映画『女神の見えざる手』敏腕女性ロビイストの姿にただただ惚れる
映画鑑賞記録。政治サスペンス、いやぁ面白かった。私の好きなジャンル、すごく好みの映画です。
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『女神の見えざる手』(2016年米)
原題:Miss Sloane
監督:ジョン・マッデン
Amazon.co.jp: 女神の見えざる手(字幕版)を観る | Prime Video
この、考えに考えたんだろうけれどダッサい邦題と、日本語がごちゃごちゃウルサイ日本版ポスターが非常に残念ですが(-_-;)
公式サイトで予告編や特別映像ムービーが観られます。
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大手ロビー会社の敏腕ロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャスティン)。銃擁護派団体から、銃規制強化法案を廃案に持ち込むよう依頼されるが、エリザベスはその依頼をあっさり断る。そして、部下を引き連れ小さな会社へと移籍した。
巨大権力とかつての同僚を敵に回した彼女は、銃規制強化法案を成立させるために動くが、敵はエリザベスを潰そうと立ちはだかる。そして、事態は予測しない展開に…。
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ロビー活動やロビイストという言葉は日本ではあまりなじみがなく、何のことかピンとこない人も多いと思います。
ロビー活動とは、
特定の利益をはかるために議員・官僚・政党などにはたらきかけ、政治的決定に影響を及ぼそうとする院外活動。特にアメリカにおけるものをいい、議会ロビーにおける議員への陳情だけでなく、世論の形成・動員までも含める。
で、ロビー活動を行う人のことをロビイストと呼びます。
まさに、見えない裏舞台で、国どころか世界をも動かしている強力な存在なのですね。そこではどんな駆け引きがあってどんな利権が絡んで、誰が得をして、そして世界が動いているのか…。
普段全く知ることのないロビー活動の様子を垣間見れたようで、議員の奪い合いのシーンなどはワクワクしました。
この映画の大きな魅力は、主人公エリザベス・スローンの人間像と、興奮のクライマックスの2点に尽きると思います。そもそも原題が「Miss Sloane」。一人の女性の物語とも言えるでしょう。
エリザベスは、これまで見てきたかっこいいヒロインとは一線を画しています。
真っ赤な口紅と高級スーツ、ピンヒールに身を包み、クールで表情を変えず冷徹な仕事魔。長時間仕事をするため、寝ないように薬を服用。目的のために人を利用する。性欲を満たすために男を買って、体だけの関係を楽しむ。
鎧に身を包んだ彼女がふと、弱さをさらけ出しでもすれば、もっと人間的な共感も得られたのでしょうけれど、そんなことはありません。
彼女に憧れ、真似したいとは全く思えませんが、エリザベスはどこまでも突き抜けていてカッコいい。そんなエリザベスを演じたジェシカ・チャスティン、惚れます。
クライマックスに関してはネタバレになるので述べません。とにかく、観てほしい。
エリザベスの部下であるエズメの存在も印象的でした。彼女は銃乱射事件が起こった高校の生存者でした。
銃は命を奪うからなくすべき、という反対派と、銃があるから命を守れるという賛成派の主張。外国人である私から見れば、やっぱり怖いしなくしてほしいのだけれど、この問題は外から見るよりもずっと複雑で根深いものなのだと感じ、リアリティがありました。
ほんのチョイ役で、『グッド・ワイフ』『グッド・ファイト』のダイアン(クリスティーン・バランスキー)とコリン・スウィーニーが出ているのを見つけて一人ニヤニヤしてしまいました( ´艸`)
もう一度観たい映画ってなかなかないけれど、これはまた観たい。
知らない世界を知ることができる映画、やっぱり良いものです。