海外に住むことは特別なことじゃないけれど、中国に住んでいるだけで、地元の新聞に載った話(笑)
現在、中国に住んでいる人は、会社の命令(または志願)による駐在もしくはそのご家族、現地採用、留学生、配偶者が中国人、などなど、それぞれの理由があるかと思います。
一定期間いると、生活にも慣れ、いろんな思いを抱えながらも(笑)海外に住むことが特別ではなくて、日常になってくるものです。
「海外生活ってかっこいい!」と、海外に住んだことのない人からは言われるし、私も海外に住む前はそう思っていました。
でも、中国に何年も住んでいて、自分が特別なことをしているとは思わないし、かっこいいとも全く思いません(笑)。
しかし、海外に住むという選択肢を考えたことのない日本の友人・知人からすると、
会社の命令でもなく、家族の帯同でもなく、
自分の意志で、それまで全く縁のなかった中国に飛び込んだ私の行動は、やはり珍しいものに映ったようなのです。
自分では特別なことをしているつもりは全くなかったのに。
ただ、海外で働くことに興味があって、たまたま採用してくれた会社が上海にあっただけ。
当時20代だった私は、怖いものもなくて、日本に思い残すことやしがみついている理由もなくて、ワクワクしながら中国にやって来ました(笑)。2012年の暮れから、2013年頃の話です。
上海の職場では、仕事柄同僚には日本人がたくさんいました。
さらに、日本人がわんさかいる上海という都市には、日本人が集まるサークルや会合も山ほどあります。
人脈を広げたくて、県人会や大学OB会などに参加するようになりました。
私は佐賀県出身なので、上海で佐賀にゆかりのある人が集まる佐賀県人会に顔を出していました。
ある回で、佐賀から視察で上海にいらしていた、地元の新聞社の社長さんと社員さんが県人会にゲストとして参加されていました。
佐賀って地味じゃないですか。九州ならまだしも、東日本の人が佐賀と聞いても、「佐賀?どこそれ?滋賀じゃなくて?」って感じですよね(笑)。
そんな、日本だと肩身の狭い(笑)佐賀出身の人たちが、上海では結構面白い仕事をして活躍していたんです。
大企業の現地法人の要職だったり、デザインや音楽や建築といった専門分野で存在感を示していたり、飲食店を経営していたり。
海を越えた上海でエネルギッシュに生きる佐賀人の姿を、新聞社の方が面白いと思ってくださったらしくて、
「紙面で、上海の佐賀県人による連載やりましょう!」と言ってくださいました。
それは、酒の席の冗談ではなく、本気の話でした(笑)。驚きのトントン拍子で、連載が実現したのでした。
その連載に、私も載せていただけました。
有名企業で働いているわけでもないし、専門分野で活躍しているわけでもないし、
上海歴も浅い、現地採用の若造でしかない私は、
大した経歴も持っていない自分が出ていいのか?と委縮しました。
が、20代女性が見たありのままの上海という都市、そして上海での暮らしぶりを書けばいい。大した肩書や見栄を張る必要のない自分だからこそ、伝えられることを書こう。
そう開き直って、担当回のコラムを気の向くままに書いたのを覚えています。
掲載用の写真も送る必要があったので、おしゃれな上海を知ってもらいたいと思い、
租界エリアのプラタナスの並木道で、写真を撮って提出しました(笑)。
地元の家族や友人に、「●月●日の新聞に載る」と伝えたら、
皆見てくれたみたいで、Facebookでシェアしてくれたり、メッセージくれたり、照れくさかったです。
親は、掲載された新聞を切り抜いてラミネートして保存していました(笑)。
田舎なのでね。親類や知人がメディアに掲載されたら、それはそれは騒ぎになるのですよ(笑)。
大した文章ではありませんでしたが、とても良い経験をさせてもらいました。
掲載されたのは、私が北京に転勤になる直前だったこともあり、
「私が上海にいた」という、一つの記念というか、証になったような気がしています。
ということで、中国に住んでいて、何も特別なことをしているつもりはなくても、
思いがけず、メディアに載ってしまうこともあるのです!という体験談でした(笑)。
でも、東京で普通に会社員を続けていたら、こんな機会って恐らくなかっただろうな、と思うと、
なんだか不思議な運を感じたのでした。
海外に住むのって、特別なことじゃないです。と、住んでいる本人は思います。
ただ、その経験を発信することで、それがコンテンツになり、誰かに気付きを与えることができるのであれば、少しでも意味があるんじゃないかな。
実際住んで、そう感じるようになりました。
このブログを始めたのは昨年ですが、2012年から中国に住んでいるので、
普通の個人のとりとめのないネタですが、たまにはブログ開始以前のことも振り返りながら、残していけたらいいなと思います。
↑上海で住んでいた家の窓からの夜景。懐かしいです。向こうに赤く光るのは、おでんタワーこと東方明殊。
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