元・ふわふわ北京日和

北京住み→日本に本帰国。現在は中国に関係あったりなかったりの気ままなブログ。

親子三代にわたる迷宮入り事件に挑む 中国の警察ドラマ『燃焼』

今年5月から6月にかけて中国で放送されたばかりのドラマ『燃焼』(燃烧)を、YouTubeで観終えました。『猟狐』に続く警察ドラマです。なかなか面白かった。主演は、私にとっては初めましての経超(ジン・チャオ)。

30年にわたる迷宮入り事件を追いかけるドラマです。

 

YouTubeはこちら↓。全51話と長い!現在、日本語字幕はありません。中国語字幕のみ。

www.youtube.com

 

『燃焼』(2020年中国)

出演:経超(ジン・チャオ)、張佳寧(ヂャン・ジァニン)、奚美娟(シー・メイジュエン)、譚凱(タン・カイ)、林籽(リン・ズー)ほか

baike.baidu.com

 

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中国・龍城市(架空の都市)。祖父の高四海(ガオ・スーハイ)、父の高建設(ガオ・ジエンシャ)が共に警察という家庭に生まれた高風(ガオ・フォン、経超)は、自分も警察になったが、辞めて無職の身に。

祖父の高四海は30年前、ある遺体は人違いで容疑者はまだ生きていると主張していたが、何者かに陥れられ、汚名を着せられた。高四海はアルツハイマー病となった。高建設も後に同じ事件を追ったが、真相に近づく中で事故と見せかけて殺された。事件は解決済みとされた。

30年後のある日、とある洞窟で女性の白骨遺体が発見されたのを機に、高四海と高建設が追っていた事件とのつながりが浮上し、再捜査が始まる。警察を辞めた高風は、祖父と父の汚名をそそぐため、独自で事件の調査を始める。

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全51話って長いよなぁ…しかし、後半はどんどん面白くなって、最後は一気に観てしまいました。序盤は事件の概要がなかなか見えなくて、回想シーンもしょっちゅう出てくるし、視聴者は少しずつ少しずつ理解していく感じでした。なかなか進まないなぁ~と思っていたら、後半どんどん面白くなったかな。

 

事件の黒幕は、趙月娥(ヂャオ・ユエアー)というおばあさんです。っていきなり言っちゃいますけれど、このおばあさんが黒幕だということはドラマの初めの方ですぐに分かるので、ネタバレというわけではないですよ(笑)。

このおばあさんが相当な悪人で、自分は手を下さず、人を金で利用し、都合の悪い人間はたとえ身内であろうと手を下し、躊躇なく消します。そうやって、30年前から身内や警察を騙してきた悪の権化。農村での暮らしから這い上がり、龍星集団という中国屈指の大手グループ企業を牛耳り、その龍星集団は今や息子と孫娘が中心となって経営しています。怖い怖い~💦

親族企業の悪事は、これまで中国ドラマで何度か出てきたけれど、おばあさんが黒幕というのは初めて見るので新鮮でした。

(この憎き趙月娥を演じている奚美娟さん、『月に咲く花の如く』の終盤でちらっと西太后役で出てきた方ではないですか!)

 

そして、趙月娥の孫娘で高風の元彼女の許佳桐(シュー・ジァトン、張佳寧)は、趙月娥の共犯となり、祖母の仕掛けた悪事の闇にどっぷり漬かってしまいます。これもわりとドラマの初めの方でそうなるので、ネタバレではありません(笑)。

可愛くて、イギリス留学経験もある頭脳明晰な女性で、若くして龍星集団を引っ張る許佳桐。法を犯すことなく順風満帆な道を歩むことは難しくなかったはずなのに、趙月娥の孫娘であるばかりに、これも相当憎たらしい悪女となっていきます。

許佳桐を演じた張佳寧は、なんだか役不足に感じました。可愛いけれど、幼いし企業のトップの役はふさわしく見えないし、表情も乏しいし、声は吹き替えだし。メイクも似合ってなかったです😅

真相を追いかける警察。趙月娥が怪しいと直感では分かっているのに、証拠集めに苦戦する。涼しい顔をして証拠を隠滅し殺人を重ねる趙月娥。追い追われ、真相へと近づいていく過程が、特に後半面白かったです。

 

この祖母と孫娘という、メインの女性キャラが憎たらしくてたまらないのですが(笑)、私のお気に入りのキャラクターは女性刑事の劉青葉(リウ・チンイエ、林籽)でした。林籽さん美人です。高風の幼なじみで、ずっと高風のことが好きだがその思いは秘めたまま。

主人公の高風を演じる経超、高身長のイケメンですね~。演技も良かった。彼の出演作を他にも観てみたいです。

高一家のそれぞれの境遇や人生は辛かったです…。

 

舞台となる龍城市は架空の都市。沿岸都市の雰囲気が良いな、どこでロケしたんだろう?と思って百度百科をチェックしたら、青島ロケとなっていました。

ところで、中国のドラマって架空の都市の設定が好きですよね。なんでだろう?『猟狐』『人民的名義』もそうだったし。さらに、事件とのつながりで「南国」という架空の外国も出てきました。「南国」て!初出のセリフでは笑いましたけど(笑)。しかも、南国人の名前は中国人の名前だし、中国語で会話するし。そういえば、『橙紅年代』でもM国なんてのが出てきたわね…。

 

また面白いサスペンスドラマが観られて良かったです。今回も存分、中国語の勉強をさせてもらいました( ´艸`)

やっぱり私は、日本でも人気の華流歴史ドラマより、現代ドラマの方が好きだなぁ。