元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

飼い犬を北京から日本に連れて帰る手続き振り返り。無事に海を渡れました!

先月、北京生活にピリオドを打ち、日本に本帰国した私。

このブログでは何度か登場している、愛犬ぽーももちろん一緒に連れて帰りました。

 

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↑日本で毎日元気だワン!🐶

 

ぽーは日本から連れて来たのではなく、北京で人から譲っていただくというご縁があり、飼い始めた子です🐶もう可愛すぎて仕方ないです。溺愛しています(笑)。

かけがえのない家族なので、北京に置いていくなんてことは考えられませんでした。

しかし、犬を日本に連れて帰るということは、時間もお金もかかる煩雑な手続きを経る必要があります。

正直、自分の帰国より、犬が無事に日本に降り立てるかということの方が心配で心配で(^-^; それでも、ぽーと日本での暮らしを始めるためなので、時間もお金もかかりましたが苦にはなりませんでした。 

無事、一緒に日本の空港に降り立てた時は、感無量でした(笑)。

 

この、犬を北京から日本に連れて帰るという一連の手続きについては、体験談が少なくて情報収集にも苦戦しました。

北京に限らず、中国や他の狂犬病のある国からの帰国手続きも、ほぼ同じだと思いますので、

今後どなたかのお役に立てることを願いつつ、私が行った手続きを振り返りまとめておきます。 

 

狂犬病のある国とない国では、手続きが異なります。中国は狂犬病がある国で、動物検疫所の言う「指定地域以外」に相当します。

www.maff.go.jp

ちなみに、指定地域とは、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムのわずか6地域のみです。

 

私が行った一連の手続きは下記のとおり。

  1. マイクロチップ装着、狂犬病予防注射(1回目)
  2. 狂犬病予防注射(2回目)、採血
  3. 2で採取した血清の抗体検査
  4. 180日間の待機
  5. 出国前手続き、健康診断
  6. 帰国

在中国日本大使館のホームページでも一通り説明されています。が、この文字だけでは正直分かりにくいので、私がそれぞれのステップで行ったことを実体験から紹介していきますね。

www.cn.emb-japan.go.jp

 

なお、注射証明書などの病院で受け取る書類は帰国まで必要になりますので、なくさないように大事に保管を!

 

1、マイクロチップ装着、狂犬病予防注射(1回目)

まずは、マイクロチップ装着からスタートです。

マイクロチップにもさまざまな種類があり、ISO規格に適合しているものを埋め込まないといけません。

それができる病院は、政府で指定されています。

北京の場合は、北三環路にある「北京鑑賞動物病院」です。

 

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↑こちらです。土日も診察してくれるので、平日働いていた私にもありがたかったです。

初診時だけ念のため事前に電話で予約をしましたが、予約なしでも大丈夫です。午前中であれば比較的空いていてスムーズでした。

 

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↑まず、受付で番号を取ります。中国語で「挂号」、受付の手続きをすることですね。

 

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↑この挂号に11元必要です。渡されたピンクの紙は、動物を診察台に乗せる時に台に敷く用の紙でした。

 

マイクロチップ自体はとても小さいもので、普通の注射とあまり変わりません。首の後ろに、一瞬で埋め込まれました。

マイクロチップ装着後、2回狂犬病予防接種をします。1回目の接種は、マイクロチップと同日に、その場でできます。

2回目の接種は1回目から30日以上間隔をあけて、かつ1年以内に行う必要があります。

 

まずは1日目終了。ここから長い手続きがやっと始まりました。ちなみに、1日目にかかった病院代は500元ちょいでした。

 

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マイクロチップ狂犬病注射、2本も注射をしてぐったり疲れてしまったその日のぽー。この子はビビりで注射嫌いで、泣きそうに嫌がっていました。怖かったのか、病院から帰る時は私にぴったりくっついて甘えて寝てしまいました。

 

2、狂犬病予防注射(2回目)、採血

1の1回目の狂犬病予防注射から30日経過し、2回目の病院へ。

この日に2回目の狂犬病予防注射と、採血を行います。同日にできます。

採取した血液は、日本の政府が指定する機関へ血清を送り、3の抗体検査を受ける必要があります。

 

3、2で採取した血清の抗体検査

血清の抗体検査では、狂犬病に対する抗体値の測定を行います。

これが面倒で、農林水産省が指定する施設で行う必要があるのですが、中国にはその指定施設がありません。日本やアメリカ、ヨーロッパなどにあります。

中国でこの検査ができないため、日本の指定施設に血清を送り検査を受けることになります。神奈川県相模原市にある、生物科学安全研究所という施設です。

www.maff.go.jp

 

これに関する書類作成や血清送付などの手続き自体は、北京鑑賞動物病院が代行してくれます。(もちろん費用はかかりますが)

そして、病院代とは別に、生物科学安全研究所にも検査費用を振り込みで支払わなければなりません。この支払は病院を通してではなく、自分で行います。

北京からでもオンラインバンキングができれば簡単ですが、私はできなくて、日本にいる彼氏に頼んで私の名義で振り込んでもらいました。

2回目の病院代は、注射と血清送付手続き含めて3,500元程度。生物科学安全研究所に振り込んだのは日本円で13,000円でした。

 

抗体値が基準を満たしているかどうかの検査結果は、採血日から3~4週間程度で、北京の自宅までEMSで送られてきました。

このEMSを開ける時は祈るような気持ちでした。もし基準に満たなかったら、再検査が必要になってしまうので。

結果を見て、「基準値を満たしているので問題ありません」との文面を見た時はほっとしました。

 

4、180日間の待機

2の採血日から数えて180日間(検査結果が出た日からではないです)、中国で待機します。この180日というのが、犬を日本に連れて帰るのに時間がかかる最大の理由です…。

もうこの期間は、ただひたすら待つしかありません。

180日の待機もカウントダウンが見えてきたら、具体的な帰国の準備です。

飛行機に乗せられるケージも早めに揃えておくといいですね。 

minghuabj.hatenablog.com

 

5、出国前手続き、健康診断

180日待機も終わりが見え、具体的な帰国時期を考え出す頃。

帰国にあたり、書類準備などこれまた面倒な手続きが必要になります。

個人でも頑張ればできるようなのですが、プロに任せた方が安心なので、私は手続きを代行してくれる業者さんへお願いしました。

ペットの輸送実績が豊富で評判のいい、日系の引越し業者・トランジットアジアさんに依頼しました。日本人の方が対応してくださり、非常にスムーズに進めることができました。

 

帰国予定時期の1カ月半~2カ月くらい前に、トランジットアジアさんに連絡し手続きを申し込み。

トランジットアジアさんでは、

・日本の動物検疫所への届け出、書類作成など出入国に関する一連の手続き

・帰国前健康診断の立ち会い

に対応していただきました。帰国までのスケジュールや帰国時の案内も丁寧に説明いただいたので、飛行機の予約以外はお任せで大丈夫でした。

 

日本の動物検疫所の届け出は、動物が日本に到着する日、つまり帰国日の40日前までに行う必要があります。

なので、その40日を見越して、帰国予定時期が決まれば早めにこの手続きを開始するのが良いですね。具体的な帰国日が決まっていなくても、手続き開始後に帰国日の変更は可能とのことでした。私の場合は先にトランジットアジアさんに手続きを始めてもらい、飛行機の予約を入れました。

 

・飛行機の予約について

これは自分で行います。トランジットアジアさんに相談したところ、ペットの対応はやはり日系航空会社が安心でおすすめとのことでした。中国系航空会社は対応が良くなかったり、面倒な手続きをはさんだりするそうです。

航空会社でペットを乗せる条件が異なり、私はANAを選びました。

www.ana.co.jp

 

ANAの場合、ペットは受託荷物扱いになります。ペット枠は一便につき3枠と決まっているため、ペット枠の空きを問い合わせて確認してから予約を入れました。人間(私)の航空券はネットで予約し、同便のペット枠の予約は、ANAに電話で連絡をしました。その際に、ケージの大きさや重さも伝える必要がありました。

なお、ウチの犬はトイプー×ビションフリーゼMIXなので大丈夫でしたが、ブルドッグやパグなどの「短頭犬種」は、夏季期間飛行機に乗せることができなくなっています。航空会社によっては季節に限らず預かれない、という所もあります。

海外で犬を飼って日本に連れて帰る場合、飛行機に乗せられない可能性も考えておく必要があるということですね…。

そして、犬が入国できる日本の玄関口は限られています。私は北京発関空着でした。

関空の他、成田や羽田、新千歳、中部、福岡など。港も数カ所です。

 

・出国前の健康診断

出国日の10日前くらいに、北京鑑賞動物病院で出国前最後の健康診断を行います。簡単な診察と採血を行いました。

ここではトランジットアジアさんが立ち会ってくれました。病院代は自分で支払います。約1,000元+出国手続き関連の何かで現金200元、でした。

健康診断の結果は、数日後にトランジットアジアさんから連絡が入ります。ここまでくれば、いよいよ帰国日を迎えるのみです。

 

6、帰国

当日はケージに犬を入れ、時間に余裕をもって空港のチェックインカウンターへ。

ペットを預けるために、超過手荷物費用を250ドル(ANAの場合)、当日のレートの人民元で支払います。

ここでぽーは、ネットに包まれます。いよいよです。

 

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↑ぽーさん、捕獲される😲

 

そして、超過荷物を預けるカウンターに行き、ぽーを預けます。ここでいったん私とは別々に。次に会うのは日本、関空に着いた時です。

連れていかれるぽーを見送ったときは、心配と「もうすぐだ!」というワクワクとが入り混じった気持ちでした。

ぽーはビビりで甘えん坊の寂しがり。初めての飛行機でパニックにならないか、心配で心配で。ANAだしきっと大丈夫だとは思いながらも、ニュースで聞いたことのある、飛行機でペットが亡くなってしまったという事故を思い出し、完全に安心はできませんでした。

でも後は、信じて飛行機に乗るしかありません。

 

関空に着き、人間(私)の荷物を待っていたら、

ケージに入ったぽーと、同便のワンちゃん猫ちゃんが職員さんに運ばれてすぐに出てきました。

再会したぽーは意外にも平気そうで元気な様子でした。胸をなでおろすというのはこういう気持ちを言うのだな、と実感しました(笑)。

 

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↑私と再会して水を飲むぽー🐶


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↑再会直後。こちらの心配をよそに、ケロッとしていました(笑)。

 

ぽーと再会したら、空港内にある動物検疫カウンターへ向かい、審査を受けます。書類の確認とマイクロチップ読み取りで30分くらい。拘留はなく、無事に一緒に帰宅できました。

 

帰国手続きにかかったトータルの期間、約7カ月。

かかったトータルの費用、約1万元。諸経費含めたらそれ以上か。

それでも、大切なぽーとこれからも日本で一緒に暮らせること。それに勝る幸せはありません。期間も費用も、大した問題ではないんです。

何度も病院に連れて行かれ嫌いな注射を打たれ、得体の知れない飛行機に私と別々に乗せられ、日本という今まで行ったことのない場所に引越しさせられて。ぽーの小さな体と心に、人間側の都合で大きなストレスを与えてしまったと思います。本当にごめんね、そして頑張ってくれてありがとう。

日本に来て良かったとぽーにも思ってもらえるように、この子の一生に責任を持って、ベタベタ仲良く(笑)元気に過ごしていきます。

 

これからペットの帰国手続きをされる方もいらっしゃるかと思います。煩雑な手続きを前にして心配になるかもしれませんが、飼い主初心者の私ができたくらいなので、ペットを愛する気持ちがあれば必ず乗り越えられると信じています。

ブログでうまく説明できていない部分もあるかもしれないので、何か聞きたいことがありましたら、お気軽にコメントでもメールでもインスタグラムからでも、ご連絡ください。応援しています!

 

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↑ヒョウちゃんも一緒に来たよ🐶🐆😂