熱血刑事VS巨大財閥!痛快アクションの韓国映画『ベテラン』
映画鑑賞記録。韓国映画『ベテラン』をAmazonプライムで観ました。警察VS悪徳財閥の闘いを描く、痛快アクションです。
やりすぎでしょ~と思う部分もあるものの、まあそういう演出と割り切って(笑)。社会問題をうまくエンターテインメントに昇華させた、スカッとする映画でした。
『ベテラン』(2015年韓国)
原題:베테랑
監督:リュ・スンワン
出演:ファン・ジョンミン、ユ・アインほか
Amazon.co.jp: ベテラン(字幕版)を観る | Prime Video
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ソウル警視庁のベテラン刑事ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)は、気性は荒いが部下に慕われる熱血漢。友人のトラック運転手が賃金不払いに遭い、本社に抗議しに行ったところ、意識不明の重体に陥る。それを知ったドチョルは、その会社である巨大財閥とその御曹司チョ・テオ(ユ・アイン)に疑惑の目を向け、捜査に乗り出す。
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飽きさせない展開でスカッと観られて、面白かったです。
アクションは結構、遠慮なしにガンガン攻めてくるので、痛そう~うう~なんて思ってしまうシーンもありましたが。暴力シーンや流血シーンは苦手なので😅
それにしても、韓国の巨大企業の横暴っぷりは、想像のはるか上をいきますね~。もちろん、現実は分からないし全部がそうではないだろうし、映画だから創作部分もたくさんあるでしょうけれど、この映画の巨悪企業・シンジン財閥にもモデルになった実際の事件があるわけで。
主人公のソ・ドチョル刑事の友人であるトラック運転手が、賃金未払いのため会社に待遇改善を訴えますが、会社は「本社と交渉しろ」と冷たくあしらいます。そして本社、シンジン財閥に直接抗議に訪れた運転手は、御曹司のチョ・テオと面会します。テオは話を聞く気などさらさらなく、運転手に暴行を加えました。
これは、SKグループ創業者の甥が系列企業の運転手に金属バットで暴行を加えた、という、実際に起こった事件を元にしているそうです。
その他にも、日本でもニュースになった大韓航空の”ナッツ姫”など、韓国の巨大財閥の横暴さや傲慢さゆえのスキャンダルは、たびたび聞こえてきます。そんな、理不尽な振る舞いをする巨大な権力への批判や、経済格差といった社会問題もしっかり提起されており、それがうまくアクションエンターテインメント作品として仕上がっているな、と感じました。
こういう点、先日観たドラマ『シグナル』もそうでした。(シグナル面白かったなぁ…ロス気味です(´Д`))
『シグナル』では警察内部の人間関係が悪すぎて、観ているこっちもキーッ!となる場面が多かったですが(笑)、『ベテラン』はチームワーク抜群(かな?)だし上司もいい人だし(そして笑わせてくる)、『シグナル』を観た後だから余計安心できました(笑)。
ベテランの熱血刑事、ソ・ドチョル役のファン・ジョンミンさんは、飄々とした感じがこなれていて、楽しそうに演じてらっしゃるなぁーと思いながら観ていました。ドチョルの性格は、頭より先に体が動くタイプで危なっかしいけれど、観ていてこんなに安定感を感じるのはすごい。
そして、なんといっても財閥の御曹司テオ役を演じたユ・アインが強烈でした。他人を完全に下に見て、自分は選ばれた人間だから何をしても構わないとばかりに、やりたい放題。女性に対する横暴な行いは、演技とは分かっていても嫌悪感が拭えないくらいでした。主人公の刑事を完全に食ってるんじゃないか、というくらいの存在感です。
ユ・アインさん、以前観た映画『ハッピーログイン』とは全然別人でした。個性的で印象に残る、演技派の役者さんですね。
最近はどちらかというとドラマばかり観ていて、映画を観る頻度が落ちていますが、やっぱり韓国映画も面白い!
韓国語の勉強もしながら、お気に入りを見つけていこうと思います。