元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

黄軒(ホアン・シュアン)主演、ITスタートアップの起業ドラマ『創業時代』

昨年注目されていたドラマ、『創業時代』を観終わりました。

注目はされていたものの、評判は賛否両論で酷評も多いみたい(笑)。私は面白く最後まで観ましたよ、全54話と長かったです~。

帰国前から動画アプリで観ていたけれど、途中までしか観れていなくて、日本に帰国後YouTubeで探したらありました。

 

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ここでいう「創業」は、日本語のニュアンスでいくと「起業」にあたりますね。

ITスタートアップの起業をテーマにした物語で、主演は売れっ子2人、黄軒(ホアン・シュアン)と楊穎(アンジェラベイビー)。舞台は北京です。

時代は今から10年前くらいでしょうか。(何年かは劇中ではっきりと出てこなかったように思います)SNSが全盛期でなく、今のように微信ボイスチャットがなかった頃。

起業した会社が倒産し、破産して妻とは離婚したどん底の青年、郭鑫年(黄軒)は、一人チベットへ旅に出る。旅の途中で「魔晶」という、新しいボイスチャットアプリのアイディアを思いつき、再び起業へ向けて動き出す。しかしリリースに向けての道は険しく、さまざまなハードルが待ち受けていた。

 

単なる熱血サクセスストーリーでは全くなくて、起業の難しさと現実の厳しさがしっかり描かれていたのが良かったです。

まあ、日本ではあまり起こらないだろうけれど、中国では珍しいことではないんだろうな、という問題もたくさん。

中国で近年IT系スタートアップがたくさん台頭していますが、リリース後に同業他社が乱立し、淘汰され、経営が軌道に乗ったり、大手に買収され生き残ったり、倒産して消えてしまったり。起業してビジネスを続けていくことの難しさを、起業家側からの視点で見せてくれます。

郭鑫年が生み出したボイスチャットアプリ「魔晶」も、それはそれはいろんな目に遭うことに。アイディアをライバルに盗まれたり、リリースの邪魔をされたり、親友に裏切られたり、リリースできたと思ったらすぐにパクリの類似サービスが続々登場したり、自分より大きな権力に飲み込まれそうになったり。情熱と才能があれば成功する、そんな甘い世界ではないんだなと。だからこそ、魔晶の行く末はまあ、あのラストでよかったのかな、と思いました。

 

主人公の郭鑫年を演じる黄軒は、近年いろいろな作品に出ていますよね。良い俳優さんだなぁと思います。

よくいるイケメンタイプではなくて、涼しい顔立ちながらしっかり個性があって。私も好感を持っている俳優さんの一人です。染谷将太主演の映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』で白楽天を演じていました。

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郭鑫年は、とにかく前に突き進むタイプで、よく激高して周囲になだめられる(笑)。良い起業家は、必ずしも良い経営者ではないんですよね。一見強そうに見えて実は欠点もたくさん抱えた主人公を、よく演じているなと思いました。

周りと意見が合わなくても、いつも強気で自分の信念を曲げず、弱いところを見せない郭鑫年。一番弱さを見せたのは、大好きな相棒である盧卡が結婚した時ではないでしょうか。盧卡を祝福したいのに寂しくて、「この世で一番信用できないのは女だって、俺ら2人、パソコンと結婚しようぜって言ったのに」 「女は裏切るけれど、パソコンは裏切らないんだって」なんて言いながら号泣するんです。可愛いではないですか(笑)。

 

アンジェラベイビーが演じるのは、投資コンサルタントの那藍。

いつも毅然としていて冷静で仕事ができて、共産党員の裕福な家庭に育った、非の打ち所がないキャラクターです。那藍の人物像は完璧に描かれすぎていて、私は若干引いてしまいました。その割には元彼の金城(代旭)がダメダメお坊ちゃまで、なんで彼と付き合ってた?と突っ込みたくなる(笑)。

そして、アンジェラベイビーは細くて綺麗すぎます。整いすぎてちょっとな、と思ってしまったり。旦那さんは超イケメン俳優の黄暁明(ホアン・シャオミン)です。

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この2人を取り巻くキャラクターたちもそれぞれが濃すぎて、嫌な奴もたくさん出てきます。

中でも那藍の同僚の温迪(宋軼)がやり手の曲者です。女に嫌われる女だなーと思って観ていました(笑)。

 

北京が舞台なのもツボで、見慣れた光景がたくさんドラマの中に出てきたので、つい先日まで住んでいた北京を懐かしむという楽しみもありました(笑)。五道営胡同、国貿のCBD、望京SOHO。

そして、何度か魔晶チームが訪れる、前門(正陽門)が目の前に見えるルーフトップのプール付きテラスは、絶対デザイナーズホテルの「ジ・エンペラー天安門北京」(北京天安門皇家驛桟)ですよ!私、泊まったことがあります。とっても素敵なホテルでした。(昔はホテルの名前に「天安門」ではなくて「前門」が付いていたのですが、変わったんですねー)

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私は中国で生活していたので、多くのスタートアップが生まれて市場を席巻して淘汰されていく様子を目の当たりにしました。ワイマイ(デリバリー)しかり、配車アプリしかり、シェア自転車しかり。それらのサービスの行く末と重なる部分もあって観ていたから面白かったのかも。

日本とは事情が違う中国ビジネスの難しさもたっぷり描かれているので、日本の社会人の視点から見てもまた興味深いのではないかと思います。