シュールなブラックユーモアが秀逸なフォン・シャオガン監督映画『手機』。2作目がクランクイン!
2003年の中国映画『手機』。
簡体字で手机、すなわち携帯電話のことです。
古くなってしまいましたが、中国を代表する映画監督フォン・シャオガンの初期の傑作と言われています。
つい先日、その続編『手機2』がクランクイン!というニュースを発見しました。
こちらの記事によると、監督は引き続きフォン・シャオガン、出演はグォ・ヨウ、ファン・ビンビン、シュー・ファンと、オリジナルキャストが再度集結するそうです。
2003年はもちろんガラケーでしたが、2は当然スマホになります、よね??iPhoneとかガンガン出てくるのでしょうか。はたまた国産のファーウェイとかかな(笑)。
2作目の公開が待ち遠しいですね~。
ということで、懐かしい『手機』を動画アプリで久しぶりに観てみました。
『手機』(2003年中国)
監督:馮小剛(フォン・シャオガン)
出演:葛優(グォ・ヨウ)、徐帆(シュー・ファン)、範氷氷(ファン・ビンビン)ほか
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厳守一(葛優)は、トーク番組の司会者。ある日携帯を家に忘れて外出したところ、不倫相手の女性からの着信があったことから妻に疑われ離婚する。
離婚後、厳は女性講師の沈雪(徐帆)と出会い、結婚を前提に付き合い始める。しかし長年の愛人である出版社勤務の武月(範氷氷)との関係も切れずにいた。
携帯電話をきっかけに嘘がばれ、厳守一は追い詰められていく。
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当時の中国では、携帯を持っている人はまだまだ一部だったのではないでしょうか。
もちろんスマホではなく、登場人物たちが使っているのはガラケー。
そんな便利なはずの携帯電話が人間関係に悪影響を及ぼしていきます。
厳守一は冒頭で愛人からの着信がきっかけで離婚するし、
その後も関係の切れない愛人の武月からの、着信履歴やメールを消そうと必死になったり。
まあ浮気は自業自得なのですが、なかなか見応えがあります(笑)。
個人的に面白いと思ったシーンは、
厳やプロデューサーたちの会議中、参加者の携帯がひっきりなしに鳴り、肝心の会議が進まないというところ。
このシーンの描き方、便利なはずの携帯に依存していく人たちへの皮肉っぽくも見えました。
全体を通して携帯という小さな機械が人を狂わせていく様子を、シュールに、コミカルに描いているのはまさに監督のセンスでしょうか。これからの携帯社会に警鐘を鳴らしているようにも思えます。
携帯を怖がるようになってしまった厳守一。最後のオチ(?)も皮肉で笑えます。
フォン・シャオガン監督作品の常連であるグォ・ヨウ、ここでもぱっとしない見た目の中年男性役がハマっています。
なのになぜかモテるんですよね。愛人がファン・ビンビンだなんて(笑)。
今に比べて初々しさの残るファン・ビンビンにも注目です。
当時とは比べ物にならないくらい、何でもスマホで済ませてしまうようになった中国社会。
フォン・シャオガン監督は、どう思っているのだろうかと気になります。
その辺も、『手機2』で分かるかな?楽しみです。