイは『香港、華麗なるオフィス・ライフ』を観てから好感度アップ。これまで出演作をあまり観たことがなかったので、いろいろ観てみよう。
王道のラブストーリーかもしれませんが、後味の良い、なかなか楽しめた映画でした。
ちなみに、2016年に公開された第2弾『北京遇上西雅図之不二情書』も観ましたが、
続編というわけではなく、全く別のお話。役名も違います。
なので、どちらから観ても支障ないと思います。