中国現地採用者の決断、退職後のキャリアについて
私は日本の会社から派遣された駐在員としてではなくて、日本の会社を辞めて、海外転職で中国に来ました。いわゆる現地採用です。
中国に来てからも一度転職しました。中国1社目、つまり前職は日本人が中国で立ち上げた企業でした。本社は上海で、最初の1年ちょっとは上海で働き、北京に異動しました。
現地採用って実際どうなの?ネットで検索すると、帰国して再就職しようとしても大したキャリアにならないからやめておいた方が良い、なんて記事もたくさんあります(笑)。海外転職に興味のある人は気になりますよね。
実際はさまざまなケースがあるし人それぞれ事情も違って、一口に良し悪しやおすすめできるできない、とは言えないですが、
私の経験ベースで、少しずつ記事にしていきたいなと思います。
中国1社目は、日本の会社と比べると組織や制度が甘く、不満もまあまあありましたが、今振り返ると面白かったしたくさんの経験をさせてもらいました。
入社したばかりの時は、私もまだ20代だったし、初めての中国で初めての転職先で未経験の業種だったし、
全てが新鮮で刺激的に感じていました。
中国で日本人が立ち上げた会社なので、日本本社というものは存在しません。日本からの出張者なんて人ももちろん来ません。
業務内容柄、社員は日本人が多く在籍していて、私が上海にいた時は中国人社員より日本人社員の方が多かったです。
そして当然、日本人社員は皆現地採用です。
駐在員だと、多くの方が、会社の辞令により任期を終え、本帰国もしくは他国他都市への転勤になると思います。
もちろん、北京を去った後でもその会社に雇われ続け、その後の心配は必要ありません。(稀に、違う道を歩む方もおられます)
しかし現地採用となると、帰任先なんてありません。
解雇されたり倒産したり、何らかの理由でビザが更新されなかったりということが起こらない限り、いつまでその国にいて、その会社で働くかは自分次第です。
自分が決めた時に退職できるし、帰国したり海外で転職したり、自分で決められます。
ただし、当然ですが退職後や帰国後の保証は誰もしてくれません。
(一部の日系企業の現地採用では、非常に評価の高い人が稀に日本本社配属に切り替わるケースもありますが、そのような可能性には期待しない方が良いと思います。)
で、私の中国1社目では、日本人社員は全員現地採用で、
中国に来た理由や入社の理由、そして退職の理由も人それぞれでした。
日本への帰任が約束されていない、自分の将来は自分で決めなければならない。あえて現地採用の道を選んだ人たちの選択は、とても興味深いし刺激にもなりました。
駐在の方が帰任や転勤が決まったら、「次はどこに行かれるんですか?」「日本のどこに帰られるんですか、東京本社ですか」みたいな会話が生まれると思いますが、
現地採用者が退職する時に聞かれるのは「次は何するの?」です(笑)。
私がいた上海の職場は20代の若手も多く、私と同じように、海外に興味があって来てみました、という人もいました。
上司の一人は、バックパッカーとして訪れた中国を気に入り、中国移住を決めたという人でした。
やはり多いのは、中国留学経験者。留学後帰国し日本で就職したけれど、やっぱり中国が好きで、中国で働きたい、という人たち。
また、配偶者が中国人で、中国に住み中国で働くことを決めたという人も多いです。その場合は、帰国せず永住を決められていることも多いですね。
では、退職後はどうするか。
私の周りで一番多いのは、日本に帰国し転職するケース。
中でも、中国語を生かせたり、中国と関われる仕事に携わっている人が多いです。
現地採用を薦めない記事をネットで見かけると、よく「帰国後の転職に不利。大したキャリアにならない」ということが書いてあります。
しかしこれは、私からするとやや疑問。
というのは、帰国後何をしたいか、どんな環境でどんな仕事をしたいか、中国で得た経験が生かせるかにより、かなり事情が異なってくるからです。
そもそも現地採用者は自ら望んで中国で働いているケースが多いので、中国語を進んで身に着けている人が多いです。(もちろん、あまり話せないまま帰国する人もいますが)
中国語と中国での実務経験は、中国に関わる仕事を希望するのであれば、職探しの際にも立派な武器になります。
逆に、中国関係ない仕事を求めて転職する場合は、全然役に立たなくなってしまうかもしれません。そうなると、確かに帰国後の転職には生かせないというのも間違ってはいないです。
事情は本当に人によって違います。中国でバリバリ働いていても、帰国後転職に苦戦する人が少なくないのも事実です。同時に、帰国して中国関係の仕事で頭角を現している人もいます。
私は中国で数年働き、何人もの現地採用者が退職してそれぞれの道に進むのを見送ってきました。
私の上海時代の男性上司。中国留学経験ありで中国語はペラペラ。結婚のため本帰国を決意されました。今は中国関連の同業種の仕事で、中国の経験を生かして働いています。
上海時代に一番仲が良かった同世代女子。いつも明るくて、海外で出くわす良いことも悪いことも全て前向きに捉えられる子です。彼女は数年上海で働いた後、転職して台湾に行くことが決まりました。
私が北京に来て最初の上司だった男性。ちょっと変わったキャリアの持ち主で、もともと北京で駐在で来ていましたが、帰任を命じられた際に、北京に残りたいという思いから北京で転職したという人です。その後、中国人の奥さんと娘さんと日本で暮らすため帰国、日本で再就職されました。
私が北京に来た時に仕事を受け継いだ先輩。彼女は退職後、「もっと中国語を極めたい」と、天津の大学に通いました。大人の学生生活を楽しんで中国語を磨き、帰国して再就職しました。
北京で仲良くしてくれた先輩女性。彼女は英語と中国語がネイティブ並みにペラペラで海外慣れしていました。私に北京暮らしの楽しさを教えてくれたといっても過言ではなく、よく夜遊びにも連れて行ってくれました(笑)。インドに行きたいという夢を叶えるため転職し、今はその言葉通りインドで働いています。
北京で同僚だった後輩くんは、留学経験があり中国語ペラペラ。家庭の事情で退職し帰国したのですが、その後、やっぱり中国が好きで中国に戻ってきました。今は深センを拠点に、自分でビジネスを始めて頑張っているみたいです。
ここに挙げたケースは、ほんのわずかな一例にすぎません。
他にもたくさんの人が、それぞれの決めた次のステップに進んでいきました。
もちろん、帰国して転職活動に苦労したり、うまくいかず悩んでいる人だって少なくないです。
私はまだ帰国していないので、帰国後どんな壁が立ちはだかっているのかまだ未経験ですが(笑)。
個人的な思いとしては、やっぱり中国に来て良かった、海外転職して良かったと思っているので、
来る前から帰国後のことを心配して海外行きをあきらめるのは、ちょっともったいないんじゃないかな、という気はしています。
まあ年齢や待遇やビザ取得問題など、考慮すべき点はありますし、一概におすすめもできませんから、
あくまでも私の言うことは、参考程度でお役に立てれば嬉しいな、と思います。
現地採用や中国で働くことについては、また機会を見つけて発信できたらなと思っています。
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