元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

海外に逃亡した経済犯を追う!中国ドラマ『猟狐』

今年4月から中国で放送されたドラマ、『猟狐』(猎狐)をYouTubeで観終えました。なかなか面白かったです。主演はイケメン人気俳優の王凱(ワン・カイ)。

警察モノですが、特に経済犯に焦点を当てたドラマです。主に前半は中国の大企業社長らの不正や、それらと癒着した銀行や証券会社、株価操作などに迫り、そして後半は海外に逃げた経済犯の追走劇というストーリー展開になっています。

 

YouTubeはこちら↓。全44話。現在、日本語字幕はありません。

www.youtube.com

 

『猟狐』(2020年中国)

出演:王凱(ワン・カイ)、王鴎(ワン・オウ)、胡軍(フー・ジュン)、劉奕君(リウ・イージュン)、鄧家佳(ダン・ジァジァ)ほか

baike.baidu.com

↓日本語の紹介記事もあります。

j.people.com.cn

 

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2007年、北江市(架空の都市)。若き刑事夏遠(シァ・ユエン、王凱)は尊敬する先輩楊建群(ヤン・ジエンチュン、胡軍)の下で経験を積み、将来を期待されていた。プライベートでは幼なじみの于小卉(ユー・シャオフイ、鄧家佳)と結婚を前提に付き合っている。

大手製薬会社「克瑞」董事長の王柏林(ワン・ボーリン、劉奕君)による疑惑を捜査していた夏遠たち。また、かつて母を亡くした、経済学専攻の学生呉稼琪(ウー・ジァチー、王鴎)は、母の死は王柏林に原因があると信じており、母の死の真相を明らかにし王柏林を逮捕するため、警察となった。しかし王柏林は数々の疑惑を残したままアメリカへ逃亡し、中国公安の手を逃れた。

6年後。北江市公安局は、経済犯を重点的に取り締まる経済犯捜査チームを立ち上げた。アメリカに逃げた王柏林や関係者を逮捕し中国へ護送すべく、真相の解明と追及を続けていく。

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タイトルの「猟狐」は直訳すると”キツネ狩り”ですが、これは中国の公安部が2014年に重点的に開始した、海外に逃亡した経済犯を取り締まる特別捜査活動「猟狐行動」を指しているのですね。

猎狐(境外抓获外逃经济犯罪人员行动)_百度百科

ドラマでも記述がありましたが、この6年で、計120以上の国と地区に逃げた経済犯6000名以上を逮捕。中でも「百名紅通」(100名の重要手配犯リスト、みたいなものかな?)に載った海外逃亡犯60名を逮捕し、取り立てた金額は100億元以上に上るそうです。ひょえ~。

 

冒頭でも触れましたが前半は中国を舞台に、大手企業の不正や金融機関との癒着、悪質な株価操作、そして株にはまり違法なことに手を染めていく者たちを中心に描かれていました。

そして後半は、海外へ逃亡した容疑者を追う、追跡劇。アメリカ(LA&ノースカロライナ)、そしてチェコプラハ、果てはケニア・ナイロビまで、どこまでも追いかけます。ヨーロッパやアフリカでもロケを行うなんて、お金のかけ方も桁が違いますね👀海外ロケのシーンで外国人の出演者を見ると、「この人たちのギャラはいくらくらいなんだろう」なんて、思わずとっても余計なことを考えてしまう私でした😅だって、中国のドラマに数話出るキャスティングってどうやってるんだろうって、気になって(笑)。

前編と後編、2つのドラマを観ているようでした。私は前半の方が断然面白かったけれど。話数が多いせいか、後半中だるみしたり、蛇足というか間延びしたシーンが入りがちなのは、中国ドラマでよくあることです💧とはいえ、最後まで楽しく鑑賞しました。

 

まあ、このドラマも結局は「中国の警察はすごいんだ、どこまでも追いかけるから覚悟しろ、その前に悪いことはするなよ、逃げられると思ったらそうはいかないぞ」というような、見せしめでもあり、力の誇示でもあったのでしょうけれどね。

それを気にするとシラケてしまうので、私はあくまでも一つのエンターテインメントを通して中国を知り、中国語を学ぶという観点でドラマを楽しんでいます♪

 

夏遠を演じた王凱は『大江大河』などの出演作でおなじみの、正統派イケメン俳優。カッコいいです。彼を見ているだけで目の保養になります(笑)。

ヒロインの呉稼琪を演じた王鴎は初めて出演作を観ましたが、綺麗な人ですね。女性刑事役が似合っていました。しかし私はあまり好きではないです(笑)。なんでかなー、全然彼女に好感が持てませんでした。

主に前半、もう2人重要な女性キャラがいます。一人は夏遠の彼女の于小卉(鄧家佳)、もう一人は楊建群の妹・楊建秋(ヤン・ジエンチウ、傅晶)。この2人も結構、視聴者をイライラさせてくれます(笑)。このドラマ、女性キャラはイマイチだったなぁ。まあ、利用する人される人、それぞれに「おいおい」と思うのですが。

その分、王凱をはじめ胡軍、劉奕君らベテラン俳優さんらが際立ち、主要男性キャラは個性が際立って層が厚く、見ていて安定感ありました。

劉奕君さんは悪役が本当に似合います(笑)。『橙紅年代』の印象も強すぎるし。

 

やっぱり私は、中国ドラマの中でも人気の恋愛ドラマや学園モノ、歴史ロマンスなどよりも、こういうサスペンス系ドラマの方が好きです。他にも観たい警察ドラマがいくつかあるので、観たらまた感想を書きます~。

 

 ★おまけメモ★

<ドラマに出てきた警察・犯罪などに関する中国語>

牵线(qiānxiàn) 糸を引く、陰で操る

挂钩(guàgōu) 関係を付ける、繋がりを持つ/コネを付ける

破案(pò'àn) 刑事事件を解決する、犯人を検挙する

归案(guī'àn) 逃亡中の犯人が逮捕される、警察に引き渡される

瓜葛(guāgé) 縁故、繋がり、関わり合い、ひっかかり

假释(jiǎshì) 仮釈放

保释(bǎoshì) 保釈(する)

涉嫌(shèxián) 嫌疑がかかる、疑われる

审讯(shĕnxùn) 尋問する

打靶(dǎbǎ) 射撃練習(をする)

关卡(guānqiǎ) 検問所、関所

缉拿(jīná)/ 缉捕(jībŭ) (犯人を)逮捕する

缉私(jīsī) 密輸犯を逮捕する

赃款(zāngkuǎn) 汚職あるいは盗んで得た金銭

串供(chuàngòng) ぐるになって偽りの供述をする

押解(yājiè) (犯人や捕虜を)護送する ※jièは四声

指控(zhǐkòng) 非難して訴える、告発(する)

顺藤摸瓜(shùn téng mō guā) 手掛かりに沿って物事の根源を追究する

纸里包不住火(zhǐlǐ bāobùzhù huŏ) 真相は覆い隠すことができない

日常生活では使わなさそうな言葉ばかり(というか、使いたくない(笑))ですが、ニュースを読む時などに役立ちそうです。

 

 

 

贋作を寄贈し続けた男に迫るドキュメンタリー映画『美術館を手玉にとった男』

映画鑑賞記録。ドキュメンタリー映画『美術館を手玉にとった男』をAmazonプライムで観ました。

いやあ、語り口は単調で淡々と静かですが、その中身はなかなかに衝撃的なものでした。面白かったです。

 

『美術館を手玉にとった男』(2014年米)

原題:Art And Craft

監督:サム・カルマン、ジェニファー・グラウスマン

出演:マーク・ランディス、マシュー・レイニンガーほか

 

Amazonプライムの視聴ページはこちら↓ 

Amazon.co.jp: 美術館を手玉にとった男(字幕版)を観る | Prime Video

 

日本公式サイト(予告編動画が再生されます)

映画「美術館を手玉にとった男」公式サイト

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2011年、アメリカの20州、46館の美術館で、大量の贋作が収蔵・展示されていることが分かった。これは、マーク・ランディスという男が制作した精巧な贋作で、ピカソマグリットからウォルト・ディズニーらの絵画、さらには文書の偽造までを手掛けていた。マーク・ランディスは贋作を制作し、美術館に寄贈する、自称”慈善活動”を長年続け、多くの美術館を騙してきたのだ。

不可解な行動を起こしたマーク・ランディス本人に密着し、同時に”騙された”関係者のインタビューを交えながら、ランディスの素顔と社会との関係に迫る。

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実話のドキュメンタリーで、本人や実際の関係者が出演しています。 

 

Amazonプライムで見つけてなんとなく面白そう、と思ってなにげなく観てみたら、予想とはいい意味で違った印象で、なんだか不意を突かれ、度肝を抜かれました。そして、マーク・ランディスという人の行動心理や、贋作の意義や是非、そして美術鑑賞という行為そのものについても考えさせられました。私たちは何を理由に、一つの作品を「素晴らしい」と感じるのだろうか。

邦題(この邦題も嫌いです(笑))とサムネイルからは、美術館で何やら詐欺を働いた悪人が主人公だと勝手に思い込んでいたのですが、マーク・ランディスという人の人物像も、彼が行ったことも、そうではありませんでした。

 

 

(以下少々ネタバレあり)

 

 

 

作中でも関係者が言っていますが、ランディスの奇妙なところは、「お金が目的ではない」ということでした。普通、贋作を作る目的として真っ先に思い浮かべるのは、不当な値段で売ってお金を儲けることでしょう。それだと詐欺にあたり、罪に問われます。

しかし、ランディスは違いました。なんと自分が描いた精巧な贋作を、無償で美術館に寄贈するのです。金銭は一切受け取っていないため、犯罪にはなりませんでした。本人も「自分は悪いことはしていない」と言います。

ランディスが各美術館に寄贈した”名画”を、目の肥えたキュレーターたちは贋作だと気づきませんでした。多くの美術館が「騙された」と言うのですが、オクラホマシティの美術館職員だったマシュー・レイニンガーが、贋作であることを見抜き、事件は明るみに出ます。前述の通り、金銭授受がないためランディスは起訴されませんでしたが、レイニンガーはその後ランディスを追い続けます。

 

作中では、マーク・ランディス本人に密着しています。ランディスはお金が目的ではないので詐欺事件の犯人ではないし、世間を困らせてやろうと考えているような明らかな迷惑犯にも見えません。なので、ランディスの人物像が見えてくると、どこか拍子抜けしたような感じを覚えます。そして、なぜこのようなことをするのか、知れば知るほど分からなくもなってきます。

幼い頃から美術展のカタログを模写するなどして、絵を描いてきたランディス。一人暮らしのおじいさんで、その部屋には作品や画材があふれています。若い頃精神科に入院したことがあり、カルテには統合失調症とも書かれていました。撮影当時もメンタルクリニックに通院しているが、少なくとも作中で垣間見える彼の生活は孤独で、親しい人もいなさそうです。

話し方は小さな声でゆっくりと、弱々しく。しかししっかりと、自分の言葉をひたすらつないでいっているような印象です。人と会話をしていても、どこかかみ合わなさがあります。自分に自信がなさそうに見えますが、彼の中で大きな葛藤(特に家族に対して)もあったのだろうなとも思えます。

 

そんな彼の制作風景もユニークです。古いテレビを見ながら、模写したり、それらしく見せるためにコーヒー粉末を塗りたくったり。ウォルマートで買った額に作品を入れて「1億円の作品に見える」と言ったり。どう見ても、「芸術に情熱を燃やして制作に没頭する」芸術家には見えません。それどころか、とっても適当にすら見えます。それなのに、美術館の学芸員が気付かないほど精巧な贋作を作り上げる。技術は素晴らしいのだと思います。

しかし、彼本人が言っていました。自分は芸術家ではない。自分がやっていることは「図画工作」にすぎないのだと。

そんな彼の贋作を集めた個展が開かれます。来客は彼に口々に言います。「あなたの技術は素晴らしい。贋作じゃなくてオリジナルを作ればいいのに。作品に自分の名前を刻むべきだ」と。

この個展での、彼の来客や関係者との会話の様子もなんだか奇妙で、彼の人物像をいっそうユニークなものにしています。

 

オリジナルとは何だろう。作品の価値とは何だろう。そして、作品を鑑賞する一般の私たちは、作品の何に価値を見出しているのだろう。

ランディスは高い技術を持ちながら、自分のやっていることは「図画工作」だというが、芸術家の価値や定義は何なのか。もちろん、彼にオリジナリティや創造性はないのだが…。

美術館を騙したランディスは悪者で、騙された美術館や学芸員たちは被害者か?彼の慈善活動を疑いもせず精査も不十分だったのに、贋作だと分かった途端ランディスを許せないと責め立てる。彼は慈善活動だと言うし、犯罪にもならないが、善い行いと悪い行いの境界線はどこにあるのか。

 

…などと、いろいろと考えさせられました。

作品自体は、派手な見せ場もなく淡々としたものでしたが、なかなかに面白かったです。

 

 

 

 

善悪の境界線はどこにあるのか。台湾の社会派ドラマ『悪との距離』が素晴らしかった

話題の台湾ドラマ『悪との距離』をAmazonプライムで観ました。評判通り、とても良かった。社会派ドラマの傑作と言ってもいいと思います。

台湾ドラマはこれまでほとんど観たことがありませんでしたが、真骨頂を見た気がします。これほどに現実社会の問題点をリアルに掘り下げ、それぞれの立場に寄り添い、中立で客観的に描いたドラマは、観たことがないような気がします。

 

Amazonプライムで見放題配信中ですが、出したいサムネイルがうまく出せないので、主題歌のジャケット画像を…。

 

『悪との距離』(2019年台湾)

原題《我們與惡的距離》(『我們与悪的距離』)

出演:賈静雯(アリッサ・チア)、吳慷仁(ウー・カンレン)、陳妤(チェン・ユー)、温昇豪(ウェン・シェンハオ)ほか

 

Amazonプライムの視聴ページはこちら↓ 

Amazon.co.jp: 悪との距離(字幕版)を観る | Prime Video

ドラマ本編は全10話。第11話としてメイキング映像が収められています。メイキングではキャストやスタッフの思いが語られていて、これにも感動しました。

 

予告編はこちら↓

www.youtube.com

 

2年前、とある映画館で無差別殺人事件が起きた。大手報道局の「SBCニュース」副局長・宋喬安(ソン・チャオアン、賈静雯)は、その事件で愛する息子・天彦(ティエンイェン)を失う。息子を亡くしてから、宋喬安は感情を閉ざし一層仕事に打ち込み、他者に厳しい冷酷な上司となっていた。家では酒が手放せなくなり、同業の夫・劉昭国(リウ・ジャオグオ、温昇豪)や娘の天晴(ティエンチン)との関係も悪化していた。

ある日、宋喬安の部下として、新人の李大芝(リー・ダージー、陳妤)が入社し、編成業務を担当することになる。李大芝は本当の身元を隠していたが、実は宋喬安の息子を殺した犯人・李暁明(リー・シャオミン)の妹だった…。

 

映画館で起きた無差別殺人事件。犯人の李暁明は、裁判で死刑が確定しています。

これは事件そのものではなく、事件の後の、それぞれの立場の人々に焦点を当てたお話。それぞれの立場は、

●被害者の遺族

息子を溺愛していた母親は笑うことを忘れ、他人に対して冷酷になる。同じく息子を失った悲しみに暮れ、性格が変わってしまった妻との関係に悩む夫。母がもういない兄ばかりを溺愛し、自分は大切にされていないと感じ反抗的になる娘。

いくら悲しんでも、加害者とその家族を恨んでも、自分を責めても、失った息子は戻ってこない。その傷は癒えない。

●加害者の家族

世間から冷たい目で見られ責められ、普通に生きていくことが難しくなった両親と妹。両親は営んでいた食堂をたたんで引越し、父は酒に溺れ、母は顔をマスクで隠して家計のために海辺でひっそり屋台を出す。妹は大学を中退、両親は妹を改名させ、本当の身元を隠して生きるように言う。

息子が殺人犯になってしまった理由が分からず、自責の念に駆られ続ける家族。いくら謝罪しても、被害者は戻ってこない。どうやって償えばいいのか。自分たちも世間の目にさらされ、普通に生活することができない。

●加害者の弁護士家族

弁護士の王赦(ワン・シャー、吳慷仁)は、李暁明ら加害者を弁護することに意義を感じていた。「なぜあんな人を弁護するのか」と、世間から激しい非難を浴びてもだ。彼らがしたことを擁護するつもりはない。死刑になって当然だ。しかし、どうして彼らが罪を犯してしまったのかを明らかにしないといけないと思っている。再発を防ぐためにも。

王赦には愛する妻と幼稚園に通う娘がいる。仕事にやりがいを感じていた王赦だが、殺人犯を弁護することで世間から非難を浴び、その誹謗中傷の矛先が大事な妻と娘にも向けられるようになり、自分の弁護方針について悩み始める。

●精神病を患った人とその家族

大芝の大家で同居人、李大芝が唯一慕うことのできる姉のような存在の應思悦(イン・スーユエ、曾沛慈)。思悦には、弟の應思聡(イン・スーツォン、林哲熹)がいる。思聡は若く才能あふれる映画監督として外国でも受賞歴があるが、恋人の死と仕事のストレスで心を病み、統合失調症を患う。思悦は弟を助けようとするが、精神を病んだ弟に向けられる冷たい目や、思聡の変わり果てた姿、治療の難しさに苦悩する。

↑應思悦と應思聡。(第8話)

 

それぞれの立場の人たちの苦悩を、感情を、どこかに肩入れするわけでもなく、美化することもなく、非常に客観的に、丁寧に描いているドラマだと感じました。

当事者ではない限りなかなか見えづらい、それぞれの立場の人の心の闇。しかし、失った人は戻らないけれど、前に進む光はいつか見えてくる。そんなわずかな希望が持てる終わり方も良かったと思います。

 

そして、息子を失った宋喬安は、ニュースを扱う報道局の責任ある立場。ドラマでは、メディアが社会に与える影響についても迫っています。

加害者家族を執拗に追い回す記者たち。真実を客観的に伝えるのではない、白黒を誘導するかのような偏向報道はなくならず、その報道によってまた傷付き、被害者が生まれる。宋喬安は、自分が被害者家族である一方で、自分たちの報道によって誰かを傷つけている事実とも葛藤が生まれていきます。

後半の宋喬安のセリフで、印象的なフレーズがありました。宋喬安の古くからの同僚である、廖氏との会話。

以前は熱心にスクープを探したわよね 新聞や雑誌に勝つためだった

今は新聞雑誌からコピペして、一日のニュース量を満たすだけ

報道する時はいつも用心して客観的に扱ってきたわよね 真実を伝えたかった たとえ1分半のニュースでも真剣だった

これが記者が持つべき精神よ

「新聞雑誌からコピペして、一日のニュース量を満たすだけ」

これ、日本のメディアにも大いに当てはまりますよね…。

日本のメディア、特に報道で信頼できるものって、ほとんどないと私は思っています。客観的な真実を伝えずに、専門家ですらない声の大きいばかりのコメンテーターの極めて偏った意見ばかりを持ち上げ垂れ流している番組にも、ウンザリします。

もちろん、このドラマが扱っている社会への問題提起は、台湾だけでなく、日本やその他多くの国で似たような問題を抱えているように思えます。このドラマを観て、「似ているなぁ、日本にも当てはまる」と痛切に感じました。

メディアに携わる人だけではなくて、それを見る私たちも、観る価値のあるドラマだと思います。

 

「悪との距離」って、何だろう。善悪の区別はどこにあるのだろう。

考えさせられる、良質なドラマと出会えたことに感謝です。Amazonプライムが観られる人はぜひ。

 

そうそう、私はAmazonプライムで日本語字幕で観ましたが、日本語字幕だとやっぱり物足りないんですよね…。中国語のまま観たかったな。

中国語のセリフがそのまま聞き取れるのって、なんだか得した気分です(笑)。大陸との発音や話し方の微妙な違いを味わうのも個人的には楽しいです。もっと台湾の人の話し方にも親しみたいな。

 

林宥嘉(Yoga Lin)の歌う主題歌も印象的でしたよ。

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清朝末期に実在した女性商人がモデル。中国ドラマ『月に咲く花の如く』が面白かった

中国の大ヒットドラマ『月に咲く花の如く』(原題『那年花開月正圓』)がAmazonプライムに登場しているではないですか!気になっていたので観てみました。

私は中国ドラマで中国語を勉強するのが好きですが、これまで現代ドラマしか観てきませんでした。歴史モノはどうも興味が持てなくて。リアリティに欠けるし登場人物に共感しづらいなぁとか、昔の中国語を聞いても難しいしあまり中国語学習には役に立たないなぁとばかり思っていたので。

それでも評判の高い人気ドラマは観てみようかな、観たらハマるかもと思い、『月に咲く花の如く』と同じ孫儷(スン・リー)主演の『宮廷の諍い女』を観てみたことがあるのですが、全然ハマれなくて10話すぎくらいで脱落しました😅

しかし、この『月に咲く花の如く』は、そんな歴史ドラマに抵抗のある私が観ても、とても面白かった!これはおすすめできます。全74話と長いですが、最後まで飽きることなく楽しめました。

 

『月に咲く花の如く』(2016年中国)

原題《那年花开月正圆》(『那年花開月正圓』)

出演:孫儷(スン・リー)、陳暁(チェン・シャオ)、何潤東(ピーター・ホー)、任重(レン・ジョン)ほか

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↑この百度百科のページ上部にある、陳暁のインタビュー動画。めちゃくちゃカッコいいですね~。ドラマでは何潤東演じる呉聘の方が好きでしたが、陳暁の美形っぷりは見逃せません。

 

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清朝末期、陝西省・涇陽。幼い頃に養父・周老四(ジョウ・ラオスー、劉佩琦)に拾われた周瑩(ジョウ・イン、孫儷)。放浪癖のある自由気ままな父に連れられ、各地を転々とし大道芸や詐欺で日銭を稼ぎ生きてきた。しかし、涇陽の富豪・呉家の若旦那である呉聘(ウー・ピン、何潤東)と出会い、ひょんなことから呉聘の妻になる。

周瑩は持ち前の商才を発揮し、商人としての道を歩み始めるが、その先には数多くの試練が待ち構えていた。

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↑こちらは第一話のシーン。周瑩と養父の周老四が大道芸をしています。(画像をクリックするとAmazonプライムページに飛びます) 

 

さらに、YouTubeに予告編がありました。

www.youtube.com

↑「ラブ史劇超大作!」って言葉が気に入らない💧ラブ史劇、って言われても…全然響かない、むしろシラケる(笑)。

海外ドラマや映画の日本でのPRには、邦題を含め大いに不満があるのはいつものことですが、これくらいにしておきます(笑)。

 

(注:以下、ネタバレを含みます!)

 

 

周瑩は、実在の人物です。

このドラマの魅力はやはり、主人公周瑩の魅力なしには語れませんね。自由気ままで飄々と好きに生きる養父に連れられ、大道芸や詐欺でその日暮らしをしていた周瑩が、呉聘との出会いにより、有力な商人の呉家の一員となり、人生が変わります。

呉聘と、呉家の大当主で呉聘の父である呉蔚文(ウー・ウェイウェン、張晨光)から大きな影響を受け、商売に目覚めた周瑩。

まだ、女性が学問や仕事で人前に出ることが良しとされておらず、認められることが今よりもずっと難しかった時代に、周瑩は明るく物怖じしない性格で、経験を積み商才に磨きをかけ、一人前の商人として手腕を発揮していきます。呉家は陰謀により冤罪で貶められ、没落。周瑩は最愛の呉聘と、最も尊敬する呉蔚文を亡くした後、呉家の大当主となり呉家を再建させます。

 

周瑩が本当に魅力的なヒロインでした。魅力的だからこそ妬まれ敵も多く、何度もひどい目に遭い、陥れられ、生命の危険にもさらされます。しかし、情に厚く人を大事にする周瑩の周りには、周瑩を慕い支える人も多く集まり、共に困難を乗り越えていく。元々敵だったり、自分を陥れようとしたりした人を、和解どころか自分側に引き入れてかけがえのない仲間にしていく手腕には敬服せざるを得ません。

多くの人に支えられ、そして多くの人との別れも経験し、何度も傷ついて。それでも前に進み続ける周瑩は、応援したくなる人物です。

ドラマでは事実と異なる点も多々あるでしょうし、どれほど史実に忠実かは分かりません。しかし、そう遠くない昔の中国(清)に、周瑩という女性が実在したということを知れたのは、とても嬉しいことです。 

 

そんな周瑩をとりまく人たちも、魅力ある人物ばかりでした。

周瑩が愛した2人の男、夫の呉聘と、呉家のライバル沈家の放蕩息子・沈星移(シェン・シンイー、陳暁)。呉聘は早くに亡くなってしまい、未亡人となった周瑩を一途に思い続ける沈星移の人間としての変化も見ごたえがありました。

最初はただのどら息子だったのが、沈家の看板から抜け出すように自分の道を追い求め、上海で西洋人と商売を始めたり、(行かされたとはいえ)日本に留学したりして世の中を知り見聞を広め、最後は革命家として散ることを選んだ。彼の生き様もまた、このドラマの大きなテーマなのだろうなと思いました。

 

そして、清廉潔白でカタブツ役人の趙白石、呉家の叔父や妻たち、使用人たち、周瑩のよき仲間であり続けた王世均たち。敵となる杜明礼や胡咏梅ら。

それぞれの人物描写、心情の移り変わりもよく描かれていて、見入ってしまう場面が多かったです。

とはいえ、個人的には不満な点もあって、時代モノだからそうなってしまうのはやむを得ないかもしれませんが、主要キャラがバタバタと死んでいってしまうのは残念。悪役は簡単に死ぬのではなくて報いを受け裁かれ、生きて反省してほしいのに…と思う死に様の多いことよ💧

 

清朝末期が舞台で、時代背景も興味深く見ていました。西洋人を怖がったり、かと思えば欧米列強の租界となった上海はいち早く開けて発展を始める様子など。私は以前上海に住んでいたので、外灘の洋館が立ち並ぶエリアなどを思い出し、あの場所は昔こんな感じだったのかなぁ、と思いを馳せながら観ていました。

商売がテーマのドラマなので、当時の商人や商いの様子はもちろん、周瑩が始めた当時は画期的だった持ち株制度や、銀行の登場など。そしてその時代ならではの、アヘンが引き起こした庶民への悲惨な影響や、ドラマの終盤では、義和団の乱で北京を追われ西安に逃げてきた西太后や光緒帝も出てきました。ドラマ全体を通しても、混乱の時代に腐敗しきっていた役人、当時の政治の様子も垣間見ることができます。

 

キャストに関しては、周瑩役の孫儷がやはり素晴らしいですね。彼女の出演作を初めて観ましたが、ハマリ役だと思いました。『宮廷の諍い女』にハマれなくてイマイチ好感が持てなかったのですが、印象が変わりました。

呉聘役の何潤東(ピーター・ホー)、沈星移の陳暁(チェン・シャオ)も良かった。ベテラン俳優さんたちも本当上手いです。陳暁は本当に美形で、辮髪でもその端正な顔立ちは目を見張るものがありますね。

ところで、男性は辮髪の時代。百度百科によると、男性キャストは皆頭髪を剃って撮影に臨むことを要求されたそうです。カツラで代替することは許されなかったと。

那年花开月正圆(2016年丁黑执导电视剧)_百度百科

 

こちらの特集記事に、キャストのインタビューや解説記事などがたくさん載っていて嬉しいです。このドラマが好きな人は必見。

www.cinemart.co.jp

 

骨太で見ごたえのある、質の高い中国ドラマが観られて嬉しいです。

これを機に、他の歴史モノも観てみようかな。

 

Amazon.co.jp: 月に咲く花の如くを観る | Prime Video

 

 

 

スーパー「松源(マツゲン)」で銀聯カードが使えるようになった!

2020年7月1日から、スーパー「松源(マツゲン)」で銀聯カード支払いができるようになりました!

私は松源に日々お世話になっているので、これは嬉しいです。私の中ではかなりの朗報なのですが、こんなに喜んでいるのは私くらいかもしれません…(笑)。

 

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銀聯カードの他、交通系電子マネー楽天ペイも使えるようになりました。

www.matugen.co.jp

 

ちなみに、松源というのは和歌山市に本社を置くスーパーマーケットチェーンです。

和歌山県内を中心に、大阪と奈良の一部にも展開しています。

近隣に住んでいない人は知らないですよねぇ。私も和歌山が地元ではないので、和歌山に引っ越してくるまでは名前も知りませんでした😅和歌山を代表する企業の一つとして、地元の人に親しまれているようです。

 

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↑威勢の良い「源」のロゴが目立っています。

 

松源は、わりと早い段階からLINEペイやペイペイなどのQRコード決済に対応し、現金をなるべく使いたくない私にはありがたくて、企業努力しているなぁと好印象でした。地方のスーパーでは、まだまだQRコード決済に対応していないスーパーが多くて不便を感じていたので。「キャッシュレス!」と謳っていながら、現金以外に使えるのは一部のクレジットカードだけ、というお店もまだまだ多いですね。

QRコード決済に対応してくれるのは便利だし、さすがに日本の田舎で銀聯の需要はあまりないよなぁ…と思っていたら、対応してくれてとっても嬉しい!

 

というのも、私は中国の銀行口座をいくつか残しており、人民元もそこそこ残っているのです。

中国で働いていた時はお給料も人民元で中国の口座に振り込まれていたので、数年の中国滞在で、すっかり中国の口座がメインになっていました。

日本に本帰国する時に、中国の銀行口座から日本の銀行口座に送金をしたかったのですが、会社の中国人スタッフにも手伝ってもらったけれど複雑でできず断念しました。(事情により、送金に必要な書類が揃えられなかったのです)

まあそこそこ残っていると言ってもそんなに大金ではないので、日本で引き出したり銀聯カードで買い物できる場所では極力銀聯カードで買い物したりして、少しずつ中国に残っている人民元を減らしています。全く賢くないやり方ですが💧

なので、日本で銀聯カードが使えるお店は、とてもとてもありがたい!

そして、日常的に買い物をするスーパーでそれができるなんて、なおさらありがたい!

松源さん、ありがとうー!

日本でこんなに松源と銀聯カードの話題で盛り上がっているのはきっと、私だけでしょう…😅

 

www.matugen.co.jp

 

松源以外にも、ドン・キホーテやコクミンドラッグなどではよく銀聯カードで買い物をしています。スーパーで使えたのは、私の生活圏内では松源が初めて。

 

話がそれますが、松源は7月1日以降もレジ袋の無料提供を続けていますよ。ライバル(?)のオークワは有料になりました。私はエコバックを持ち歩くようにしています。

 

www.wakayamashimpo.co.jp

 

以上、ごく一部の人(知って嬉しい人はいるのだろうか(笑))向けの超ローカル特ダネでした。

 

 

 

愛犬を連れてお買い物できる! ニトリ&ケーヨーデイツー

愛犬を連れて入店できるお店はとっても嬉しいし助かります。愛犬ぽーはお出かけが大好きなので、連れて行ける所にはできるだけ一緒に行きたいです。

私はかなり田舎の方に住んでいるのですが、近場で時々訪れるニトリと、ホームセンターのケーヨーデイツーは、犬を連れて店内でお買い物できます!

もちろん犬が苦手な人や嫌いな人もたくさんいるので、ルールやマナーを守り他人に迷惑をかけないことが大前提ですね。

※店舗によって状況が異なる可能性があるので、各自ご確認ください。

 

ニトリ

 

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補助犬はもちろんOK。補助犬以外のペットは、「キャリーBOXに入れての同伴可」となっています!私たちはスリングに入れており、それも大丈夫でした。

公式サイト↓にもある通り、リードでの入店・ショッピングカートに乗せる・抱きかかえての入店はNGです。

www.nitori.co.jp

 

ケーヨーデイツー

 

ホームセンターのケーヨーデイツー、私が訪れたことのある店舗はとても広いです。 

こちらには普通の買い物客が使うショッピングカートとは別に、ペットを乗せるための「ペット専用カート」があります🐶さらに、トイレシートも無料で使えてありがたいです。

トイレシートはもちろん使い捨てで、お店を出る時に専用の場所に捨てますよ。

いつも、ペット専用カートにトイレシートを敷き、その上にぽーを乗せています。

 

ある日のぽー君。

 

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何、その真顔風(笑)。

 

またある日のぽー君。

 

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↑カートの揺れに最初は落ち着かず、ソワソワしていましたが…。

 

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↑慣れたようで、座って笑っています(笑)。

 

これらの場所に限ったことではありませんが、ホームセンターなどは小さなお子様連れも多いので、子どもが「ワンワンだー!」といきなり触ろうとしてくることも珍しくないです。犬もびっくりしてしまうし、万が一噛んでしまったりというようなことがあってはいけないので、その辺は目を光らせて気を付けています。

 

f:id:minghuabj:20190728213416j:image↑ある日、ケーヨーデイツーの外で笑う犬

 

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犬に優しいお店や施設は、個人的に贔屓したくなっちゃいます🐶犬と行ける場所、もっと増えるといいな。

 

 

 

【奈良】日本庭園が素敵な、高野山真言宗のお寺。山の中にひっそりとたたずむ大澤寺(五條市)

奈良の五條市にある、大澤寺(だいたくじ)というお寺を訪問しました。(訪問:2019年10月)

私は訪れるまで全然聞いたことがなかったのですが、高野山真言宗のお寺です。公式HPによると、約1300年前の白鳳時代に創建されました。眼病平癒に効くといういわれから”目の薬師”として、また紅葉の名所として地元で親しまれているのですって。

目の薬師、紅葉の寺 瀬之堂大澤寺

行ってみたら、人里離れた山の中にひっそりとたたずむ、広く美しい日本庭園が素敵な場所でした。

 

私たちは車で行きました。途中道幅が結構狭い所もありました🚙ちなみに、周辺には何もないです。 

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↑駐車場の近くには、こんな可愛らしいお二方が。開運招福と商売繁盛の狸さん。

 

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↑歴史を感じる門構えです。

 

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↑「後村上天皇行在所」とあります。へえ、こんな人里離れた所に👀

 

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弘法大師空海も巡錫しに訪れているそうです。

※巡錫…僧侶が各地を巡行して教導・遊化(ゆげ)すること。(「広辞苑」より)

 

愛犬ぽーも一緒でしたが、犬は中には入れませんでした。残念。

 

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↑綺麗に整備された、立派な日本庭園です。

 

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享保年間より伝わる御手洗鉢。

 

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↑広くて、散歩にも良い場所です。

 

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↑水がたっぷりとたたえられている「青竜の池」には、朱塗りの小さな橋がかかっています。

 

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↑琵琶ノ池は「眼洗い池」とも言われ、眼病平癒に効くと伝えられているそうです。

 

なかなか風情があり、日本情緒をたっぷり感じることのできるお寺でした。

公式HPの紅葉の写真がとても見事で、紅葉の季節はもっときれいで見応えがあるだろうなと思います。

私たちが訪れた日は他に参観者はいませんでした。アクセスが不便なので気軽には行きにくいですが、公式HPによると写経体験もできるそうですよ。

 

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↑その日の夜のぽー君。おやすみワン~🐶☽

 

 

大澤寺

住所:奈良県五條市大沢町581

daitakuji.com