元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

おもちゃの枠を超えて世界に影響を与え続けるレゴの魅力。『レゴ ブリッキュメンタリー』が面白い!

映画鑑賞記録。Amazonプライムで配信されているドキュメンタリー、『レゴ ブリッキュメンタリー』を観ました。

世界中で愛されるおもちゃ、レゴ。そのレゴの魅力に迫ります。

なんとなーく観たけれど、すっごい面白かった。レゴはどちらかと言えば好きだけれどそれほど愛着もなくあまり遊んだこともない私が観ても、すごくワクワクしました。

単なるおもちゃに留まらない、大人をも魅了し続けるレゴ。素晴らしいです。

 

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『レゴ ブリッキュメンタリー』(2014年デンマーク・米)

原題:A Lego Brickumentary

監督:キーフ・デヴィッドソン、ダニエル・ユンギー

 

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Amazon.co.jp: レゴ ブリッキュメンタリー A Lego Brickumentary (字幕版)を観る | Prime Video

YouTubeにトレーラーがありました。

www.youtube.com

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世界中で愛されるおもちゃ、レゴ。そのレゴは、単に子どもが組み立てて遊ぶだけには留まらず、大人にも影響を与え、さまざまな人の表現手段となっている。レゴ社で働くデザイナーや組み立ての達人マスタービルダー。大がかりなレゴ作品を組み立てコンテストで3年連続優勝した主婦。レゴでアート作品を制作するアーティスト。レゴ好きで知られるNBA選手や『サウスパーク』監督。レゴの組み合わせについて研究する大学教授。レゴムービーを自宅のガレージで撮影する若者、自閉症療法にレゴを取り入れる施設、などなど。

レゴの魅力、そしてレゴに魅了された人々に迫る、レゴの世界を十分に楽しめる愉快なドキュメンタリー。

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レゴ社は元々、デンマークの小さな木工所でした。木製のおもちゃを作る会社で、1930年代に社名を「LEGO」としました。社名はデンマーク語の「よく遊べ」に由来しています。

数度の火事に遭いながらも立て直し、1940年代にレゴブロックの原型を売り出しました。その後人気を集め、1970年~90年代に順調に成長するものの、2000年代前半には財務状況が悪化し、倒産の危機まで追い込まれました。テーマパーク「レゴランド」の建設やビデオゲームの開発など多方面に手を広げ過ぎて従来の「組み立てる楽しみ」という視点を失い、離れて行ったファンも多かったそう。

そこで、原点に立ち返り、それまで注力していなかった女の子向けのレゴシリーズの開発に力を入れます。そこから売り上げは伸び、持ち直してきました。

 

レゴ社で働く人たちは、本当にレゴが好きなのだなぁというのがよく分かります。あるスタッフがテーブルに広がるレゴを前にして「いつまでも子どもでいられる」と嬉しそうに語っていたのが印象的でした。そして、「ストーリーからデザインが生まれる」ということも。

 

レゴのファン層が幅広いことにも驚きました。子どもはもちろんですが、大人のレゴファンも非常に多いです。そして、そんな大人のレゴファンのことをAFOL(=Adult Fun of Lego)と呼んでいます。シンガーソングライターのエド・シーランもAFOL。彼の歌の中にもレゴが出てきます。

ちなみに、子どものレゴファンはKFOL(=Kids Fun of Lego)、10代のレゴファンはTFOL(Teen Fun of Lego)など、ファンを指すさまざまな言葉があるのだとか。面白い。

 

映画の中では、レゴを愛しさまざまな方法でレゴと関わる人が多く登場します。

中でも私の印象に残ったのはまず、コペンハーゲン大学の数学教授。教授は、レゴブロックの組み合わせが何通りあるかを調べました。6つのレゴブロックの組み合わせはなんと、9億1510万3765通り(!)。これを7つ、8つ、9つ…と増やしていくと、その組み合わせを計算するだけでもかなりの年月が必要になるのだとか。気が遠くなりそうです。

数学的には有限のシステムだけれど、実際に人間がブロックを組み合わせて遊ぶには、ほぼ無限の可能性があるということが言えます。

 

そして、レゴアーティストのネイサン・サワヤ。彼は元弁護士という異例の肩書を持つアーティストです。レゴでアート作品を作り、世界各地で展覧会を開いています。巨大な恐竜や人物像、そしてモナリザムンク、考える人などの有名作まで、全てをレゴで制作。

どこかで見たことがあると思ったら、私、以前上海でこの方の展覧会に行ったことがあったのでした。レゴでこれほどのものが作れるのかと驚き、十分に楽しませてもらったのを覚えています。

 

さらに、レゴ社とは関係がないが独自のレゴ作品を制作・販売する人もいます。ブリックアームズ社のウィル氏。彼は、レゴのミニフィグ(人形)に持たせるミニチュア兵器を作っています。レゴで戦闘シーンを再現するというニーズに応えるためです。

レゴ社はデンマークの会社で、ウィル氏いわく、デンマークには銃を所持する文化がなく、兵器のおもちゃを制作することはレゴ社の哲学に合致しない。デンマーク企業はやらないことだ。

レゴ社が作らないのであれば自分が作る、というわけです。

 

その他、世界各地で開催されるレゴファンのイベント、マスタービルダーの作品コンテストの様子も面白い。2人の子どもを持つ主婦が制作する、壮大なレゴのセットは圧巻です。

 

もうとにかく、ディープなんです。ディープすぎる。

もはやレゴはおもちゃではなくて、あらゆる層の人に夢と可能性を与える魔法のようなブロックなのだと知りました。

レゴという小さな一つのパーツが組み合わさって生まれるものは、人によってさまざまで無限大。どこまでも創造力をかき立ててくれます。

私は子どもの頃もレゴを持っていなくて、友達が持っているのを一緒に遊んだ程度の記憶しかありません。そんな、大して愛着のない私でも、この映画は見ていて本当にワクワクしました。圧倒されました。

映画内にときどき登場する、ミニフィグが活躍するアニメーションも可愛らしくて好きです。

 

Amazonプライムが観られる人はぜひ。とってもおすすめのドキュメンタリー映画です。