元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

世界を見てアメリカを、そして日本を考える。映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』

映画鑑賞記録。2015年のドキュメンタリー映画マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』をAmazonプライムで観ました。

華氏911』や『ボーリング・フォー・コロンバイン』などで有名なアメリカのドキュメンタリー映画監督、マイケル・ムーア作品。

これ、すごく面白かったし、非常に勉強になりました。当然アメリカ人に向けた作品なのだけれど、日本人にとっても驚くような気づきがたくさんあります。日本はどうなんだろうか…と、考えさせられるトピックスがふんだんに散りばめられていました。

 

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マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(2015年米)

原題:Where To Invade Next

監督:マイケル・ムーア

出演:マイケル・ムーアほか

Amazon.co.jp: マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(字幕版)を観る | Prime Video

 

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これまで侵略戦争を繰り返してきたが良い結果にならないアメリカ。国防総省から相談を持ち掛けられたマイケル・ムーアは、自らが“侵略者”となって外国へ“侵略”の旅に出る。それぞれの国では“常識”となっているがアメリカ人にとっては目から鱗の良い取り組みを“略奪”し、アメリカに持ち帰るのだ。

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マイケル・ムーアがイタリア、フランス、フィンランドスロベニア、ドイツ、ポルトガルノルウェーチュニジアアイスランドを訪れ、各国のさまざまな取り組みを取材し紹介する内容です。

テーマは多岐に渡ります。イタリアやドイツの働き方、フランスの学校給食や性教育フィンランドの教育、ドイツの歴史教育チュニジアアイスランドの女性の社会進出、ポルトガルのドラッグ事情と警察、ノルウェーの刑務所、などなど。

それらのすべてに、マイケル・ムーアは驚きます。そして私も、驚嘆するトピックスばかりでした。 

 

私は本当に、世界のことをまだまだ知らなさすぎると痛感しました。そして、多くの日本人にも観てほしいです。特に、「日本スゴイ」に未だ囚われている中高年世代に。そして、これからの日本に希望と不安を抱える若い人たちに。世界にもっともっと目を向けてほしい。

そして、その中にはきっと、日本を良くするヒントがたくさん隠れているはずなのです。もちろん、何でもかんでも取り入れられるはずはなく、真似できないことも多くあるでしょう。私は決して、日本が劣っている、外国が優れている、なんて声を張り上げているのではないです。日本の素晴らしいところはたくさんある。

しかし、視野と見聞を広げて、参考にし、客観的な観点からも日本が抱える問題を考えるきっかけにすることはできるはずです。そこから、一つずつでも良くできることがあれば進めていけばいい。何より、これから大人になる若い世代や子どもたちのために。老害ばかりが得する利権なんてもうまっぴらです。

 

もちろん、この映画で紹介されている内容は、各国の言わば“良いとこどり”。良い面ばかりを見せて、実際は問題がたくさんあるじゃないか。そう言う人はたくさんいます。そんなことは百も承知。

しかしムーア監督は、ここで各国のマイナス面やネガティブな話題を入れることはあえてしなかった。それにより一つの作品としてまとまっていると思うし、私は支持します。

この中で紹介されているトピックスの中の一つでも興味を持ち、ムーア監督が紹介しなかったことを各自が自分で掘り下げて調べ、知り、その過程で「一見良いことづくめのように見えるが実はこんなマイナス面もある」「もし自国でこの取り組みを行ったらどうなるか」などと自分の力で考えること。そのきっかけをムーア監督は与えてくれただけにすぎないし、映画を観た後に一人でもそのようなアクションを起こす後押しをしてくれたのではないかと思っています。

 

 

 

(以下ややネタバレあり)

 

 

私が特に印象的だった各国のパートについてメモ。

 

・フランスの給食

とにかくこれ、観てほしいわ…。

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フィンランドの教育

先生たちの言葉

「テストで点を取る訓練は教育ではない」

「学校って 幸せになる方法を見つける場所じゃない?」

学校選びに迷うことはなく、近所の学校に通う。学校は全部同じレベル。学校を設立し授業料を取るのは違法。だから私立校はほとんど存在しない。

アメリカでは教育はビジネス ここでは生徒優先」

 

スロベニアの大学

スロベニアは大学の学費が無料となっている国の一つ。

(他にはアルゼンチン、オーストリア、ブラジル、キューバチェコデンマークエクアドルフィンランド、フランス、ドイツ、アイスランドアイルランドルクセンブルク、メキシコ、モロッコノルウェーパナマスロベニアスウェーデンチュニジアウルグアイベネズエラ。映画より)

教育レベルは非常に高い。アメリカの学費を払えなくてスロベニアの大学に通うアメリカ人学生は、「こっちの高校はアメリカの大学より上」と話す。

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・ドイツの働き方

休暇中の社員に接触することは違法。多くの会社で終業後の社員にメールを送らない規則を採用。メルセデス社は、上司が自宅にいる部下へメールできないシステムを採用。社員はメールに答える義務はない。

上司は週末社員に介入してはならない。休暇中や終業後の社員の生活に立ち入るのも禁止だ。

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・ドイツの歴史教育

「ごまかさず なかったことにもしない “生まれる前のこと”と片づけない」

負の歴史をしっかりと授業で教える。対してアメリカはどうだろうか。黒人差別や奴隷制度のことは教えているのか。今でも差別がなくならず、繰り返すのはなぜか。

そして、私たち日本はどうだろうか。

 

チュニジアの女性運動

「女性も一人の人間 オマケじゃない」

 

 

一人ひとりに何かしら考えるきっかけをくれる映画ではないでしょうか。邦題がちょっと物々しいですが決して恐ろしい内容ではなく、ドキュメンタリー映画としては見やすく良作だと思います。