元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

家を買うために、犬を盗む!?ハートフルなコメディ映画『犬どろぼう完全計画』

韓国映画『犬どろぼう完全計画』をAmazonプライムで観ました。なんとなく観てみたけれど、観た後はタイトルからは想像できないくらいのハッピーな余韻が残る、良い映画でした。

小学生の女の子が主人公で、彼女の目線でストーリーが展開します。子どもならではの視点が時に鋭く長けているかと思えば、時に抜けていて、とても可愛らしいのです。かといってこれは決して子ども向けのキッズ映画や、犬をメインにした犬の映画というわけではなくて、一つのコメディタッチなヒューマンドラマの映画に仕上がっているところがとても新鮮でした。子どもよりも大人が観た方が、忘れていた気持ちに気付かされるような、心に響くものがあります。オススメ🎬🐶

 

※画像をクリックするとAmazonページに飛びます

『犬どろぼう完全計画』(2014年韓)

原題:개를 훔치는 완벽한 방법

監督:キム・ソンホ

出演:イ・レ、キム・ヘジャ、カン・ヘジョンほか

Amazon.co.jp: 犬どろぼう完全計画を観る | Prime Video

www.finefilms.co.jp

***** 

小学生のジソ(イ・レ)は、母親のジョンヒョン(カン・ヘジョン)と弟と、車中生活をしている。父親が経営していたピザ屋が事業に失敗し、父は行方不明になってしまい、残されたジソたちは家を追い出されてしまったのだ。母のジョンヒョンがアルバイトで稼ぎなんとか食いつないでいるが、家がなく、ジソは自分の誕生日会も開くことができない。

素敵な家に住んで誕生日会を開くことを夢見るジソ。そんなある日、たまたま迷い犬探しのチラシを見かけ、そこには「謝礼金500万ウォン」と書いてあった。さらにジソの目に飛び込んできたのは、不動産屋の「坪当たり500万ウォン」の家の広告。500万ウォンが手に入れば夢の家が買えると思いこんだジソは、犬を探そうとするが、すでに犬は見つかっていた。それならば同じことをしようと、わざと犬を盗んで謝礼金をもらう計画を立てる。ターゲットに決めた犬は、母親のアルバイト先のレストランの会長(キム・ヘジャ)が溺愛するウォーリーだった。ジソの犬どろぼう計画は、果たしてうまくいくのだろうか…?

***** 

 

とにかく子どもたちが可愛らしいんです。私は特に子ども好きなわけではないのですが、この子たちは可愛い。

主人公ジソと、まだ幼い弟、そしてジソの友達のチェランが、あの手この手を考えて計画を練り、犬を盗む計画を立てます。

いつもなら、犬を盗むなんてけしからーん!と、怒り心頭になりそうな私ですが、この映画は全然そんな怒りを感じる必要がありませんでした(笑)。この子どもたちがこの一連のできごとを通して、どれだけの心の成長をしたのかというところにジーンときたから。

ジソは小学生で、大きな誕生日会を自宅で開くのが夢。なのに家がないことがコンプレックスで誰にも言えずにいました。母親は子どもっぽい性格で、どこか頼りない。父親が出て行ったのも、母親のせいだと思っているジソは、母親にも八つ当たりをしてしまいます。(もちろん小学生には、親の働く苦労なんて分からないからね…私も子どもの頃はそうだったし😅)

そんなジソの頼りになる友達チェラン、そして全く頼りにならなさそうな幼い弟が、いろいろと良い働きをします(笑)。大人の私も、なんだか見ていてワクワクしたくらいです。そもそも、「坪当たり500万ウォン」の“坪当たり”の意味を勘違いして計画を始めるなんて、子ども目線がとてもいじらしくて可愛い。

 

ジソの父親は家族を置いて蒸発してしまって、いくら家族を心では思っていたとしてもその行動は許しがたい。そんな父親を、「パパに会いたい」とずっと待っているジソ。

しかしジソたちの周りの大人たちがまた、優しくて素敵でした。ホームレスで指が三本しかないおじさん(チェ・ミンス)の笑顔が最高です。そして、ウォーリーの飼い主である裕福なマダム(キム・ヘジャ)も。怪しい(?)ピザ屋のお兄さん役で、FTISLANDのボーカル イ・ホンギも出演しています。

 

もちろん、犬のウォーリーもとっても可愛くてニヤニヤしちゃいました。犬種はジャックラッセルテリア🐶

 

凝ったキュートな演出も見どころ。「500万ウォンの家」が頭から離れないジソの、頭が「500」という数字でいっぱいになってしまうシーンや、ジソとチェランが理科の授業中に周りに気付かれないよう計画を立てるシーンが、とても好きです。

 

これまでよく観ていた韓国映画の印象とは良い意味で全然違って、観て良かったなぁと思える映画でした。

 

 

 

 

前作からさらにパワーアップ。動物たちのいきいきした仕草や表情が可愛い♡『ペット2』

昨年日本公開された、ユニバーサル・ピクチャーズのアニメーション映画、『ペット2』をAmazonプライムで観ました。

前作以上に面白くて、好きなストーリーでした!自分も犬を飼っているので、「そうそう、こういう動きする!」という、犬あるあるにうなずきまくり、ニヤニヤしまくり🐶大人でも十分楽しめました。 

 

※画像をクリックするとAmazonページに飛びます

『ペット2』(2019年米)

原題:The Secret Life of Pets 2

監督:クリス・ルノー

声の出演:ケヴィン・ハート、レイク・ベル、ハリソン・フォードほか

Amazon.co.jp: ペット2 (字幕版)を観る | Prime Video

 

私は字幕で観ました。今作はなんと、あの大スターハリソン・フォードがルースターという犬の役で声優として出演しています!そして日本語吹替は前作から、マックスにバナナマンの設楽さん、デュークに日村さんが続投。

 

*****

ニューヨークのアパートで、大好きな飼い主ケイティと暮らす犬のマックスとデューク。ケイティは結婚し、息子のリアムが生まれる。子どもが苦手だったマックスだが、ある時からリアムが大好きになり、溺愛するあまり目が離せないリアムのことが心配でたまらなくなってしまう。マックスとデュークは、ケイティとケイティの夫チャック、リアムと一緒に、チャックの叔父の農場へ家族旅行へ。そこで、ルースターという牧羊犬と出会う。

一方、マックスのことが好きなポメラニアンの女の子ギジェットは、マックスの留守中マックスのおもちゃのボールを預かる。しかし、遊んでいる途中うっかり、ボールを猫だらけの部屋に落としてしまう。

ウサギのスノーボールは、飼い主の影響で、スーパーヒーローを演じるのが趣味になっていた。ある日、シーズーのデイジーから相談を受け、困った者を助けるために動き出す。

*****

 

毎日犬と暮らしている身としては、やっぱりマックスやデュークらワンコの仕草がどれもこれも可愛くてたまらないです。「あるある!」と何度うなずいたことか( ´艸`)

マックスが、リアムのことが心配なあまり、ストレスで首をかくのが癖になってしまって。動物病院に連れて行かれ、エリザベスカラーをつける羽目になったシーンでは笑いました。いや、笑うべきではないんですけれど😅我が家の愛犬ぽーも、子犬の頃皮膚を舐めすぎてエリザベスカラーを付けたことがあったので。慣れないカラーを付けて、視界が狭くなり、普段ぶつからない所にコツーンコツーンとぶつかるところも同じ。ワンちゃんの仕草ってどこも似てるなぁ~と🐶

 

そして、新キャラの犬ルースター。彼は威厳があってとてもカッコいい犬です。ハリソン・フォードの声も渋くてよく合っていました。普段NYという大都会に暮らす、シティボーイ(笑)のマックスとデュークとは正反対で、農場で羊や牛、豚、鶏らをまとめるリーダーを務める、風格ある大人のルースター。ルースターとの出会いを通じてマックスが変わっていく様子がとても微笑ましいです。

 

前作では悪役だった、ウサギのスノーボールくんがとってもいい味出しています。スーパーヒーローになりきって、ハチャメチャな大活躍🐰スノーボールくんと一緒に活躍する、新キャラクターのシーズー・デイジーも可愛いです。それにしても、悪徳サーカス団…セルゲイ…(笑)。

そして、マックスに恋する女の子ギジェットは、今回も強い!ツンデレ猫クロエとの掛け合いが面白かったです。

 

最後はまた不覚にも、うるうるきてしまいましたよ…😅

そして、エンドロールにも癒されますのでお見逃しなく!

 

ペットを飼っている人もいない人もハッピーになれる映画だと思います。ペットと幼い子どもがいる人にとっては余計に共感できるのではないでしょうか。

🐶🐱🐰🐯🐑🐮🐷🐕🐈🐇🐅🐄🐖🐦🐺🐒

前作『ペット』はこちら↓。 

minghuabj.hatenablog.com

 

 

 

 

モフモフ可愛い、紳士なクマに会いたくなる。大人もほっこりできる映画『パディントン』

映画『パディントン』をAmazonプライムで観ました。英国人作家マイケル・ボンドによるベストセラー「くまのパディントン」をもとに映画化した、とってもキュートで笑顔になれる映画です🐻

とっても英国紳士なモフモフのクマ、”パディントン”が主役。子どもだけではなくて、大人もほっこり楽しめる作品でした。

 

 

パディントン(2014年英)

原題:Paddington

監督:ポール・キング

出演:ベン・ウィショー(声)、ヒュー・ボネヴィル、サロー・ホーキンス、ニコール・キッドマンほか

Amazon.co.jp: パディントン(字幕版)を観る | Prime Video

 

↑こちらは原作の日本語訳。読んだことないけれど、いつか手に取ってみたいな。

 

***** 

ペルーからロンドンへと、はるばる家を探しにやってきたクマ。たどり着いたパディントン駅で、誰からも相手にされず途方に暮れていたところ、親切なメアリー・ブラウン(サリー・ホーキンス)という女性に声を掛けられる。クマはその駅名から「パディントン」と名付けられ、家が見つかるまで、ブラウン家に居候することになった。しかし、人間の家で暮らすのが初めてのパディントンは、家の中でも案の定野生の本能でドタバタを引き起こし、メアリーの夫ヘンリー(ヒュー・ボネヴィル)から疎まれてしまう。

それでも、だんだんとブラウン一家と打ち解けて、街の人気者になったパディントン。だが、パディントンは謎の美女ミリセント(ニコール・キッドマン)に狙われていた…!

*****

 

展開は読めてしまう無難な筋書きなものの、期待を裏切らない安心感があり、適度なジェットコースター感もあり、大人でもかなり楽しんで観てしまいました。観て幸せな気持ちになれる映画っていいよね、うんうん。

とにかく、モフモフしたパディントンがとても可愛いのです。ぽてぽてした動きも。それでいて、ベン・ウィショーの声とのギャップもまたよろし。ペルーにいた頃から英国紳士の振る舞いを身につけているパディントン、いろいろやらかすけれど素直で憎めないんですよね。パディントンに癒されました。

そして、パディントンが来たことをきっかけに、ちょっとぎくしゃくしていたブラウン一家の関係も変わっていきます。

 

ブラウン一家の父、ヘンリーを演じるのはヒュー・ボネヴィル。好きな英国ドラマの一つ、『ダウントン・アビー』の伯爵だー!

そして、ニコール・キッドマンがこのような映画に出ているのがとっても意外でした。しかも悪役で。元夫トム・クルーズの出演作『ミッション:インポッシブル』のパロディもなにげに入れてくるし、楽しんで演じているんだなぁというのが伝わってきました。

 

映画に映るロンドンの街並みが素敵でした。そして、舞台となったパディントン駅の構内には、「くまのパディントン」の銅像があるんですって!見たい見たい🐻

パディントン駅 - Wikipedia

 

難しいことは考えずに、ほっこり癒されたい時におすすめできる映画です。2017年に続編『パディントン2』も公開され、こちらも現在Amazonプライムで観られますね↓。早く観なくては。

 

 

 

 

大きく変わりゆく中国の運送業界を描いた、中国の現代ドラマ『在遠方』

中国ドラマ『在遠方』をYouTubeで観終えました。2019年放送の現代ドラマです。

私の好きな中国女優さんの一人、馬伊琍(マー・イーリー)主演のドラマ最新作ということで楽しみに観てみました。

運送業に生きる男の紆余曲折を、長い時間の流れで描いたストーリーです。全54話、長かった…。削れるだろう、と思ってしまうシーンもたくさんあって、冗長に感じたことは事実。それでも、中国の急速な経済発展と密接に関係しながら、山あり谷ありで成長していくさまは、なかなか面白かったかも。

 

『在遠方』(2018年中国)

出演:劉燁(リウ・イエ)、馬伊琍(マー・イーリー)、梅婷(メイ・ティン)、保剣鋒(バオ・ジエンフォン)ほか

baike.baidu.com

絶対日本には来ないドラマだよなぁ、と思っていたら、なんとスカパーで放送ですって。

鳳凰劇場(ドラマ) Phoenix Drama 在遠方 | プレミアムサービス | 番組を探す | 衛星放送のスカパー!

 

孤児院で育った姚遠(ヤオ・ユエン、劉燁)は、養父や仲間らと配達員の仕事をしていた。彼は郵政の調査責任者である路中祥の一人娘で、心理学を専攻する路暁欧(ルー・シャオオウ、馬伊琍)と知り合う。二人は惹かれ合い付き合うようになるが、姚遠は突然、何も言わずに暁欧のもとを去ってしまう。

その後、再会と別れを繰り返す二人。2003年のSARS、2008年の四川大地震北京五輪など、中国が大きく揺れ動く時代背景の中、姚遠たちの運送業も二人の関係も、形を変えながら大きく変わっていく。

 

姚遠が運送業に携わる仕事人として、配達員、起業、大企業へと成長していく話。そして姚遠と暁欧の恋愛関係、この二つが主にドラマの軸となっています。

しかし、姚遠と暁欧の恋愛はねぇ…。見ていてイライラしてくる時も多々ありました(笑)。二人の付き合いは何年にも渡って続くのですが、なかなかはっきりしないし、なんだか腐れ縁の旧友みたいに思えてきたりも。

それよりも、現代中国経済の発展を、運送業そしてECを中心にしながら大きな時間の流れで追えたのは、観て良かったと思った点です。

特に、新型コロナウイルス感染症で世界中が影響を受けている今、SARSの時の描写は興味深く観ました。感染し入院した人を見舞うこともできない。生きて退院できるかも分からない切迫した状況が、まさに今同じように起こっているのですから。

 

姚遠は賢くはないが実直で、思ったとおりにとことん突き進むタイプ。不器用だが皆を引っ張るリーダーシップに長けています。同時に周りが見えなくなってつまずいたり、失敗したりすることもあって、必ずしも”敏腕経営者”としては描かれていないのもポイントかな。

姚遠を演じる劉燁、名前は知っていましたが出演作を初めて観ました。男気溢れるタイプで、特に声がカッコいいと思います。

ただ、ドラマの中ではどうも、衣装や髪形がひたすらダサい(笑)。まあ、わざとな演出かもしれませんが。ドラマではカッコよさが発揮されていないので、YouTubeで彼の出演したトークショーなどを見てみたら、普通にカッコいいじゃないですか(笑)。ちなみに奥様はフランス人。

baike.baidu.com

 

馬伊琍はさすがの安定感。しかし、序盤のシーン、さすがに学生を演じるのは厳しかったですね^^; ポニーテールも似合っていなかったし。後半の方が良かったです。

私はわりと、暁欧の親友かつライバルの霍梅(フオ・メイ)が好きでした。演じるのは曾黎という女優さん。アジアンビューティーだなぁ。綺麗な人です。

baike.baidu.com

 

男性キャラでは、姚遠と同じ孤児院で育った姚遠の弟分、高暢(ガオ・チャン)がお気に入りでした。年上の霍梅に一途に思いを寄せていて、霍梅も高暢の気持ちに気付いているのに相手にはされなくて。私は主演二人の恋愛よりこっちの成り行きの方が気になっていましたよ。演じるのは鄭奇(ジェン・チー)という俳優さん。なかなかカッコいいです。

baike.baidu.com

 

冗長な部分もあるし、個人的には「面白いよ、おすすめ!」というところまでは行きませんでしたが、現代中国の発展をおさらいしているような流れも垣間見えて興味深かったです。

何より、このドラマでもたっぷりと中国語の勉強ができたことが嬉しいです♪

 

 

 

あの悲劇に至るまでの裏側に迫る ドラマ『倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道』

Amazonプライムでドラマ『倒壊する巨塔ーアルカイダと「9.11」への道』を観ました。

2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件を題材に、アメリカ政府の裏側に切り込んだ社会派ドラマです。フィクションではありますが事実を基にした内容で、非常にリアリティをもって描かれており、見応えがありました。9.11の裏側についてはいろいろと文献を参照したこともあり目新しい話ではなかったものの、やはり何度見ても、やるせなさとショックを感じざるを得ません。

 

『倒壊する巨塔ーアルカイダと「9.11」への道』(2018年米)

原題:The Looming Tower

出演:ジェフ・ダニエルズ、タハール・ラヒム、ピーター・サースガードほか 

現在、Amazonプライムで全話見放題配信中。全10話、シーズン続編はありません。

 

↓画像をクリックするとAmazonページに飛びます。 

↑ジョン・オニール(ジェフ・ダニエルズ)。

 

物語の始まりは1998年。ケニアタンザニアアメリカ大使館で、アルカイダによる爆撃事件が発生した。

FBIに新人の若い捜査官アリ・スーファン(タハール・ラヒム)が、対テロ部門I-49に赴任してくる。スーファンはレバノン出身のアメリカ人で、アラビア語に精通し、部門長のジョン・オニール(ジェフ・ダニエルズ)の信頼を勝ち取って捜査にあたった。オニールやスーファンらはアメリカがテロの危険にさらされていることを察知していたが、CIAアレック支局長のシュミット(ピーター・サースガード)らは、FBIとの連携を拒み、共有すべき情報を隠し続ける。

無情にも時は刻一刻と経ち、ついに2001年9月11日、悲劇が…。

 

ピュリッツァー賞を受賞した同名小説が原作。こちらはまだ読んでいませんが、ぜひとも読んでみたいです。 

 

 

このドラマで触れられている主な事件は、

・1998年 アメリカ大使館爆破事件

アメリカ大使館爆破事件 (1998年) - Wikipedia

・ 2000年 米艦コール襲撃事件

米艦コール襲撃事件 - Wikipedia

・2001年 アメリカ同時多発テロ事件

アメリカ同時多発テロ事件 - Wikipedia

 

このドラマはあくまでも、事実を基に描かれた”フィクション”。しかし、フィクションとは言えど、かなりリアリティをもって描かれていると思います。とはいえ、どこまで真実なのかは分かりませんが。

しかし、当時の映像がたびたび使われていて、非常に現実味を持たせていました。2004年に行われた公聴会でライス国務長官やCIAテネット局長の証言、当時のブッシュ大統領の会見、テロリスト(実行犯)が映った空港の映像、そしてあのあまりにも衝撃的で痛ましすぎる、事件発生の映像…。

 

FBIもCIAも、アメリカを守るためという愛国心は変わらない。しかし、その手段や方針が違っていたために連携が取れず、相互不信に陥り、互いを不要なライバル心というフィルターにかけて見てしまっていた。その、連携が取れていなかったという極めてアメリカの内輪的(に見える)な要因が、皮肉にも9.11の悲劇につながってしまった。このドラマは、主にFBIとCIAの確執を浮き彫りにしながら話を進めています。

当時のFBIとCIAの確執については、『ニューヨーカー誌の世界』エピソード1でも取り上げられていたのを思い出します。 

minghuabj.hatenablog.com

 

現在このドラマを観ている私たちは、既に9.11に起こったことを知っています。だから、この事態がどんな悲劇を招いてしまうかが分かっている状態でドラマを観るので、ものすごくやりきれないし、特にCIAに対して、腹立たしさがこみ上げます。

特に、シュミットを慕うCIA局員ダイアンに対してものすっごく腹立ちますね。そして当時の政権の重要人物だった、ライスとラムズフェルドもひどいです。怒りを覚える。

 

FBIのジョン・オニールは、実在の人物です。オニールの人物像が実際どうだったのかはわかりませんが、ドラマでは、ベテランで有能な熱血漢の仕事男。しかしその性格ゆえに敵を作りやすく、また私生活でも複数の女性と不倫をし金銭面でもルーズな人でした。部下にはとても慕われていました。

ジョン・P・オニール - Wikipedia

オニールの部下であったFBI捜査官のスーファンが、結局は一番の良心だったのかな、と思います。

レバノン出身でイスラム教徒であり、アラビア語が堪能。自らがイスラム教徒であるからこそ、コーランさえも読んでいない、イスラム教の教えを勝手に解釈し多くの無実の人々を犠牲にしたテロリストが余計許せなかったのだろう、と。エピソード10の取り調べのシーンでは泣きそうになりました。

 

このようなジャンルの、”アメリカが敵に立ち向かう”類の作品って、どうしてもアメリカすごい!的な描かれで強調されがちで、シラケてしまう時も少なくないです。

しかし、このドラマは、アメリカの黒い闇、知られたくない部分にも切り込み、かつムスリムやテロリストの描写も、ドラマという限られた枠の中でできるだけ客観的に描かれているという印象を受けました。 

Amazonさん、このような作品を配信してくれてありがとう!関連記事や本をもっと読んでみたいです。

 

Amazon.co.jp: 倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道 シーズン1を観る | Prime Video

 

 

笑いが止まらない!大ヒットロングランコメディドラマ『ビッグバン★セオリー』(シーズン10までの感想)

アメリカの大人気ロングランコメディドラマ、『ビッグバン★セオリー』をシーズン10まで観ました。いやぁ、たくさん笑わせてもらいました!面白くて大好き!

2019年にシーズン12をもって終了してしまいました。Amazonプライムで現在シーズン9まで全話見放題。Huluではシーズン10まで配信中なので、Huluのお試し期間でシーズン10を観終えました。現在日本で、主要ビデオオンデマンドで観られるのはここまでかな。早く残りの11、12が観たいです♡

※2020/5/2追記 Amazonプライムにもシーズン10が追加されました!!画像をクリックすると視聴ページへ飛びます↓

 

アメリカのコメディドラマって、これまで『フレンズ』が一番好きだったのですが、私の中でこの『ビッグバン★セオリー』はそれ以上かもしれません。

このご時世、コメディを観て英語の勉強をしながらケラケラ笑って憂鬱を吹き飛ばしちゃえ!とりあえずは、私が観たシーズン10までの感想を書きます。

 

ビッグバン★セオリー全12シーズン(2007~2019年米)

原題:The Big Bang Theory

出演:ジョニー・ガレッキ、ジム・パーソンズ、ケイリー・クオコ、サイモン・ヘルバーグ、クナル・ネイヤーほか

邦題が『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』となっている場合もあります。

IQが高く頭脳明晰だが、オタクで風変わりな男性4人と、彼らを取り巻く女性たちが繰り広げるコメディ。観客の笑い声が入るシットコムで、1話20分程度なのでサクサク観られます。

本当に、毎話と言っていいほど笑いながら観ていました。下ネタも少なくはないですが、こういうコメディだし、ケラケラ笑い飛ばせるレベルです(笑)。

 

ロサンゼルス、パサデナカリフォルニア工科大学に勤める優秀な物理学者のレナード(ジョニー・ガレッキ)とシェルドン(ジム・パーソンズ)は、マンションの一室でルームシェアをして暮らしている。オタクで女性付き合いが苦手な彼らだったが、ある日向かいの部屋にキュートな女の子ペニー(ケイリー・クオコ)が引っ越してきた。レナードはペニーに一目惚れしてしまい…。

 

↓以下、画像をクリックするとAmazonページに飛びます。

↑左からハワード、ラージ、シェルドン、レナード、ペニー。

 

登場人物やドラマの解説は、大人気ロングランドラマなだけあってたくさん記事がありますので、検索してみてください(笑)。

私は、このウィキペディア↓を読むだけでも思い出し笑いしてきちゃいます。すごく詳しく書かれており、もちろんネタバレ含みます。

ja.wikipedia.org

このウィキペディアを読んでいて初めて、そういえばペニーの名字がずっと不明なことに気付きました。確かに、他のレギュラー陣は皆フルネームが分かっているのに、ペニーだけなんでなんで!?こんな謎があったなんて! 

 

レナード、シェルドン、ハワード、ラージのオタク4人組は皆頭はとても良いのに個性的な変わり者。それぞれにイライラすることは多々ありましたが(笑)、憎めないんですよね。

中でも一番頭のいいシェルドンの個性は際立っています。極度の潔癖症で人との触れ合いを嫌い、何でもスケジュール通りにしないと気が済まない、気難しいシェルドン。しかし、レナードたち、ペニーやエイミーとの出会いによって少しずつ少しずつ、変わっていきます。他人の感情に鈍感なシェルドンが、人の気持ちを理解しようと努力(?)するシーズン10のエピソードは良かったな。

 

レナード&シェルドンの部屋の向かいに引っ越してきた、いわゆる“普通”の女の子、ペニー。ネブラスカ州出身で、女優を目指してLAに来たペニーは、あまり賢くはないが明るく優しく、おしゃれやショッピングが大好きなイマドキの子です。シーズン10まで観てシーズン1を振り返ると、ペニーがやたら若くピチピチしている(笑)。オタクなレナードやシェルドンたちとは感覚がずれまくって衝突もあったけれど、彼らと唯一無二の絆を築いていくのです。そんな距離感がなんだか良いんですよね。

 

↑シーズン3から登場する、ハワードの彼女バーナデット(メリッサ・ローチ/右から2人目)とシェルドンの彼女エイミー(メイム・ビアリク/右端)。

私の一番のお気に入りキャラはバーナデットです。小柄でとっても可愛らしいメガネっ子、しかし怒ると怖い( ´艸`)そして、あのチャラチャラした勘違い男(笑)ハワードを変えた、素敵な女性です。

 

ゲスト出演者もなにげに豪華で、あのスティーブン・ホーキング博士やスティーブ・ウォズニアックイーロン・マスクら著名人が本人役で出てきたりもします。

また、レナードの母親役で、『グッド・ワイフ』『グッド・ファイト』クリスティーン・バランスキーが出演。息子に冷たい母親役がハマってました。

 

レナードたち4人は皆、大のSF、アメコミ、ゲームオタク。『スター・トレック』や『スター・ウォーズ』、『バットマン』などが大好き。私はアメコミ映画はあまり観ないのですが、この辺りをもっとかじっておけば、小ネタが分かってより楽しめたかもしれないなぁ、とも思います。

 

それにしても、『フレンズ』もそうでしたが、同じドラマを10年以上にわたってレギュラー陣は変わらずに撮り続けるのって、本当にすごいことですよね。いつかは終わるものだけれど、シーズン12で終わってしまって寂しいです。

シーズン12の最終話の放送を終えてからアップされたショットが素敵。 まだ観ていないのに、ジーンと来てしまいます(笑)。

www.instagram.com

 

気軽に観られてたくさん笑えて、元気になれるドラマです。早くAmazonプライムで全シーズン観られるようになってほしい! 

 

Amazon.co.jp: ビッグバン★セオリー<ファースト・シーズン>(字幕版)を観る | Prime Video

 

 

 

大胆かつ面白い!Amazonプライムのドキュメンタリー番組『ジャイアント・ビースト~グローバル経済の謎を解き明かせ~』

Amazonプライムオリジナルのドキュメンタリー番組、『ジャイアント・ビースト~グローバル経済の謎を解き明かせ~』を観ました。

今世界を動かしているお金の謎に迫る、経済ドキュメンタリー番組です。だからといって堅苦しく難しい内容では決してなくて、ユーモラスでキャッチ―に練られた作りの、よくできたエンタメ作品に仕上がっており、経済に詳しくない私も非常に楽しめました。

全8話。毎回テーマを設け、ホスト役のカル・ペンが世界のあちこちに赴いて関係者インタビューを敢行し、グローバル経済の闇に切り込んでいきます。皮肉や風刺を効かせたり、たまには演出過剰な部分も見受けられますが、それらも含めて許容範囲というか、面白く視聴しました。

 

↑画像をクリックするとAmazonページに飛びます。現在Amazonプライムで全話見放題!

 

ジャイアント・ビースト~グローバル経済の謎を解き明かせ~』(2019年米)

出演:カル・ペンほか

 

各エピソードのタイトル(日本語):

1. マネーロンダリングの手引き

2. 金持ちはイヤな奴?イヤな奴だから金持ちになる?

3. ゴムのお話

4. 人口知能(AI)が作る未来。人類は生きてその恩恵を享受できるのか?

5. 偽物が経済を脅かす(そして発展もさせる)

6. 死のお話

7. お金って紙くず?

8. 世界の汚職ツアー

 

毎回、アメリカ国内や世界のいろいろな国に飛び取材をしているのも、海外大好きな私にとってはとても面白かったです。

例えばエピソード3では「ゴムのお話」でのタイのゴム産業に迫ったり、タンポポに活路を見出すドイツ企業を紹介したり。

 

ホスト役を務めるカル・ペンは、かなりクセのある人物です。俳優で、ホワイトハウス職員だった過去もある異色の経歴の持ち主。インドロケのシーンでは、インドで働いたことがあるとも言っていたなぁ。 

↑彼がカル・ペン

アクが強く、失礼ながら好感度はあまり高くなさそう(笑)な人ですが、ユーモアを織り交ぜながらぐいぐい相手に突っ込んでいくインタビューは観ていて面白かったです。

 

各エピソードどれも勉強になります。知っているようで知らなかった経済トピックを、とっつきやすく掘り下げてくれます。AIやビットコインなどわりとタイムリーな話題もしっかりピックアップしていて、まさに今観た方が、何年も後になって観るより楽しめそう。

特にエピソード1のマネーロンダリングの話は面白かったなぁ。キプロスがロケ地の一つになっているのですが、このエピソードを観た後に視聴したドラマ『MR.ROBOT / ミスター・ロボット』 でもキプロス銀行の話題が出てきて、「おっ!ジャイアント・ビーストでもやってたキプロス銀行だ!」と一人で勝手に盛り上がっていました。

minghuabj.hatenablog.com

 

また、エピソード5の、偽物の話も興味深かったです。特に、香港ロケで出てきた、ブランドの偽物がテロリストに渡っていたという話は、目新しいものではないけれど改めて知っておかなければならないこと。

"テロリストが偽造物を資金源にしてるそうだ 2015年にパリでテロがあった 犯人は中国で買った偽物をパリの市場で売りさばき3~5ユーロを蓄えた それをアルカイダで訓練を受けるために使ったんだ"

“人々は偽物を買うことでテロ資金を与えてたと?”

"そうだ"

私が中国にいた時も、中国で偽物のブランド品を偽物と知った上で買い物をしている日本人観光客の話をよく聞きました。大半の日本人観光客が偽物ブランド品を買って直接テロリストと繋がることはないでしょう。しかし、買う人がいるから売る人がいなくならない。売買が成立することで、巡り巡ってそれが悲惨なテロに結びつくこともあるのです。単なる観光中のショッピングだったとしても、自分は無関係だから、で良いとは思えないですよね。(というかそもそも、海外で偽物ブランド品を買っても、日本への持ち込みは禁じられていますけれどね。)

 

エピソード8の汚職の話。ここで紹介されていた、マレーシアのナジブ元首相の汚職疑惑とそれに対する庶民感情の話はかなり印象的でした。汚職に憤るストリートアーティストの彼、応援したいです。

 

世界で儲けているのは誰?お金はどこからどう流れ、どこに集まる?そんな大きく難しそうな経済のお話を、ユーモアを交えてとっつきやすく番組化した、なかなか見ごたえのある作品だと思いました。

シーズン2の制作予定はないのでしょうか。続編希望です!

 

Amazon.co.jp: ジャイアント・ビースト ~グローバル経済の謎を解き明かせ~ シーズン1 (字幕版)を観る | Prime Video