【北京】店名の「原諒」に込められた意味を知って感動した。798芸術区内の串串香のお店、原諒小串
798芸術区内でお友達とご飯を食べよう!となり、串串香のお店へ。
お友達が選んでくれたお店は、こちら。
↑「原諒」という名前のお店です。
外観が、あれ、なんだか、萌え路線…?一瞬戸惑うも(笑)、大衆点評をチェックしたら内装はなんだかメイドカフェっぽくて可愛い様子だったので、えいっ!と2人で入ってみました。
場所は、798内の北の方。798創意広場の東の道、706北一街沿いです。LOFT No.6や鉄雑貨のお店↓を北上したところ。
外観はお世辞にもおしゃれとは言えないですが、ここ、とても良いお店でした。
なんだかね、学ばせてもらうことがすごく多かったんです。
↑お店の前にある看板。
ここでは、耳の不自由な聾唖の方が店員さんとして働いているのです。
↑店内に入ると、水色と薄いピンクを基調にした、可愛らしい内装の空間が広がっていました。
外観よりずっと良いです、可愛いです(笑)。
天井から下がっている吹き出し型の透明なボードでは、中国語の手話を紹介しています。「洗手间」「对不起」「谢谢」など。
↑お客さんも、ほとんどが若い女の子。798のお店は、昼のにぎわいに反して夜は一気に人がいなくなり閑散としがちなのですが、このお店は多くの女の子でほぼ満席なほどにぎわっていました。
↑店内奥の方。
↑私たちのテーブルの上には、「好吃」(おいしい)の手話がありました。
さて、ここの店名は「原諒」(原谅)。許す、許して、という意味です。
なぜそんな店名なのか。テーブル番号の札を見て分かりました。
↑ここに書いてあるのは、(私の意訳です)
「あなたの声が聞こえなくて、許してね。でも、あなたのために、精一杯のサービスをさせていただきます」
というようなこと。
許して、ってそういうことだったのか。
先に書いた通り、ここには、耳の不自由な店員さんが働いています。
障害を抱えることをマイナスと捉えずに、楽しく接客業で働くことができるこの環境。すごく良いなと思いました。感動すら覚えました。
↑用件を店員さんに伝えるための、このような札もあります。
話せる店員さんもいらっしゃったので、もちろん筆談で伝えにくい細かい注文はその方に言えば大丈夫でした。
店員さんたちはとてもニコニコしていて、態度も良かったです。
串串香は、火鍋の串バージョンという感じ。普通は激辛ですが、辛くないスープもあります。
スープとたれ、肉、主食、飲料の注文は、メニューにチェックを入れて店員さんに渡します。
そして、野菜などの串は、店内の串の棚にセルフで取りに行きます。
↑小さな箸袋のようなものを開けて、戸惑いまくる私とお友達。な、何コレ?箸にしては短すぎるし、箸は皿と一緒に置いてあるし。何に使うの??
で、さらに置いてある箸を取って、判明しました。
↑こうやって使うのねー!!こんなお箸、初めて見ましたよ~。
黒い箸を手に取ったら、先っちょに穴が開いていて、使い方が分かりました。まだまだ知らないことがたくさんあるなぁ(笑)。
燕京ビール(瓶)をお供に、鍋スタート🔥
↑鍋のスープが来ました♪辛くないスープをチョイス。チキンのスープです。
このスープがおいしかった!
↑こちらは串のコーナー。ここから好きなだけセルフで取ります。串は1本1元。下のトレイの具材は、トレイの色によって値段が決まっています。
↑2人でいろいろ取ってきました。もちろん、追加も好きにできます。葉物野菜の種類が多くて、見るのも面白いです。
野菜のほか、内臓系の肉やエビなどの海鮮もありました。
↑牛肉。メニューにはもちろん、羊肉もありました。
↑たれも数種類から選びます。ごまだれと、辛いたれ。
この辛いたれ、ただ辛いだけでなくてわりと食べやすかったです。
ここの串串香、とてもおいしかったです!串串香といえばやっぱり激辛のイメージが強いのですが、辛くない串串香でおいしいと嬉しいな。
お会計は2人で150元くらいでした。
火鍋をパステルカラーのキュートな店内で食べられるお店も貴重だし、
そして何より、このお店のコンセプトが素晴らしいと思いました。
日本では聞いたことないな、こういうお店。
ブログに書く前に、インスタグラムにアップして紹介したら、
日本にいる親友がコメントしてくれて。
「日本は、マイノリティに厳しい風潮を感じることが多いよ。皆違うってことを、体感として理解できる環境が必要だよね。素敵なお店だね」って言ってくれました。
日本は、多様性を認める力が弱すぎると思います。もちろん寛容な人はたくさんいるし、ここで言いたいのは、社会全体的にそういう風潮があるという意味で。
島国だからかもしれない。日本で日本語が話せれば何不自由なく一生を終えられるからかもしれない。
外国人、LGBT、障害を抱えた人など、ちょっと自分と違う人に過剰に反応しすぎ、ひどい時は排除しがちな傾向があるように思います。
さらには、一度何かのレールからドロップアウトした人(やむを得ずでも、自ら望んででも)に対しての風当たりも強い。もちろん個々の事情により異なりますが、全体的に不寛容な社会だと感じます。
島国で生きていく上では、マジョリティに属する人は心地よいかもしれない。でもそれって、私から見るとすごく利己的というか…。日本国内だったらそれでいいかもしれないけれど、世界をリードする先進国の国民としてそういう風潮はどうなの?って、言いたくなります。
対して中国は多民族だし、人口が圧倒的に多いから、自分と違う人がいるのが当たり前という意識が全体的にあるような気がします。例えば私は外国人として中国で生活していますが、差別や排除されたと感じたことはないです。日本よりも外国人を見る目が慣れているというか。
(まあ、反日デモが起きれば、一部の過激な人からは排除対象になるでしょうけれど、それはほんの一部。多くの中国人は常識的です)
別に私は中国を持ち上げているつもりでも擁護するつもりもないです。現に、ハード面はまだまだで、バリアフリーなんて全然浸透していないです。もっと力を入れるべきだと思っています。
その分、日本はハード面でやはり安心感はあります。
どちらが良い悪いと決めつけるのではなくて、他国の良いところに学びながら、お互いを高めることができる取り組みがもっと増えていけばいいなと思います。
…などと、串串香のお店に行っていろいろ考えさせられました。
とても良いお店。行って良かったです!
原諒小串
住所:北京市朝陽区酒仙橋北路798芸術区内706北一街
http://www.dianping.com/shop/110375029